表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/591

夜の闇の中で

 ハインリヒに帰ってきてから、3日が過ぎた。新しい機械の手足にも慣れ、剣もレオの教えのおかげで上達した……ネルガの教えも悪くなかったけど、ネルガは拳1つで戦ってきた漢。というか、ネルガの筋肉に耐えられる武器が滅多に無い。

 空には星と黒のカーテンがかかり、暗い街並みは儚い月明かりに照らされている。この美しい夜の中……バルトロの家に殴りこむとしよう……なんか、殴りこむところだけダサいような……いや、でもそれ以上の言葉思いつかないし……


(守護神獣トールの名の下に、裁きの雷を! など、いかがでしょうか?)


『それだ。程よく、トールに責任を押し付けられる! ナイスだ、フェル』


(いやいや、私に責任を押し付けないでください!)


 今回の殴り込みに参加するのは、俺、フェル、レオ、ネルガ……そしてトールが声だけ、俺とフェルに聞こえるようにしている。

 ぶっちゃけ、天照やトールの声を長時間聞いてると気持ち悪くなるから止めてほしい。


(そんな! 私、役に立ちますよ! ええと……ほら、守護神ヘルの事が分かります)


『別に今回ヘルが来てる訳じゃないだろ』


(うっ……でも、邪悪な気配が感じ取れますよ!)


(私の魔力探知と、レオの斥候、それにネルガの直感だけで充分です。むしろ、邪悪じゃなくても感じ取れますので)


(ううっ…………私の負けです。私、これでも神様レベルなのに……)


『その神様レベルのお前の上司がフェルにチート渡してるんだから、仕方ないだろ』


 シェーンが簡単に俺の要望を叶えてくれたからな……俺という枷が無ければ、本当に世界を気分で滅ぼしてたかもしれないし……

 おっと、念話に集中している間に、先頭のネルガが足を止めた……という事は?


「レイジ様、ここがバルトロの屋敷のようです」


「周囲からは物音、気配、共に無しだな」


「魔力探知を半径100メートルで展開しましたが、建物以外の気配は感じられません」


(一応、邪悪な気配は感じません……ヘルの使い魔の気配も全く……)


 良かった。まだバルトロには気付かれていないし、変な見張りとかはいない。完全な不意打ちが出来そうだ。当たり前だが……ヘルの使い魔とやらの気配はしないか。フェルから感じられるシェーンの気配をぶつけて、どうにか引きずり出すしかないか。


『フェルの神力でバルトロから使い魔を引きずり出せばいいんだな?』


(はい、シェーンの様の神力ならば、相手は出てこざるを得ないでしょう)


『だそうだ。フェル、神力の扱いは大丈夫か?』


(お任せください。必ず仕留めて見せます)


「よし、フェルがバルトロを相手してくれ。露払いはネルガ、俺の護衛とサポートはレオ。絶対に誰も殺すなよ」


 俺の言葉に全員が大きく頷く。確認も取れた……行こう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ