状況把握
薄暗い部屋の中。白衣を着た人影が、ぼんやりと光を放つディスプレイを食い入るように見つめている。画面に映っているのは先ほどの戦闘人形の視界、フェルとカグヤの連携、ショウの指示、そして……
「やっぱり、このレイジって呼ばれてるのだよなぁ……ウへへへ……」
画面を停止させ、人影はレイジの姿を眺める。丁度、太陽紫外線を使用しているシーン。右手で銃の形を作り、指先から細く鋭い光線を放っている。
人影は真似をして横の壁に、右手で銃の形を作る。
「スナイパーライフル」
ポフンと、可愛い音を立てて、指の先が淡く光った。しかし、レイジの様に光線の発射とまではいかない。
「ヒヒヒ……撃てないなぁ…………スナイパーライフル……だっけの明確なイメージが湧かないもんなぁ……間違いないやコイツもショウと同じで良い意味で頭がおかしいぞ」
人影がキーボードを操作すると、レイジの姿がズームされる。人影はレイジの顔を見つめ続ける。
「ショウには恩が有るからね……コイツで良いや。コイツの頭……解剖そう」
レイジが確実に……ロックオンされた……
◆
うわっ……なんか背筋がゾワッとする。何だよ……フェルが居るのに俺がヤバイって事か? ならもっと、太陽の腕・模倣品が必要だ。
本体のフェルが太陽の腕を呼び出し、刃の側面を義手に当てる。太陽の剣が義手に取り込まれ、太陽の腕・模倣品の完成だ。
「機械人形の製作者……名前はヘンジ。ギリギリ、ヤパン人」
ギリギリヤパン人って……まぁ、ヘンジって名前はありそうな……無さそうな……そんな事はどうでもいい!そいつが戦闘人形……いや
「そいつ、この街全てを生み出した……違うか?」
「うん……アキバ自体の製作者……イカレた科学者」
「まさか俺が来た途端、戦える機械人形を待たせてるとは思わなかった……すまない」
「すまないと思うなら、未来を少しでも視てくれ……結界が破られる未来は?」
とにかく、今は戦闘人形の能力の確認とヘンジの居るであろう場所、そしてヘンジ自身の能力だ。
「未だ視えない。ただ、結界が囲まれる未来が視えるな。…………俺とカグヤに発信機が付けられてるみたいだ。二手に分かれて、屋敷の前で合流が安全だな」
「分かった。念のため、フェルの分身を片方連れてってくれ。黒髪状態のフェルなら機械人形程度蹴散らせる……よな?」
「魔法では無いので不安ですが、弱体耐性と雷耐性の風属性の魔法をかけておきましょう」
「目的地はそう遠くない……大きなアンテナみたいなの目印……レイ君、気を付けてね?」
そう言って、カグヤがでこにキスをしてくる。俺的にはフェルが分身のショウとカグヤの方が心配なんだけどな……とにかく、二手に分かれるしかないか。
「もう時間が無いな。フェル、魔力探知をレイジに教えといてくれ」
「そうですね……はぐれる可能性も無いわけではありませんからね……」
魔力探知……?もしかして異世界定番のアレか? 面倒くさい状況だけど、ワクワクしてくるな!!




