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奇妙な感覚

 空中に右手を突き出すと、赤い粒子のような物が集まってくる。さっき手放した筈の太陽の剣が手元に現れた。軽く振りまわして本物かどうか確認しておく……うん、変な呪いとかはかけられて無さそうだ、

 拳で戦った方が、剣を使うよりも攻撃の威力は上がるんだけど……剣を使った方が守りは固くなる。相手は過去の俺……とは言い切れない不気味な相手だ。慎重すぎる位で丁度良い。


「久しぶりだな、未来の俺よ」


「……? お前とは初対面の筈だけど?」


「覚えてないのも無理はない。俺が毎回記憶だけは消してやったからな……会うのはこれで2回目だ。いや、平行世界での出来事を数えればそれ以上かな?」


 記憶を消す……? 平行世界……? 過去の俺は何を言っているんだ……? 俺の姿をしてるだけで、中身は全くの別人って可能性もあるかも……? 全く正体が掴めないな……考えていても埒が明かない。戦って確かめる!

 盾を正面に構え、真っ直ぐに突進していく。俺の無謀な突進を見て過去の俺は静かに嗤い、指を鳴らす。その瞬間、過去の俺の影が伸びてきて巨大な手のひらとして立体化し、突進は止められた。触れた部分から電気を流してみても、地面で電気は途絶えてしまった。

 影を操れるのか……雷光の盾を試してみたけど、地面から出てくる影とは相性が最悪だな。だけど…………!


「こんな物で……!」


「お? おおっ……!?」


 止められたのなら……無理矢理押し続ける! 義足で踏ん張り……足りなければ風で体を押し……それでも足りないなら、足元を爆発させて力づくで引き摺って行く。

 相手がどう戦おうが、それを力で捻じ伏せるのが剛剣だ……!


「何という力だ……だが、力比べは嫌いじゃない……!」


 過去の俺がほんの少し力むだけで、俺の歩みは止められてしまった。力は全くの互角……こうなると力を抜くタイミングが重要になってくる。過去の俺が重心が浮くのを見極め、こちらはバックステップで距離を取る。

 良かった……状況はこれでリセット。相手が影を使えるという事が分かっただけ、突進した甲斐があるというものだ。


「一刀入魂! 行くぞ!」


「今回は使う気は無かったんだがな……一刀入魂・改悪」


 太陽の剣に巨大な炎の刀身を構えると……信じられない事に、太陽の剣と同じ形の黒い剣を取り出し、真っ黒な炎を巨大な刀身としていた。

 見様見真似で真似しているのか……? いや、そんな感じじゃない。一刀入魂に慣れている感じがする。不気味だ……俺は、勝てるのだろうか?

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