小さくない代償
1日2回更新が上手くいかない……違うんです! 2周年が……2周年が!
俺達の襲撃は一応、成功と言えただろう……と、言う事でフェルに戦闘の痕跡を直してもらい、バルトロの屋敷から俺の屋敷へと転移してもらった。そのままフェルにベッドに転がされ、義手と義足は没収されて服を脱がされる。
なんか、フェルさんが怒ってるような気が……
「当然! 怒ってます!」
「だよねー……」
「まず、人工魔核ってなんですかアレ!? 太陽の腕の時よりも神経の損傷が酷くなっています! 次に内臓! 人工魔核の圧迫のせいで少し歪になっていますし、何個か破裂しています! それでそんな状態で、私たちが間に合っていなかったら自爆する気でしたよね!?」
「そ、そんな事は……」
「……レイジ様、戦わないでとまでは言いませんが……無茶はしないでください」
そうは言われても……あの時は必死だったし……
「闇の守護神を相手にあんな戦い方は危険です」
「え……? 闇の神?」
俺の言葉に、フェルはきょとんとした表情で俺を見つめ返してくる。あの女が……闇の神?
「気付いてなかったのですか?」
気付かなかった……道理で天照やトールみたいな気配を感じたというか……あれ? ちょっと待ってよ!?
痛みを無視して無理矢理に体を起こそうとするが、フェルに抑えつけられる。
「アイツが使ってたの神力だよな? 俺、魔力で神力を防いでなかったか?」
「防いでいました……何故かは私にも分かりません」
フェルにも分かんないなら……仕方ないか。実は俺の体に神核があって闘気になった……とかも無さそうだよな。人工魔核はヘンジが作った魔力の核って断言してたし……そうだ、人工魔核弾をヘンジに作ってもらわないと。
フェルはため息を吐きながら、俺の腹部に白い魔力を纏わせた手を当てている。フェルの治癒系魔法が腹部の痛みと違和感を和らげていく。
「ヘンジ様には私が連絡しておきます。レイジ様はとにかく体を休めてください! 特に人工魔核弾は禁止です! 神経の損傷は治し辛いんですからね?」
「分かったよ……」
◆
白い世界……知ってたよ。あの後、トールは消えてたから夢の世界来るかなとは思ってたよ。今回は……左が雷光の脚か。
まあ、今回は戦うって訳じゃないし……大丈夫か。フェルは呼ばれていないみたいだし。
(レイジさん、本日はありがとうございました。そして申し訳ありません。まさかヘルまで来ているとは……)
「こっちこそ助けに来てくれてありがとう。トールが来てくなかったら俺達は殺されてたよ」
(そんな、私なんて守りしか取り柄がありませんし、最後には気絶してしまいましたから)
青い鳥が目の前に現れ、丁寧に頭を下げる。ヘルの事は仕方ないというか……結局、力貸してくれたし……
雷光の脚、天照に続いてトールからも力を貸してもらった。これもハインリヒの敷地内なら使わせてもらえるんだろうか……?
(雷光の脚は……申し訳ありませんが、簡単に貸し与えたくありません。意地悪とかではなく……その……)
トールの視線が俺の体に向く。夢の世界だから痛みは何事も無く立っているけど、現実の世界では寝たきりでも辛い。これからも雷光の脚を使えば、神経を傷つけていくんだろう。人工魔核弾と併用し続ければ……
「分かってるよ、本当に危ない時は貸してほしい……暫くはハインリヒは安全なんだよな?」
「ええ、それは間違いないわよ」
「え……?」
Q.雷光の脚と人工魔核弾を併用する必要ある?
A.闘気と魔力は使い分けられますので、有ります