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真琴 Secretary!! 社会人の所作・マナー講座  作者: 剣世炸
サービス接遇編
17/52

chapter15 実務技能-問題処理-

 ある日の「現代社会」の授業にて…

「さて、今日は「SNS」を介して引き起こされる事件について、取り上げてみようと思う」

「せんせー!SNSって、「Line」とか「Twitter」、「Facebook」のことっすよね」

「そうだな。最近では大分下火になったが、以前「店員の接客態度に腹を立てた客が、数十分に渡り土下座を要求し、最後には店員に土下座させ、それをスマホで撮影してSNSに流し、強要罪で逮捕」というニュースが流れたな」

「あの事件だが、どうしてそんなことが発生したのだと思う?」

「はいっ!この間の足達先生の「秘書・接遇」の授業で、クレームの対応についてやりました。サービススタッフがクレーム等の処理をする時、『誠実なサービス接遇実務能力者としての問題処理を心がける』『事務的なやりとりだけではない、お客さまの心に触れるような応対を心がける』ことが求められます」

「なので、土下座をした店員さんは、お客さまから長い時間土下座を要求され、他のお客さまのご迷惑になっているということも去ることながら、お客さまが要求している土下座をすることで誠実な態度を見せ、激怒しているお客さまの心に触れ、怒りを鎮めて頂こうとした、のではないでしょうか?」


***


 サービス接遇における問題処理では「お客さまからの苦情・問い合わせ・相談・要望・注文などに対し的確な処理をすること」が求められます。

 この「的確な処理」を行うためには…


・誠実な問題処理を心がける

・事務的なやり取りに終始せず、お客さまの心に触れるような応対を心がける


ことが大切であり、何よりもお客さまを第一に考えた問題処理が求められるということになります。

 また、これまでのchapterでも紹介してきた通り「お客さまのために対応している」という心一つで、お客さまにはサービススタッフの立ち居振る舞いが「感じよく」伝わるものであって…

『通常、感じの良いお客さま応対をしていれば、応対に対するクレームは発生しない』

とも言えます。

 しかしながら「土下座」をすることが「お客さまの心に触れる行為」であるとは必ずしも言えませんし、仮にスタッフの対応によってお客様に経済的な損害を与えたとして、土下座を行うことでそれが解消されるというものでもありません。

 最近では「当店では土下座の店員に対する強要をお断りしております。苦情等はこちらまでご連絡下さい」といった張り紙を出し、店員が土下座をお客さまから強要されない工夫を行っている店もありますが、いずれにしても…

『お客さまからのクレームには誠実にお応えする』

ことが、サービススタッフには求められるのです。


***


「嶋尻…というか、足達先生の教えの通りだな」

「この中にも、アルバイトでサービス業に従事している生徒は多いかと思う」

「スマホは「小さなパソコン」だ。いつ、何時自分の姿が撮影され、SNSに投稿されるか分からない」

「「アルバイト」という立場で、もし客からのクレームに対応しないといけない状況になったら、自分一人で判断せず、正社員や店長といった責任を取れる立場の従業員に連絡し、指示を仰ぐように」

「いくら「お客さまは神様です」と言っても、店員が土下座をして謝ることを望まなければ、それはお客さまであっても「強要罪」等に問われることになるからな!」

「さて、次のニュースに関する話だが…」


chapter16 に続く



-検定問題にチャレンジ!-


 レストランのスタッフ谷口留美子は先輩から、お客さまから苦情を言われたときの対応として次のような指導を受けた。中から「不適当」と思われるものを一つ選びなさい。

(第39回 サービス接遇実務検定3級問題より)



「1.苦情には原因があるのだから、苦情を聞きながら原因を考えて反省するように。」



「2.苦情を言われたとき、原因の一部がお客さまにあったとしても、とにかく謝るように。」



「3.お客さまは勘違いで苦情を言ってくる場合もあるが、それでも言われた苦情には謝ること。」



「4.責任者を呼ぶようにと言われたら、謝るのは責任者になるから自分では謝らなくてもよい。」



「5.苦情の原因は店全体の仕事の仕方にも関連するから、対応が済んだ後は責任者に報告すること。」



「不適当」な選択肢は…



























「4.責任者を呼ぶようにと言われたら、謝るのは責任者になるから自分では謝らなくてもよい。」



-解説-



「責任者を呼ぶように」ということは、担当者だけでは済まない苦情であって、対象は店全体に及ぶものということになります。となれば、当事者である谷口は当然一番に謝らないといけません。責任者が謝るから、当事者の谷口が謝らなくてよいという指導は「不適当」であると言えます。

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