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オルクスの目的

 だったら、まずはヴァルトを襲った理由を聞いてみようか。魔王軍が動き出した理由を知って、場合によってはユリウス王から全ての国に発信してもらう必要がある……筈。


「ヴァルトを襲った理由を聞きたい」


「……そうだな、軍としては結界の宝珠を入手する為だ。結界の宝珠ならば、先代の勇者がやったように素手でぶち破られることが無くなるからな」


 ネルガの体は魔力完全無効(アンチマジック)だからな……正直言って、結界の宝珠を使ってもぶち破りそうな気が……


「いえ、ネルガでも難しいかもしれません。結界の宝珠が作り出す結界は私でも、すり抜ける事も壊す事も出来ませんでした。おかげで体を少々作り変え、獣人となって結界を通らざるを得ませんでした」


 なるほど……だからフェルに獣耳や尻尾が付いているのか。レオに対抗した訳じゃないんだな……いや、そんなことする奴じゃ無いもんな。それに犬耳だけど、性格的には狐……痛いっ!? フェルが足踏んできた……俺義足なのに痛い……


「そして拙者のみに与えられた目的。それは其処にいるゼピュロスを殺す事だった」


(俺ヲダト……? ヘルノ野郎ノ差シ金カ……?)


「いや、ヘルは暫くは動く気が無いって言ってたぞ?」


 俺が発言した瞬間、全員の視線が俺に集中する。しまった……ヘルが夢に訪れた事は、まだフェルにすら言ってなかったっけ……フェルの眼が鋭くなった。膝枕されただけだってば……あれ、もっと睨んできた?


「何故、レイジがヘル様の意思を知っているかは分からぬが、拙者もそう聞いている。ヘル様は休息の意思を見せているのは確実。暫くは魔王様の指示で動く事となっている」


 そんな内情まで教えてくれるのか……あっさり教えてくれて、逆に怖いんだけど……でも、探れるだけ探らないと。


「ゼピュロスを狙った理由も聞いてみたい……なんて」


「……うーむ、女従者との戦いは良い経験だった……とは言え、拙者にも立場がある。その返答で最後としても良いだろうか?」


 そこまで分かれば、充分だな。サラマンドラにとって、フェルとの戦いは何事にも代えられない大事な戦いだったんだ。答えてくれるのは、サラマンドラの敬意みたいなものだ。疑ってしまって、申し訳ないな……


「最後で大丈夫だ」


「うむ……と言っても、拙者もはっきり聞かされた訳では無い。しかし、レイジ。貴様に関係あることかもしれんぞ?」


「え……俺?」


「うむ、魔王様の話によると、勇者に対し後手に回らず、先手を打つ。勇者潰しという計画の一旦だそうだ。拙者としては、潰さない方が良いのだが……」


 勇者潰し……だって?

本日の省かれシーン


フェル:(膝枕……ですか?)


レイジ:(いやいや、その後天照とトールも来てくれたから、無事だぜ?)


フェル:(でも膝枕されたんですよね)


レイジ:(……はい)


フェル:(ズルいです。後でレオと悪戯します)


レイジ:(……ご褒美では?)

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