守護神獣は凄いんです!!
明日は筋肉痛と元気前借による体調の悪化が約束されてるのに、眠る時間すらこんな風に疲れさせられて怒ってない訳ないだろ! 夢の世界は肉体的影響は少なくても、精神的影響はガッツリ残るからな。
(も、申し訳ありません……しかし、ハインリヒで話しかけられそうな人間がレイジさんとフェルさんしか居なくて……)
ハインリヒで話しかけられそうな人間……いや、神が関わっても問題無さそうな人間って意味なんだろうけど……ボッチみたいに聞こえる。いや、普通なら神が話しかけれる人間が居ないからね。
(気軽に人間に関わる天照さんがおかしいんです! 本来なら人間とは関わってはいけないのに、社なんてものまで建てちゃって……!)
「それで、そんな本来関わってはいけない人間の夢の中に出てきたのは何故なんだ?」
(それがですね……実は、この国の中に闇の守護神ヘルの使い魔が忍び込んでいるようなのです)
「守護神……? 守護神獣ではなくてですか?」
(あれ? あまり神様関係の話はご存じない? じゃ、じゃあシェーン様が光属性で光の守護神というのは……?)
なんだソレ? アイツ、この世界の管理する神様って事くらいしか……えっ、じゃあ闇の守護神もシェーンみたいに人の姿の神様って事か。しかも、その使い魔がハインリヒに忍び込んでる? 一体、何のために?
(理由は不明です。しかし、シェーン様とヘルは常に敵対する関係。何かが起こる前に、対策しておきたいのです)
「トール自身は動かないのか? 天照みたいに現実に体があるだろ?」
(無い事はありませんが……人前に姿を見せる事は禁じられています)
「禁じられてるって……じゃあ、俺達が動かなければどうするんだ?」
(いいえ。断ったとしても、貴方は戦わざるを得ないのです)
戦わざるを得ない? 別に断る気は無かったけど…………っ!まさか!
(そのまさかです。バルトロにヘルの使い魔が取り付いているんです。どうやら、レイジさんがこの世界に訪れる前から忍び込んでいたようですが……フェルさんからシェーン様の神性を感じ取ったようで、その時にほんの少しだけ、気配を感じ取れました)
フェルはシェーンから直接設計、創造されたチートだからな……そうか、フェルと俺をシェーンからの刺客と思ってるから、俺を追い出そうとしたのか?それなら最初から俺を嫌悪し、追い出そうとする理由が分かる。
「で、トールさんはどうするの?」
(え?)
「まさか、本当に自分では何もしないつもりか? それで手遅れになるかもしれなくても?」
(それは……シェーン様が定めたルールですから……)
「そうか……」
まあ、ここで俺が何を言っても無駄か。それにしても、闇の守護神と光の守護神か……手足を取り戻すことに必死になってたし……そろそろ、シェーンの常識について学ぶべきかな……
じゃあ、トールで遊ぶか。
「かしこまりました」
(えっ!? ちょっ!? 風は、嘘!? 私の雷も散ってく!?)
「明日、丸1日は体動かないからさ……その前に、ストレス発散させてもらうぜ!」
(イヤアアアアアアアアアッ!)
本日の省かれシーン
レ:アハハハハ!
ト:守護神獣の私の背中に乗るなんて……
フ:私だって飛べますのに……