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ゼメルの伝説と守護神獣の謎

 今回の……なんと言おうか? 本物の元手足を使った義手と義足。元義手と元義足とでも呼ぼうか。コイツらは流石に本物の体、とても扱いやすい。何より水に濡れても良いというのが嬉しい。久々の暖かいシャワーを、自分の意思で自分の当てたい場所に当てれるのは良い事だ。


「レイジ様……別に今さら目隠しなど不要だと思うのですが……?」


「そう言うけど、ネルガが居ない時に風呂頼んだら襲ってきたのは何処のどちら様でしたっけ?」


 目隠しをしたフェルがペンダントの効果距離、30センチメートル以内に待機している。本当はレオに頼みたいくらいだが、アイツはネルガの準備をを手伝っているらしい。準備には時間がかかるようで、時間が空いた俺は久しぶりに自力でシャワーを浴びているという訳だ。


「私が魔力探知を使えば、こんな目隠し意味無いんですよ?」


 言葉の通り、フェルは的確に右手で俺の右手首を掴む。体を擦り付け、左手で俺の頬をなぞっていく。背中に当たる柔らかな感触が、俺の体にシャワー以外の熱さを与えてくる。


「お体……洗いますよ?」


 耳元でそう囁かれた時、体がゾクリと震える。が、しかし誘いに乗ってしまえば、レオに匂いでバレかねない。シャワーを水に切り替え、フェルに浴びせると軽い悲鳴と共に離れていく。


「うぅ……冗談だというのに……」


「はいはい、俺が悪かったな」


「そう言えば、ゼメルにはマーメイドという亜人が居て、海の中で今のように誘惑してくるそうですよ」


 へー、マーメイドか……人魚って事だよな……下半身ってどうなってんだろ?


「レイジ様チョロいんですから、誘惑に乗らないでくださいね。このシェーンではマーメイドは魂を食べる、と言われているんですから……」


「チョロいって……何も否定出来ないけど」


 ……魂を食べる、か。魂を食べるって何だろうな? 何が無くなるんだろうか……少し気になるな。



 シャワーも終わり、ヴァルトで着た衣装に装備を身に付けた。ネルガの筋肉車も準備が出来たようでレオが俺を呼びに来た。今度はゼメルか……どんな守護神獣なんだろうか。火は狼、雷は鳥、風なんて獣どころか虫だった……ウミウシとかだったら嫌だなぁ……


「ゼメルなんて久しぶりですなぁ! アプサラス殿は元気でしょうか?」


「あれ……ネルガはゼメルの守護神獣を知ってるのか?」


「勿論です! 私は仮にも勇者。守護神獣とは語り合いましたとも、拳で!」


 ネルガなら……やりかねないな。攻撃の天照に守備のトール、治癒のゼピュロス達と素手で殴り合うなんて……考えただけでお腹が痛くなってきた。


「じゃあ、守護神獣がどんな姿か知ってるのか?」


「勿論ですとも。タイプは違えど、美男美女でしたなぁ」


「おいおい、何言ってるんだよ。守護神獣は獣の姿だろ?」


 ネルガの言い方じゃ、まるで守護神獣が人間の姿みたいじゃないか。


「いえ、彼らは人の姿でしたよ?」


「え……?」

本日の余談


レイジ:全く……邪魔をするなよ


フェル:…………怒りました


レイジ:あっ、おい! 離れるな! 義手が! 義手が取れる! あああああああっ!

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