表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/591

勇者潰しを考えろ

 あの後、質問に答えてくれたサラマンドラを見送った。勿論、逃がさずに仕留めるという選択肢もあったけど……それはサラマンドラの敬意への裏切りになってしまう。フェルも納得してくれて、サラマンドラには何もしないでいてくれた。サラマンドラの去り際に、ゼピュロスから暖かい風が吹いていったのは……まあ、気にしないでおくか。



 ヴァルトに戻りたいんだけど……サラマンドラの言葉が引っかかり、ここで会話を続ける事にした。勇者潰し……勇者に対して後手を取らずに、先手を打つって……どういう事だ?


「魔王の目的はいついかなる時も世界の侵略だ。でも、そう考えると……先手を打ってるように見えるんだが……?」


「そうですね。魔王が勇者に対し、後手に回っているようには見えません。魔王が復活し、勇者が打ち倒しに行く。魔王は先手を打てているように感じます」


 確かに……話を聞く限り、魔王が後手って思えない。勇者潰しって何を目的として……


(イヤ、魔王ハ後手ダナ)


「……どういう事だ?」


(魔王ガ行ウ世界ノ侵略ニハ段階ガ有ル。魔王ノ意思ノミガ目覚メ、部下ガ侵略ヲ開始スル第一段階。魔王ノ身体モ目覚メ、魔王ガ動キ出ス第二段階……コウ見レバ魔王ガ後手ト見レナクハ無イ)


 そういう見方だったら、魔王が後手だけど……何を持って勇者に先手を打った事となるんだ? ゼピュロスを殺す事が勇者に先手を打つ事になるのか……?


「まさか……守護神獣を殺す事で勇者を生みださないようにする……なんて事じゃ?」


「そうか……そういう事か。だったら、今すぐハインリヒ王国から情報を……」


(レイジ、今スグニ水ノ守護神獣ノ国ニ行ケ)


 水の守護神獣の国……? どんな国なのか知らないけど……嫌な予感が……


(今、最モ勇者ニ近イノハオ前ダ。天照、トール……俺ナンカハ戦闘ニ慣レテル。特性モ戦闘ニ向イテルシナ。ケレド、アプサラスハ違ウ。アイツガ一番殺シヤスイ。ソノ前ニ、セメテ水ノ左腕ヲ手ニ入レルンダ)


 一番勇者に近いのは俺……って、でも今動けるのは俺やフェル位だし……行くしか、無いのか……!? 魔王なんてフェルが居れば、何とか出来そうだし……でも、守護神獣の奴らって良い奴だし、最後の1人だけ見捨てるって言うのも……


(アリャ時間カカリソウダナ。フェルトヤラ、コイツヲ受ケ取レ)


「これは……マフラー……でしょうか?」


(天照、トールト渡シテ、俺ガ渡ナイッテイウノモアレダシナ。癒シノ風ハ、レイジノ神経ノダメージモ容易ク治セル。風ハ常ニ自然ト共ニ有ル。魔法ガ使エナイ場所デモ使エルガ……現在地ノ自然ノ美シサガ、回復速度ニ影響スルンダ)


「素晴らしい装備ですね、ありがとうございます」

本日の余談


レイジ:チートでも神経の損傷は治せないのか?


フェル:申し訳ありません……神経を治療する時には魔力や神力、闘気では逆に傷つけてしまうんです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ