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VS 予想外の相手

 天照はその場から飛び退き、俺とトール、ゼピュロスは真上を睨みつける。俺の闘気とトールの神力でそれぞれ盾を作り、二重の障壁として雷の盾を展開する。


「守り抜け! 偉大なる雷の盾! 防ぎきれ! 雷光の脚(ライトニングレッグ)の名の下に! 雷光電磁壁(チャージプロテクター)!」


 二重の雷の障壁が激しい放電音と共に展開したと同時に、頭上から黒き水が降り注いでくる。水が盾に触れた瞬間、俺の体に激しい重圧が襲い掛かってくる。なんだよこの黒い水……雷属性の盾でも防ぎきれる気がしないし、盾に触れた瞬間硬くて……重い……こんなの水じゃなくて鋼だろ……!


(この厄介な変化をした水……恐らく、アプサラスです……)


 水は盾の表面を滑りながら俺達の横に滑り落ちている。このままじゃ、水がこちらに届いてしまう……! アプサラス……確か水の守護神獣の? なんでアプサラスが俺の夢に皆を集めて、襲ってきてるんだ!?


「ゼピュロス!」


(分カッテンダヨ!)


 重力に逆らい、俺の方へと集まってくる水をゼピュロスが風で払おうとする。しかし、鋼の如き水の重さに風は空しく吹き荒れるだけだった。ここはトールに任せて、俺も風の壁を放つべきか? 相手は確実に水属性だから、太陽の腕は闘気の生成以外は扱わない方が良い。風属性で実力勝負に持ち込むか……それとも雷属性で相性勝負に……?


(トール、プラズマ化! ゼピュロス、急いで離脱せよ!)


 天照の声と共に、トール、ゼピュロスのが黒き水から離れ俺の体が誰かに引っ張られる。この感覚には覚えがある。天照が俺を助けてくれたんだろう……くっ、なんて強さだ。俺の指示でも守護神獣は強化出来ないのか……?


(いいえ、貴方の指揮で私達は確かにいつも以上の神力を扱えました)


(アプサラスガ強スギルッテダケノ話ダ)


 俺から見れば3柱とも充分強いと感じるのに……それでもこっちが不利なんて……! 頭上を見上げれば水色の体に赤い目をしたイルカが水の浮輪を身に着けてこっちを見下ろしている。アイツが……アプサラス。やっぱり、獣の姿だ……


(よく聞け、レイジ。アプサラスの性質、変化は非常に厄介だ。水は元の性質として氷や水蒸気に変化する。アプサラスの変化は水にだけだが、更に大きく変化をさせるのだ。水に毒や麻痺になる性質を加えたり、氷であれば鋼のように固くしたり……はっきり言おう。我ら守護神獣の中で最も強き者はアプサラスだ)


(認メタクネエガ。ソノ通リダロウナ……)


「そんな……」


 勝てるイメージが思いつかない……どうすればいい? ここはアプサラスが俺の夢に作った世界……勝てなければ、俺が目覚める事は出来ないだろう。フェルは闇の守護神に会った事を知らなかった……という事は、今の俺の状況には気付く事は無いだろう。


(たす……け、て……)


(何か様子がおかしいです……アプサラスさんにしては大人しいと言いますか……)


(ソンナノ、俺達ニイキナリ鋼水ヲブチマケタ時点デ分カリキッテルダロ。オイ、天照。オ前ハレイジ乗セテ移動ニ専念ダ。レイジ、分カッテルト思ウガ、アプサラスハ強イ。ソレデモ勝ツシカ無イ。ヤレルナ?)


創造(クリエイト)(ソード)


 闘気を両手に集め、呪文を呟く。フェルが作ってくれた剣よりも軽く、安っぽく、くすんでいて弱そうな2本の剣。両手に握りしめて闘気を纏わせれば……無いよりはマシか。天照の背に跨り、アプサラスを睨む。


「負ける訳には……いかない!」

本日の余談


レイジ:守護神獣の強さ順って?


天照 :(うむ、属性などを考慮すれば……アプサラス>我>ゼピュロス>トールと言った所だな)


ゼピュ:(ア? 俺ガ、オ前ヨリ弱イ? 冗談言ウナヨ!)


天照 :(属性を考慮したと言っておろうが!)

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