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夏生詩集3

かたまった言葉

作者: 夏生

ポケットの中に

言葉がひとつありました

贈ろうとして

忘れないように

入れておいた言葉です


忘れたのではなくて

贈ることができなかった

心はあちこちへこんで

もとに戻す暇もなく

一日を乗り越える

それだけを目標にしていたから


ポケットから

贈りそびれた言葉を

取り出してみると

固くつめたくなっていました


電子レンジじゃ生焼けに

なってしまう

ガスコンロでは溶けてしまう


心の中でもう一度

あたため直すしかありません


やわらかくなるまで

あたたかくなるまで

焦らずゆっくり深く

繰り返していくうちに

へこんだ心はいつの間にか

治まっていました


























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― 新着の感想 ―
[良い点] 贈りたかったけど、贈れなかった言葉。 心がへこんでしまって、気がついたらかたまった言葉になってしまう、そういうことって案外あると思います。 文明の利器ではあたためられない、かたまった言…
2015/10/23 11:28 退会済み
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