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大切な最強メイドは取り戻したからまあいいか

 折角手足が動くようになったので、とりあえずフェルを捕まえる。メイド服ではなく、黒の着物を着ている……日本の服を着たフェル……ミニスカ気味の裾とか、俺の趣味分かってんなぁ、とかじゃなくて……えーっと、そういう事じゃなくて。


「フェル!」


「ひゃい!?」


「今回の事は気にするな、以上!」


 そう言って胡坐をかいて座る。

 なんというか……黒歴史(プロミネンスハートキャノン)のおかげで俺の思いが伝わった気がしてるから、恥ずかしくて顔が見れない。でも、俺の気持ちを聞いたフェルの気持ちも聞かないと……


「私は……私は…………そんな簡単に許されていいのですか…!?」


 フェルは静かに涙を流しながら、そう言った。俺はその言葉に黙って頷く。


「私には貴方しか居なかった……貴方が1人で何でもできるようになってしまえば、私は不要になってしまうと思いました……だから、手足、魔核……貴方の異世界の生活の根幹となるものを奪いました」


「ああ、お前の魔力が見せてくれたよ」


「ええ、見られた事も知っています……そして、私は傷心する貴方を見て、静かに安堵していました。ああ、これで私は貴方にとって大切な存在になった、と」


 確かに何も知らない頃は何も出来ず、人に頼る事を恐れていた俺にとってフェルは俺の家族であり、友人であり、恋人の様に思っていた。


「天照様に会って、レイジ様に真実をお伝えしろ、と言われても私は信じてもらえないと勝手に決めつけてしまいました。貴方は真実を知っても悩み抜き、私にとって素敵な答えを出してくださったというのに……私は聞かずに逃げ出しました」


「え……素敵な答えって、知ってんの?」


「ええ、天照様が逐一教えてくださいました」


 天照の野郎……! 夢の世界での告白っぽいアレとか報告されてんの!? 色々、ダサい事言ってきたのとかバレてるの!?


「あの……その…………ええと」


「だっだら分かってるだろ? 俺はお前が好きだし、手足も魔核も奪った事は許します。それでも何かあるんならふん縛ってでも連れ帰る」


 その言葉にフェルは顔を真っ赤にして、さらにポロポロと大粒の涙を流し始める。

 ……そういや、フェルに再開出来たらやりたいことがあったんだった。


「フェル、この馬鹿!」


 文句を言いながら、俺からフェルを抱きしめる。右腕しかないけど、それでも離さないように、しっかりと抱きしめる。フェルは俺にしがみつく。お互いに離れないように、ガッチリと。


「誓ってくれ。フェル……いや、フェル・スギヤは俺、レイジ・スギヤの元を離れる事は無いと。とにかく、傍に居ろ!」


 ちょっと、選んだ言葉は雑かもしれないけど、俺が出来るフェルへの恩返し。

 言われたフェルは、服を強く握りながら…


「誓います……フェル、改め、フェル・スギヤは……貴方の元を一生離れません。いえ、離れたくありません!」


 最高の笑顔と、最高の言葉、そして、甘いキスが彼女からの返事だった。充分だ。充分すぎる。これだけあれば、もう手足も魔核も、なにもかも要らない。

 お前が戻ってきてくれて、本当に良かった! 本当に……本当に……お前が死ななくて……良かった……

終わらないからな!(byレイジ)


甘すぎて吐きそうでした(ぶち切れ)

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