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魔物の女王は……信じて良いのか?

 俺と女王の会話に、シーは混乱していた……まあ、地球の事を知ってる奴の方が少ないし、当然の反応なんだろうけど。


「まずは海の平和を取り戻してくれた事、感謝いたします」


 女王が俺に頭を下げる。シーや護衛のマーメイドが戸惑っている。魔物の女王が人間に頭を下げてるのなら当然だよな。下げられてる俺が、落ち着かないもん。


「そんな事で頭を下げないでくれ。別にここを救いたいって思ったからじゃない。それに……お前らは魔物だろ? 魔王の計画は邪魔されない方が良かったんじゃ無いのか?」


「勿論、レイジ君が守護神獣の為に戦ったのは知ってます。ですが結果として、このオツェアーンが救われた事も事実です。ヴォルテールの海汚染はいずれこのオツェアーンに届き、多くの魔物達の命を奪っていたでしょうから」


 魔物も1枚岩って訳じゃ無いのか……そう言えば、魔王の国はオルクスって名前だった。なら、人間の国みたいに対立とかしてるのかもな。


「それに、オルクスの計画は私達にも困ります。ニンゲンでなければ、我々マーメイドは子孫を残す事は出来ませんから……」


 オルクスの計画は世界の侵略……どのような手段を取ろうと、人間の数は減るだろう。そうなったら、オツェアーンは人間の伴侶が手に入らずに滅んでしまう。それだけは避けたいって事か。


(オツェアーンに来た人間は、レイジ様の様に水中での呼吸も出来るようですし、乱暴に扱われていません。望んでここに住んでいるように思えます。良い印象は持てないでしょうが……)


 分かってる。俺には贅沢を言えるほどの強さは無い……敵に回さないように、上手く立ち回るさ。


「そういう事なら、気持ちは受け取っておくよ。で、用件は何だ? ただお礼を言うだけなら、念話で済ませれば良かっただろ?」


「そうですね、本題に入りましょう。レイジ君、この石が何か分かりますか? クヴェーレ」


 女王が命じると、護衛のマーメイドが前に出てきて石を差し出す。青く綺麗で宝石のように輝く、手のひらに収まる位の丸い石。


「いや……見た事ないな。俺が見た事ある石なのか?」


「ええ、勿論です。だって、今も貴方はこの石と同じものを身に着けていますもの」


 俺が身に着けている……? 今は水着だから服の装飾とかでは無いし……イヤリングはルビーの宝石だし……もしかして!?


「それって、夫婦石の妻石か!?」


「その通り、ニンゲンが妻石と呼ぶものを我々が海の中で研磨したものです」


 この輝き……俺の真っ白な妻石とは大違いだ……


「この妻石、通常の妻石よりも魔力を受け渡せる範囲も大違いなんですよ」


 確かに……あの青く煌めく妻石からはマーメイドではない魔物の魔力を感じる……この妻石、絶対に手にしたい!

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