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そうだった…。


リリアーナには義理の兄弟がいて、2人ともゲームの攻略対象。 


これからたくさん接触しなきゃいけなくなるなんて…

ハァ……





レイナルド・メイスン



リリアーナの義理の兄で、ランスとともに下町のスラム街で路頭に迷っていたところをリリアーナの父親に拾われ、そのままメイスン家の養子になった。


美しい白い髪に金色の瞳、神様みたいに優しそうな顔のイケメン。


18歳で、ヒロインより二歳年上。 


まさに理想のお兄ちゃんという性格だが、ヒロインが他の男の人と話をしただけですぐに嫉妬して監禁しようとする束縛系のヤンデレ。


スラム街で育ったあとも、元々優秀だったレイナルドはすぐに社交界でのマナーやダンス、学問などを覚えたがそれに嫉妬と憎悪を抱いたリリアーナには嫌がらせばかりを受けていたため、誰のことも信用できずにいた。


その時にヒロインに出会い、彼女の純粋さに次第に惹かれていくようになる。


ハッピーエンドではヒロインと結婚。


レイナルドは公爵家の当主として、主人公とともに領地を守っていく。


リリアーナは公爵家の者に近づく主人公をよく思わず、ひどい嫌がらせを主人公に繰り返し行う。


エンディングでは、怒りのあまりヒロインを崖から突き落とそうとするところをレイナルドが目撃。


すぐに止めに入ったレイナルドの手により、次期公爵夫人を手に掛けようとしたとして処刑される。


バッドエンドではヒロインを崖に落とそうとしたリリアーナをレイナルドが止めるところまでは一緒なのだが!


        問題はその後。


またヒロインが危険な目に遭わないようにヒロインと結婚してそのまま屋敷に監禁。


手足の自由は奪わないが、もちろんその屋敷からヒロインを一歩も出さずに使用人の手伝いはもちろん、社交界にも出さずに趣味の一つもさせない。


ものを食べるときはレイナルドが全て食べさせ、風呂に入るときや着替えをするときもいつも彼が全てやる。


やがてヒロインは何もしなくなり、文字通りレイナルドを愛する以外は何もできなくなってしまう。


もちろんレイナルドは始終幸せそうにしており


「どんなキミでも最高に美しい」


と、それはそれは幸せそうに言っていた。


ちなみに、崖からヒロインを突き落とそうとしたリリアーナはその後行方不明になっている。

怖っ



ランス・メイスン 



リリアーナの義理の弟で、レイナルドの実の弟でもある。レイナルド同様、スラム街でリリアーナの父親に拾われそのまま養子になった。


15歳で、ヒロインより一つ年下。


兄と同じ美しい白い髪にサファイアのような色の瞳。


カッコイイというよりはカワイイ顔をしたイケメン。


天使のような顔とは裏腹に計算高く、兄に劣らず優秀。


ヒロインにはまさかの一目惚れ。

ヒロインことを天使だと思っていて、年下だということを理由によくくっついている。


「ねぇ、なんで構ってくれないの?もしかして僕に飽きちゃったの?」


そう言って、ヒロインをめちゃくちゃ問いただすちょっとメンヘラっぽい執着系のヤンデレ。


ハッピーエンドではヒロインと婚約。

ランスとヒロインは別邸に移って幸せに暮らす。


リリアーナはランスに主人公に嫌がらせをしていたことがバレて、公爵家から追放され平民に成り下がる。


バッドエンドではヒロインと心中。4人の中で唯一ヒロインが死ぬエンドになっていた。


ちなみに、リリアーナは地下牢に入れられたあとはほったらかしにされて餓死。

イヤー!!


「愛してるよ。愛してるから、殺すんだ。」


そう言ってランスはヒロインをメッタ刺しにしていた。


う~ん…


どのエンドもスゴい怖いけど、やっぱりランスのエンドが1番怖いな……


「リリー?」


あ、そうだった!


今、私はお父様に話しかけられてたんだった!


「どうしたの?お父様。」


「いや、今日リリーが倒れたと聞いたから慌てて来てみたんだが……」


           え?

           倒れた?


……そうだ!


私ダンスのレッスン中に倒れてベットで寝てたんだったわ!


それで前世の記憶が戻ったんだ……


「少々疲れていたようです。

 もう大丈夫です。」


私はニッコリ笑って答えた。


「そうか…本当に良かった……」


そう言ってお父様は、

「次からは気をつけるんだよ。」

と私の頭を撫でながら言って部屋から出て行った。


今のやり取りの通り、私達の親子仲はとても良好だ。


こうやって何かあったら心配してくれるし、私にスゴく優しい。ちょっと親バカなくらいに……


もちろんお母様もいますよ!


お父様に負けないくらいに愛されていると思う。


でも、どちらかと言うとお母様の方があんまり子供を心配しない気がするけどね……


多分今頃お母様は、


「リリーはお転婆さんね。」


とかなんとか言って、紅茶でも飲んで部屋で寛いでいると思う。


いやいやお母様!


実の娘が倒れたんですよ!

少しは驚きましょうよ!


とまぁ、こんな感じで結構神経が図太い方なんです………



て、そんなことよりヤンデレ兄弟のことだよ!



ちなみに、私達はまだ出会っていない。


リリーの父……すなわち私のお父様が2人を連れてくるのは確かリリーが5歳のときだったはず。



つまり今年ということになる!



大変だ! 


まだ何も対策をとってないじゃん!

2人がやってくるのは今年なのに!


とりあえず、いろいろ考えなきゃ!


私は前世の知識を覚えているだけ思い出して、なんとか対策を練ってみた。



対策その1



ヤンデレ兄弟とは仲良くする。


ヤンデレ兄弟達の心が傷ついてリリーを嫌うようになるのはリリーからの苛めや虐待のせい。


だったら、私が兄弟達を傷つけなければそれなりにいい関係が築けるのでは?


我ながら楽観的だと思うが、これが今の私が考える1番の最善策だった。



対策が普通すぎるって?

しょうがないじゃん!

これしかホントに思いつかなかったんだもん!


あと、私が普通に兄弟達と仲良くしたい!!


前世では一人っ子だった私は、とにかく兄弟がいる友達が羨ましかった。


「兄弟がほしい?あんなのいても邪魔なだけだよ!?」


と、兄弟がいる友達に言われたりもしたが、それでも私は兄弟が欲しかった。


例えばお姉ちゃんやお兄ちゃんが勉強を教えてくれたり、弟や妹が甘えてくれるんだよ!?


最高じゃない!?


「そんな絵に描いたような兄弟いるかっ!」


と言われてしまったが……


もしもこの対策が失敗して兄弟達に嫌われてしまったら、仕方がないがあまり接触しないように努めよう。



できれば嫌わないでほしいけど!



対策2


ヒロインを苛めない。


これも原則だよね!

小説とかによくあるやつ!


一瞬、リリアーナがヒロインを苛めないと攻略対象と結ばれることがなくなってしまうのでは?


とも思ったけど、苛めたせいで自分が死ん

じゃったら元も子もない。


まぁ、ヒロインなら可愛いし性格いいから大丈夫でしょ!絶対苛めないから、安心して幸せになってね!



対策その3



王子とは婚約しない


王子と婚約するのは今年なのだ!

だからまだ間に合うはず!


ゲームではリリアーナが権力を振りかざして婚約していたから、私が王子にそんなに近づかなければ大丈夫!


こっちも安心してヒロインと結ばれてね!

私、あなたのこと好きにならないようにするから!


まぁ、こんな感じで対策をいくつか立ててみた。


ルシアスとはそもそも接点がないからね!

きっと大丈夫だよ!私も仲良くするつもりないしね!


なんだか楽しくなってきた。


ヤンデレばっかりの危ない世界だし、私は1番殺されやすいキャラクターに転生しちゃったけれど、こうやって第2の人生が送れるのだ!



しかも異世界!

これは楽しまなきゃ損でしょ!!



こうして、私はワクワクしながら乙女ゲームライフをスタートさせた。

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