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いやー、まさかあんなにあっさり死んじゃうなんて。




そう。私はさっき、横断歩道に飛び出した子供を突き飛ばしてそのまま車にはねられて死んだ。


気づいたら体が勝手に動いていたんだもん。


だってあれはさすがに見過ごせないよ。


あそこで突き飛ばした私は良いことをしたと思う。

よくやった!

私!


でも、まさか死んじゃうなんて…。


まだ17年間しか生きてなかったのに。



   ……死んじゃうんならしょうがない!



天国とかあんのかな~? 


それ以前に天国行けるのかな、私。


地獄ってどんな所だろ?



そんなどうでもいいことを死ぬ間際に考えてたら………





    なぜか転生していたと言うわけです!










いやいや、おかしいおかしい。


普通あり得ないよね?聞いたことないよね?


逆に周りに「私、実は転生者なの!」みたいな人いる?


いないよね~?


しかも部屋がなんか中世ヨーロッパの貴族の部屋みたいに豪華だし!


何ここ!?

って思いながら慌てて自分の顔を鏡で確認してみたら、

そこには銀髪のロングヘア、目は少しつり上がり気味だけど瞳はアメジストのような色をしている顔が眉間にしわを寄せてこちらを変な顔で見ていた。



       ……………うん、誰?



あれ?


私こんな顔だっけ?外国人みたい。


転生したから顔が違うのは当然か。 


顔はちょっとキツめだけど、前世よりは美人だな~。


そういえば、今の私の名前って何だっけ?


え~と………


そうだ!


リリアーナだ!

リリアーナ=メイスン!


愛称はリリーで公爵令嬢。

年は5才、両親に甘やかされて育った記憶が………


でも、前世のせいかな?

乙女ゲームの悪役令嬢みたいにワガママで傲慢な態度はとってなかった気がする。ほっ!



…………ん?


乙女ゲームの悪役令嬢?


そういえば、この顔どこかで見たような…。


         あ、そうだ。


「聖女は歪な愛に溺れる」の悪役令嬢リリアーナの顔だ。


じゃあ、私悪役令嬢だ!


そっか~。


悪役令嬢リリアーナか~。


どうりで見たことある顔だと思ったよ~。

あー、スッキリした。


良かった良かった。



  







    って全然良くないっ!!!!!


そうだよ!

私、悪役令嬢じゃん!ということは………




       「私、殺される!!」




   嘘でしょ~~~~~~~~!!!???


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  

   よし、一旦整理しよう。切り替え大事。   


    



     「聖女は歪な愛に溺れる」


その名の通り、攻略対象が全員ヤンデレという乙女ゲームだ。


あらすじはこう。


ヒロインは心優しい花屋の娘で、お母さんと一緒に花屋を営んでいる。


ある日、光の魔力を発現してその能力が買われて子爵家の養子になることに。


実は、光の魔力を発現するということはその者が聖女である証。つまり、ヒロインはゲームの名前になっているように聖女の生まれ変わりなのだ。


そしてその事が王に知られ、ヒロインは王宮に呼ばれてそこで聖女教育を受けることになる。


そこでヒロインは4人のイケメン(攻略対象達)と出会い、彼らと恋を育んでいく。




1人目の攻略対象者はアルベルト=シュタイン。


年はヒロインと同い年の16才。

この国の第一王子で、見た目はおとぎ話から飛び出してきたかのような金髪にエメラルド色の瞳を持つイケメン。


しかし性格は腹黒いところがありヒロインの前では優しいが、ヒロインに害を為そうとする者やヒロインに近づこうとする者を裏で確実に潰していくという、言わば殺戮系ヤンデレ。


そして、リリアーナの婚約者でもある。 


元々王子の婚約者候補だったリリアーナは、8歳の時にアルベルトに出会って優しい王子を好きになってしまう。


リリアーナはなんとかアルベルトの婚約者になろうと公爵家の権力を振りかざして、無理矢理婚約者になっていた。


もちろんアルベルトのほうはリリアーナには一ミリも興味なし。


纏わりついてくるリリアーナを鬱陶しくさえ感じていて、所詮は群がる令嬢達を防ぐための都合のいい人物くらいにしか思っていなかった。


リリアーナはアルベルトといつも一緒にいるヒロインに嫉妬して


「平民のくせに私の婚約者に近づくんじゃないわよ!」


と、いつも嫌がらせをしていた。


アルベルトは幼い頃から頭が良く、周りの人々が自分に気に入られようとして話しかけているということを早くから気づいていて、自分の権力にしか興味がない人々にうんざりしていた。




そんなとき、アルベルトはヒロインと出会うことになる。




アルベルトは他の令嬢達とは違い、自分の身分とは関係なく他の人たちと同じように接してくれるヒロインに次第に心を惹かれていく。



「あなたに近づく虫は全て消してあげます。」



とか言って、ヒロインに近づく様々な令息達を排除してたな~。


ヒロインに気づかれないように……


ちなみにハッピーエンドだとヒロインと結婚して、リリアーナは聖女に様々な精神的ダメージを負わせたとして身分を剥奪。


そのまま島流しの刑に処される。


普通に幸せなエンディングなのだが、バットエンドだとヒロインを自分の部屋に監禁。


そして、一生そこから出してもらえなくなるというなんともヤンデレっぽいエンディングだ。


リリアーナはヒロインを何度も傷つけたとしてアルベルトに密かに殺される。


密かにってどんな風に殺されるの!?


そこ1番大事なのにゲームではなんの説明もなかったんだよ!!


怖すぎるよっ!



2人目は、ルシアス=ロイド。


公爵令息で、宰相の息子。


年はヒロインより二つ年上の18才で、黒髪・赤い瞳の色気漂う大人なイケメン。性格は優しく、紳士的で4人の攻略対象達の中では1番の年上。



「あなた以外はなにもいらない。」



と言ってヒロインに異常なまでに執着してヒロインのためならなんでもしちゃうような、言わば依存系のヤンデレ。


ルシアスはその瞳の色を「悪魔の色」とされて家族に「悪魔」と呼ばれ続け、ずっといないものとして扱われてきた。


そのため素顔を出すのを極端に恐れ、幼少期からずっと仮面をつけている。


舞踏会に出たことはほとんどなく、顔も仮面で隠しているため「仮面の君」と人々に呼ばれていた。


しかし、ルシアスが仮面を外した時にヒロインがその瞳を美しいと褒めたため、次第にヒロインに心を開いていく。


ちなみに、ルシアスルートにリリアーナは出てこない。


だからその分、ルシアスは好感度が1番上がりづらいキャラクターだった。


仮面を外してくれるまでどれだけ時間がかかったことか!攻略するのホントに大変だったな~。


もっと大変だったのがハッピーエンドにもっていくこと! 


彼、誰にも愛されずに育ってきたためかこれまた闇おちしやすいキャラクターでね~。


選択を一歩間違えたら即バットエンド!


         鬼畜だった……


そんなルシアスはのハッピーエンドはヒロインと婚約。2人ともそれはそれは幸せそうな顔をしていた。


あのスチルは泣けた!

何度も泣いちゃったよ~


バットエンドではヒロインを自分の屋敷に閉じこめ、屋敷にいる間は自分とヒロインを鎖で繋げてヒロインが少しずつ狂っていくのをそれはそれは幸せそうに見つめる、というかなり怖いエンディング。 



そして3人目と4人目は…………

  

        

         




       私の義兄弟達である…。



         バタンッ!



急に扉がスゴい勢いで開いたと思ったら、予想していた通りの人物が飛び込んできた。



「リリー!大丈夫かい!?」


「お父様!」



          そう。

       私の現世のお父様だ。


また、しばらく更新しなくなると思います。

すみません。

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