6.攻略者ホイホイ
うん、なんで私の周りにはロクな男がいないんだろうね。
「あの、アルバート様。もう私、慣れてきましたので。」
耳元であんな吐息を出すな。あれは絶対自分でもその魅力が分かっている。主導権を相手に握られてはまずいのだよ。
「もう慣れてきたか。では、三日後に遠乗りでもどうだ?」
いきなりきたー。どうしよう……。一応私は婚約者がいるのに、大丈夫かなぁ。
「アルバート、私の婚約者に何をしているのかな?」
「あ、兄上。」
なんかもう狙ったように攻略対象者がホイホイくるよ。Gみたい。
「アルカディア、こんな所にくるなんて。」
しかもバッドエンドの中でも人気ナンバーワンの人だよ。あの革命起こされてヒロインに守られる人。ファンディスクではあの後自殺するんだよね、せっかく私が守ってやったのに失礼な人です。なんで人気があるのでしょう。
「皇太子殿下、三日後に遠乗りでもどうですか?」
兄よ……。面倒な奴を誘うでない。もう嫌だぁ。
「そうか、アルカディアも来るのか?」
「はい、ハル様。今、アルバート様とお兄様に乗馬を教えてもらっていたのです。」
「ハル様、か。」
あ、今まで皇太子殿下と言っていたのに、つい言ってしまった。
「すみません、皇太子殿下。」
「いや、これからもそれでいい。」
「アルカディア、私の事も名前でお願いする。」
「お兄様、そろそろ私帰らせていただきますね。」
一旦帰って三日後に向けて作戦を練り直さなくては。しかし、自分で自分がすこし嫌になってきたぞ。今までは前世の記憶がなかったからこの人達の好意に気付かなかったけれど、今となっては……。その好意に応えなくてはいけないはずなのに、でもこんなに人数が多くては不可能。私は、本当にドS女王を目指していいのだろうか。
「「「っ!?」」」
あれ、みんな何でそんなに驚いているn……