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VS半獣メイド

 この義手義足(てあし)では、まともに斧と打ち合っても壊れてしまう。まずはレオの大きな縦振りを横に躱す。そのまま風で体を押し上げ、空中に逃げる。そのまま風で掌に風をかき集めて、中で乱気流が渦巻く球体を作り上げた。


「空飛べるのかよ!? これでどうだ!」


 片手で炎の球体(ファイアボール)を放たれたが、こっちは乱気流を包んだ風の球体で対抗する。本来なら炎の球体(ファイアボール)が俺が撃った風の球体を呑み込むが……


「何っ!?」


 風の球体は弾け飛び、炎を散り散りにしていく。上手くいった……乱気流を包んだ球は相手の魔法に触れた瞬間、一気に爆発すら。炎は風を呑み込もうと拡散され、こちらへの推進力を失う……らしい。ヘンジが提案してくれた、対火属性用の防御魔法とは違う相殺魔法だ。吹き荒れる右脚(ゲイルレッグ)が無いと使えないけど……まあ、他の技でもいつもの事だしな。


「飛んでんの面倒だな……半獣化」


 レオの姿がメキメキと音を立てて変身していく。肘から先には獣のような黒い毛で覆い尽くされ、鋭い爪が金属の様に輝いている。膝から下は骨格レベルで変化したように見える。同じように毛で覆われ、逞しい足となった。控え目だった耳が大きくピンと立ち、髪の毛がボサボサに伸びライオンの鬣のようだ。女性でも雄の鬣みたいになるんだな……


「オレもこうなったら……飛べるようなもんだからな?」


 斧をその辺りに投げ捨て、足に力を込めている。俺は何かを感じ取り構えるが……その時には既に、破裂したかのような衝撃音が2回鳴り、レオが目の前に跳んでいた。爪を引っ込め、握り辛そうな獣の手……いや、前足か? とにかく固く握りしめ、振りかぶっていた。


「遅い!」


「うぐっ!?」


 隙を突かれた俺は当然、獣の拳を顔面に叩き込まれてしまう。殴られた衝撃を利用し、後ろに吹き飛びながら風で体勢を立て直し、地面を滑りながら着地する。鼻に違和感を覚え、袖で拭うと紅く染まっている……鼻が切れたか、治療は後回しだ。


嵐球(ボムバルーン)!」


 先程の乱気流の球体を素早く作り出し、空中で身動きの取れないレオに風で押し出す。嵐球(ボムバルーン)は何かに触れれば爆発する。それを防ごうと何かに触れれば、レオを吹き飛ばせる。


「残念! 闇を纏う爪よ、全てを切り裂け、ダークネイル!」


 闇の魔力を纏った爪をレオが振り下ろすと、紫の軌跡が嵐球(ボムバルーン)を切り裂く。そのまま俺の方へとダークネイルが迫ってきている。横に転がり、ギリギリに避け切れたが……


「ここだ!」


 地面に着いたレオが鋭く光る何かを投げてきていた。飛び道具か……右脚なら弾けるか!? いや、微妙に崩れたこの体勢じゃ微妙に間に合わない。吹き荒れる右脚(ゲイルレッグ)に意識を集中させて、強風で光る何かを逸らす。


「そう、それが狙いだ」


「なっ……ぐぁっ!」


 目の前にレオの膝が迫り、胸に鈍い衝撃が走る……息が詰まり、呼吸が……上手く、出来ない。


「ハッ、ハッ、ハッ……ゴホ、ゲッホ……」


「ああ、やりすぎちまった……悪い、レイジ様」


 倒れる俺の体を支え、背中を叩いて呼吸を正常に戻すのを助けてくれる。まだまだ、レオも強いなぁ……でも、これだけ強ければ、頼もしいな……

本日の省かれシーン


レイジ:(なんか……)


レオ :よーし、かかってこーい!


レイジ:(レオの服、随分セクシーだな? フェルってあんまり薄着してくれないもんなぁ……こうして見るとレオって凄い魅力的な気がする。フェルってステータスが優れてるから体は実は柔らかいし、筋肉ないんだよなー……そう考えると、レオの筋肉質な体に惚れそ……はっ、俺は何を考えてるんだ!?)


レオ :…………? こっちから、行くぜ……そらっ!


レイジ:やべっ!?


そして本編へ……

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