侵入成功!
右の太陽の腕・模倣品からビー玉程のサイズの白い光を放つ闘気の玉を作り出す。戦闘人形の数に合わせて9つ。
……近くにある監視カメラらしき物も、これでなんとか潰せるはずだ。
「小型の太陽閃光だ……そらっ!」
太陽閃光を放り投げると、フェルが簡単な風属性の魔法でそれぞれの戦闘人形の目の前に誘導する。戦闘人形が太陽閃光を認識する前に、炸裂させる。激しい閃光と共に、衝撃波が戦闘人形の顔を襲い、視覚を司るカメラと聴覚を司るマイクを混乱させる。
「ナイスです、レイジ様! 掴まってください!」
「ウーン! グッドアイデアダネェ!」
俺とレイレイはそれぞれ、フェルとフェルの分身に抱えられる。ビルの屋上から飛び降り、フェルと分身は音も無く衝撃も感じさせずに着地して、俺を地面に下ろす。着地次第、全員が体勢を低くし、戦闘人形の反応をレイレイに確認してもらう。
「フム……安心シタマエ。ドウヤラ、人形達ハ気絶トハイカナイマデモ、何ガ起キタカハ認識出来テイナイ。何ガ起コッタカモ理解出来テイナイカラ、学習スラ出来テイナイミタイ。素晴ラシイヨー!」
「あまり大きな声を出さないでください……レイジ様、ここからどういたしましょう?」
「任せろ。太陽光線の応用……太陽光線小刃」
人差し指から太陽光線を光線としてではなく、8センチメートル程度の刃状に放出して留める。
超高熱の極小の刃で戦闘には向かないけれど、低燃費で斬れ味も鋭い。戦いで使えるように大きくも出来るけど、今はこの位のサイズで問題ない。
「………………フゥ、なんとか切れたか?」
建物の屋根に人が1人なら通れそうなサイズの四角の形に傷をつける。中心を突き刺し、持ち上げるとなんとか侵入経路を作る事が出来た。
「レイレイ? フェル?」
「大丈夫。侵入口ガ出来タ事ハ誰モ気付イテナイヨ」
「警備は一番近くて30メートルと言った所ですね。監視カメラらしき地形の違和感もありません」
「よし、降りるぞ」
レイレイとフェルの報告を聞いて、開けた穴へと飛び込む。着地後に周りを見渡すが、報告の通りに周りには人影など無い。まずは潜入に成功したみたいだな。
「フェル、頼んだ」
「かしこまりました。再構築」
フェルの呪文によって、開けた穴が塞がる。これで戦闘人形が警備に来ても気付かれないはずだ。後はヘンジを見つけて、ぶん殴る!
「案内スルヨ! ヘンジノ居場所ダッタネ! 私ニツイテキタマエ!」
「ああ、頼むぞ!」
レイレイを先頭にフェルの分身、俺、フェルで列を組んで走り出す。この調子なら直ぐに辿り着けそうだな!




