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失言

 ヴァルトでの拠点であるレオの隠れ家に、レオと2人で戻ってきていた。もう空には青からオレンジ色にグラデーションがかかっている。こんな時間までやってたのか……時間を認識した途端に、腹も減ってきたような気が……


「お風呂……入りた……ハッ!?」


 義手と義足は水が駄目らしい……汗とか水滴くらいなら大丈夫だけど、シャワーとか風呂なんて入ったら……残念ながら感電死するそうだ。普段はネルガに手伝ってもらってるし、ネルガがいなかったらフェルに頼んでる……けど、なんかフェルは来てないしネルガも居ない。まさか……レオに頼めというのか!?


「風呂な……風呂か? そうだな、風呂に入らなきゃな……!」


 な、なんか……レオの眼が獲物を見つけたライオンのような眼差しを向けてきているような。


「汗の匂い……駄目だ、オレちょっと我慢出来ないかも……」


 蕩けた顔をして覚束ない足取りで俺に近付いてくる……けど、肩を掴んで止める。服着てないし……汗でベタベタしてる体を嗅がれそうだ。そんなの絶対にやってほしくない。獣人って人間より嗅覚が良いと聞いた事がある……のに、獣人の血を引いてるレオに嗅がせるわけが無いだろ。


「なぁ……良いだろぉ? ちょっとだけ、ちょっとだけだからぁ……」


「そういう奴は大体ちょっとじゃ済ませてくれないんだよ! 頼む、風呂に入りたいから誰か男の人を呼んできてくれ」


「オレがやるよ。オレに任せろ、むしろ、オレにヤらせろ!」


 違う! 絶対に最後の字が違う気がする。力……も、強過ぎて……普通に押し負けそうなんだけどっ!? 身体強化には……闘気が足りない!? このままじゃ、押し倒されっ!?


「フェルと似たような事をするな! …………あっ」


 思わず口から出た言葉が失言だと気付いたのは、レオの表情が見えなくなったからだった。俺を押し倒そうとする腕から力が抜けていく。


「……んだよ、ここでも……アイツかよ……」


 しまった……俺はレオになんて事を言ってしまったんだ。ラノベか何かの鈍感主人公みたいに、惚れてくれてる女子に他の女子の事を出してしまうなんて……惚れられてるって気付いてる分、俺の方が質が悪い。


「レオ!」


 レオは俺を突き飛ばし、隠れ家を飛び出してしまう。顔を伏せていたけど……レオは泣いていた。レオだって俺の大切な人だって言うのに、傷つけてしまうような事を言ってしまうなんて。今、迎えに行かないと……後悔する。


「レオに会って、思いを伝えよう」


 俺にはレオが……必要なんだ!

本日の省かれシーン


レイジ:もう……ハーレム系の主人公とか馬鹿に出来ねえ……鈍感系主人公の奴らも……


フェル:(むしろ、レイジ様の方が1人じゃ何も出来ない分、質が悪いですよね)


レイジ:うっ!?

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