1・失った記憶
眩しい・・・・・・・・
いつ寝たのか、何も覚えていないボーっとした顔で朝を迎えた。
「なんで俺・・・・泣いてるんだ?」
(トントン)ノックの音で少し驚く
母「ゆうき?起きてる?あんた明日から大学の入学式よー?前日に校内見に行くって言ってたじゃない。」
日
雄輝「ああそうだったね。起きてるよ母さん。」
なんだろう。夢を見ていたのかな。すごく大切で大事な夢を見ていた気がする。
誰かの口元・・・女の子?俺の名前を呼んでた・・・・?だめだ何も思い出せない。
母「母さん仕事だから朝食すませたら食器流しにいれておいてね?じゃあ行ってくるね。」
階段を降り玄関の開閉音が家に響き渡る
きっと変な夢を見ていたのだろう。さっさと準備を済ませて大学に向かうとしようか。
でも何か気持ち悪い。これでいいのだろうかと思ってしまう。
雄輝「まぁいいか。っとこんな時間か」
ご飯を食べながらTVをつける
TV「2100年4月5日日曜日のnewsをお届け致します。4月になっても異例の寒さ。本日も防寒対策を怠ることなく、気を付けて出ていきましょう。」
2090年頃からこの世界は異常気象に見舞われている。夏と冬しかないような時期になり6月まではすごく寒く毎日雪が降っていることもごく普通な世の中だ。AI機能の発達により、僕ら人類もそれなりの進化を遂げ、異常気象の寒さや、交通不便などにも対応できるほどになったことが唯一の救いだろう。
雄輝「モノレール交通の時間に合わせるしかないか・・・」
AI完備スーツを着ていこう。
家を出て鍵を閉める
雄輝「うぅ・・・寒いなぁ。体温調整を頼む。それといつもの音楽をかけて。」
AI「雄輝様承認いたしました。」
外は真っ白な雪に覆われ周りの住宅街の屋根にも積もっている。
駅へと向かう途中音楽を聴いてるにも関わらず僕の頭の中は今朝起きるまでが長すぎた一日のように
感じていた。それはとてつもない違和感だった。まるで何百年も目覚めなくていきなり目覚めたと思ったら、1日しか経っていなかったと言わんばかりの違和感だ。
そのことしか考えられないほど、そして・・・その大切な何かを僕は忘れてしまっている。
ただの夢だったはずなのに・・・・
駅ホーム「間もなく39号線にモノレールが到着いたします。白線の内側までお下がりください」
人は・・・少ない方だな 席も空いてるし
駅員アナウンス「39号線38号線一斉に出発いたします。立っているかたはお気をつけ下さいませ。」
雄輝「ふぅ。夢は夢・・・・だよな。」
駅へ着き改札をでて再び大学へ向けて歩き出す