当然の結果……?
太陽の剣の一撃を太陽の腕で受け止める。太陽の剣と腕がぶつかり合う事で、体内の闘気は爆発的に増えていく。雷光の盾が放電しながら迫ってくる。盾による突きか……まともに受ければ身体が痺れて動けなくなるだろう。だったら……
「空気の壁を空気銃でっ! 押し飛ばす!」
空気の壁を目の前に作り出し、掌底でフェルの盾にぶつける。この隙に竜巻の鎧を纏い、太陽の腕の性質を使ってみるとしようか。攻撃の性質……それは体に熱を滾らせて攻撃を強くする……なるほど、体が内側から燃え上ってくるようだ。それに炎は、火は出せないようだけど……熱は使えるようだ。太陽の腕が完全に使えなくなった訳じゃない。
「こっちからだってやってやる!」
吹き荒れる右脚で盾を蹴り飛ばす。風属性を宿すこの義足は、雷光の盾が纏う雷の麻痺を幾らかマシにしてくれる。右脚に竜巻の鎧で纏った鎧を全て集中させ、雷光の盾の対策とする。
「風機関銃蹴!」
俺の攻撃の中で最速、最手数である風機関銃蹴。攻撃の性質により威力も充分高いはずだ。纏う風が多くなり速度が増し、目にも止まらぬ速さから残像が見えるレベルの速度に達していた。
「え……? なっ……何が起きた!?」
「まさか残像が発生するほどの速度に到達するとは思いませんでしたが……所詮、蹴りを放っている脚は1本」
俺の右脚はフェルへと到達する前に、根元から切り離されていた。俺の右脚が高く高く舞い上がり、ガシャリと音を立てて落ちていた。痛みは無い……無いけど、癒しの性質を持つ右脚を失った。
「受けるまでもありません」
右脚を失った俺は、バランスを崩してその場に倒れ込んだ。そんな俺の事を、フェルは微笑みを浮かべながら見下ろしている。まともに動けない……このままじゃ、戦う事も出来ない。
「結局、雷風炎合成撃についても良く分かりませんでしたが……私の強さはご堪能頂けたのでは無いでしょうか?」
確かにフェルの強さは充分にこの体で堪能したよ。だから次は……
「片足で立ち上がるのですね……? 片足を失った姿に慣れてるような重心です」
お前は知らない……俺が天照やショウとの修行で片足を失った状態に慣れている事を。
「まだだ……」
お前は知らない……俺の太陽光弾や太陽烈弾が無属性であることを……
「まだ、俺の心は折れちゃいない!」
「それでこそ、私の御主人様です」
俺の成長を……お前にも知ってもらおうか!
本日の余談
フェル:太陽ってついてる癖に無属性なんですか?
レイジ:闘気を撃ち出してるだけだからな