表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/591

これが俺の強さ……?

遅くなりました。大変申し訳ありません

 俺と黒い俺……不安が具現化した影と目線が重なる。右腕に絡みつく狼の頭が吼えると、影の腕に黒い剣が現れる。あの燃え盛る炎のような真紅の模様……まさか、太陽の剣か? 今の俺には使えないというのに……まあ、太陽の腕があればなんとかなるか。


「まずは、これでどうだ?」


 ハンドガンに闘気を込め、引き金を引けば静かに撃ち出される。太陽光弾(ハンドガン)の応用というか、指からではなく銃から撃ち出しただけだが……牽制には充分だ。


憎悪黒弾(カスタムハンドガン)


 影の俺も左手に真っ黒なハンドガンを作り上げ、真っ黒な弾丸を放ってくる。影の弾丸は光の弾丸を呑み込み、更に俺の方へと迫ってくる。

 憎悪(カスタム)ってなんだよ!? 俺は使った記憶無いぞ!?


「チィッ……雷光電磁壁(チャージプロテクター)!」


 迫る弾丸を雷の衝撃で掻き消す。と同時に駆け出し、銃を構えたまま立ち止まる影に接近戦を仕掛ける。俺の事を見ちゃいない、代わりに腕と足に纏わりつく頭が俺を睨んでやがる。


「オラァッ!」


 地面を這いずるような低姿勢で駆け抜け、影の眼の前で全力で斬り上げる。鳥の目が俺を強く睨むと、影の左腕に黒いひし形の盾。黄色の雷の文様……雷光の盾!? それはまだ使った事が無いぞ!?


憎悪空気銃(カスタムエアガン)


「ぐっ……うわぁっ!?」


 俺の一撃は雷光の盾で防がれ、電流が俺の体を駆け巡る。痛みとともに体が停止した隙に、影の左手の手のひらが俺に向けられる。衝撃波が放たれ、俺の体は大きく吹き飛ばされた。


「……ったく、厄介だな」


 吹き荒れる右脚(ゲイルレッグ)で風を操り、地面に無様に転がる前に体制を立て直す。あの影……まさか、未来の俺なのか? だから使った事のない憎悪(カスタム)や雷光の盾を……って事は?


「オ前ダッテ……勇者ニナリタクナイダロウ?」


 やっぱり……影の左腕にイルカの首が噛みつく。あれって……多分、そういう事だよな?


四属性身体強化(エレメンタルオーラ)


「おいおい、嘘だろ……?」


 完全な四属性(エレメンタル)……フェルが使ったのと同じ虹色の闘気を体に纏っている。弱ったな……アプサラスの鋼水の盾は不完全な雷風炎(エレメンタル)でしか破ることが出来ない。でも相手は俺の雷の盾を破ってくる。

 コイツ……本当に俺か? ゲームじゃあるまいし、敵になった方が強いなんて、勘弁してくれよ……


「正攻法デノ勝チ目ハ無イ……理解シテイルダロウ……?」


「……驚いたな。話しかけてくるのか」


 影の言う通りだ。コイツは俺の不安で、物理的に排除できるようなものではない。でも、どうしたら……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ