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緊急帰宅

 夜中、ヘンジから義手と義足……ついでにハンドガンも貰ってからだった。これからまた天照の屋敷に泊まって、ヤパンを観光して帰るつもりだったんだが……


「なあ、レイジ。お前ってハインリヒに住んでるよな?」


「え? あ……ああ、そうだけど?」


「今すぐ戻った方が良いかもしれないぞ? お前の明日の未来のどれを見ても、ヤパンからハインリヒに帰ってる。今から帰って備えた方が良いんじゃないか?」


「うへぇ……マジか。フェル」


「かしこまりました」



 フェルの魔法でネルガの居るらしき部屋に転移する。転移した先にはネルガとレオ、そしてミハエルとマリアちゃんが来ていたようだ……って、ユリウス王も来てらっしゃる!?

 個人的な理由で領主の仕事をメイドに任せすぎた!? 流石に自分勝手すぎたか!? 自分から領主になったようなのにこのサボりようだもんね!!


「やあ。お帰りなさい、レイジ君。ヤパン遠征の目的は果たせたようだね」


「はい、おかげさまで義手も義足も高性能なのが見つかりました!」


 正規のルートでは手に入らない物だけど、バレなければ大丈夫! 見た目だけならティール工房の品に見えるらしいし、ヘンジの名前さえ出さなきゃ問題ない……はず。

 でも、まだ夜の8時……だけど、ハインリヒ親子が俺の家に居るのは何故だ? ユリウス王は顔色が良くないし、ミハエルは暗い表情をしてる。マリアちゃんも泣いてるし……どうやら城の方で何かあったのか?


「…………レイジ、実は今ハインリヒの城でお前を追い出そうとする動きがあるんだ」


 ミハエルの言葉に別に驚きはしない。ただ……


「フェル、待て」


「わん」


 やだ、わんって可愛すぎるでしょ……じゃなかった。絶対にターゲットに予測付けて殺しに行きそうなフェルを止める。周りの視線が突き刺さるような返事をしたフェルは後で構うとして……誰が俺を追い出す筆頭なのかは分かってるから、動きが生まれた理由が気になるな。


「レイジ君……ショックじゃ無いのかい?」


「全く無いですね。とりあえず、どうして俺を追い出す動きが生まれたかお聞きしても?」


「それはだね……ピグマを蹴落とし、領主の仕事を放棄してのヤパンへの遠征を君の謀反だとこじつける物がいるんだ」


「バルトロでしょう……?」


 どうしようかな……アイツ俺の事嫌いだろうから、説得とか俺がしても意味無いんだろうなぁ……というか、どうして俺が嫌われてるんだろうか? その理由が見つからない。

 深呼吸をしながら、マリアちゃんの頭を義手で撫でてあげる。マリアちゃんが泣き止み、笑顔になったのでこっちも気分が楽になる。この問題はそこまで重く受け止める必要は無いだろ。


「ううむ……レイジ様、私に考えがあります!」


「ネルガ? 言ってみてくれるか?」


「殴りこみましょう。私が勇者の頃も、よくケンカを売られては殴り合って黙らせ……ううんっ!納得させたものです!」


「おいおい、レイジ様はお前と違って戦えねえんだから……」


「うん、それで行こうか?」


 腰からハンドガンを取り出し、クルクルと弄ぶ。見たことも無い武器に、俺らしくない自信満々な発言にネルガとフェル以外が驚いた表情で俺を見つめる。

 バルトロが強くても、切り札が無い訳じゃない……むしろ、切り札がありすぎる。


「そうと決まれば、3日くらい経ったら殴りこみます! 情報提供ありがとうございます!」


「あ、ああ……ま、まあネルガ殿にフェル殿が居れば大丈夫か……」


 ハンドガンをフェルに魔法で作ってもらった腰の専用ホルダーに納める。焦った気持ちで帰って損したかなぁ……追い出されたらヤパンに亡命しても良いし、のんびり解決しようかなぁ。

今回の省かれシーン


ミ:レイジ、歩けるようになったんだな!


レ:ああ、これでフェルの力を借りなくてm(電子音)


ガッシャーン!!(レイジが崩れ落ちる)


レ:……フェル―、助けて―

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