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俺でも知ってる名前の女王

 まだまだシーに手を引いてもらい、海底の散歩は続いていく。水の中って動かなくても疲れるな……


「シー、オツェアーンはまだなのか?」


 声をかけると、シーは泳ぎを止める。

 やべ……怒らせちまったか? って、この景色は……!


「もう着いたわよ。オツェアーンにようこそ!」


 シーが腕を広げ、俺の視界の中心から外れる。巨大な貝や岩を削って作られたであろう家。扉などは無く、屋根だけあれば良いって……ヴァルトみたいだな。確かに海の中では水温の調整が出来ないだろうし、家に求める目的が人間とは違うんだろうな。 


「オツェアーン、マーメイドの国のようですね。私の知識に無いのは、魔物の国だからでしょうか……?」


 マーメイドの国か。その割には、女性しか見かけないような……?


(マーメイドは女性しか存在していません。伴侶となるのは人間の男性で、この国に連れて来られるようですね。家から気配を感じます。気を付けてください)


 なるほど……家はマーメイドが暮らすんじゃなくて、人間を住まわせる為だったのか。そりゃ人魚の文化は人間とは違うに決まってるだろうけどさ……流石に、怖いな。

 落ち着かない心境にボーっとしていると、シーが繋いでいる手を引っ張る。


「女王様の所に案内するわ、着いてきて!」


 シーがゆっくりと泳ぎ始め、海底の街の奥へと泳ぎ始める。他の人魚が俺の事をジッと見てくる……ちょっと、緊張してきたな。



 シーに案内されたのは、オツェアーンの最奥にある大きな城のような建造物だった。唯一ドアがあったり、門番の様にビキニがビキニアーマーと槍を装備したマーメイドが守っていたり……人間の国での城みたいな場所だな。

 その大きな扉を開けた先、武装マーメイドが2人。そして、巨大なマーメイド。3メートル程だろうか? それに他のマーメイドと違って装飾品を多く付けていて、青髪ロングで気品さを感じる……気がする。


「ようこそ、レイジ君、フェルさん。私の名前はポセイドン。このオツェアーンの女王です」


「ポセイドン……ポセイドンってあのポセイドンか!?」


 ポセイドンの名前は俺でも流石に聞いた事がある。と言っても、外国の物凄そうな海の神様ってくらいだけど……でも、俺の記憶が正しければ……


「ポセイドンってお爺さんの名前のイメージなんだけど……」


「それは地球のイメージですから。私はシェーンのポセイドンですので、貴方のイメージと違うのは仕方ありません」


 まさか、地球の事を知ってるなんて……ポセイドンも神の領域に到達してるのか……? 何か一筋縄で行かなそうな気がしてきたな。

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