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第二楽章 ムジーク

すいません、更新が遅くなります。

 それは、黄金の輝きを放っていた。

 それはまるで、金管楽器のようだった。

 金色に(かがや)いていた。

 頭頂高15mはありそうな大きさ。

 頭部には一本の大きなアンテナ、二つのカメラアイ。

 それはまさしく我々が()()()と呼ぶ、戦闘用人型決戦機

 黄金の巨大ロボット

 三機が横一列に並んでいた。


「でっっっっっっっっっっか!!」

「なにこれ?」

「三つあるぞ」

「これがあいつらが言ってた新兵器か?」

「こんな()()()見たことないぞ」

「きっと新型だ」

「変な形してるな」

「なんでこの()()()、こんなめちゃくちゃ金ピカなんだ?」

「まるで百〇だな」

「なんて言った?」

「なんでもない」

「どっちかつーと、アカ〇キじゃない?」

「何それ?」

「そっか、お前アナザー系知らないんだったわ」

 俺たちはその戦闘機を見上げながら口々に言いあった。

「なにべらべらしゃべってんだ?早くしないと奴らが来る!


















 誰かこれに乗れる奴はいないか!!?」


「はあ」

「えぇ?」


 数秒間の静寂があった。






「数川、お前確か予科練だったよな?選択科目で戦闘機とってるよな?」

 鈴木が俺に聞いてきた。

「いや、まあ、そうだけど、、、、俺以外にいないのか、予科練?」

 周りを見渡したが、誰も反応しなかった。

 俺は今年の四月、選択科目で戦闘機をとったのをこの瞬間初めて後悔した。

「頼む、お前もみんなも生き残るためなんだ。お願い、、」

 鈴木は俺に懇願してきた。

 吹奏楽部全員が俺のことを見ている。


 なんでこんなことになるんだ。

 なんで俺が貧乏くじひかなきゃなんないんだ。

 俺はまた泣きたくなった。

 だが、やはり泣く場合じゃなかった。






「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………乗ってやる」


 俺はタラップをのぼった。

 鈴木が何か言ってたが、無視した。

 もう何も考えたくなかった。

 とりあえず今、この状況をやり過ごすために何をすべきかに集中したかった。


 下から見えなかったが、その三機ある黄金の戦闘機のうち、一つだけなぜかコックピットが開いていた。


「な、なんでコックピットが開いてるんだ、、?」


 俺はコックピットに入り、座席に座った。

 なぜかさっきまで人が座っていたかのような感触があった。


「起動キー刺さないとこれ動かねーじゃん、、、まいったな、、」

 もうこれでオシマイか

 そう思って下を見ると、なぜか起動キーが都合よく足元に落ちていた。

 なぜこうも都合がいいんだ、、、

 俺は恐る恐る起動キーを鍵穴に差し込んだ。

 そうすると、パッとコンソールパネルがついた。




   銀河帝国軍

  吹奏楽部隊所属

  MOリアクター試験機

    M2ー@R10

     武侍琥




「なんだこれ、、、、なんて読むんだこれ、、、、」


「ムジーク」

 俺は咄嗟に後ろを振り向き、声の主に銃を突きつけた。

 知らない女が後ろの座席に座っていた。

 生気のない二つの青い目。

 金色の長い髪と二つの太いコードのような前髪を耳の両脇から垂らしていた。

 そしてやけに大きく豊満な体つきをしていた。


「誰だお前!!」

「私はSARI。

 このムジークに搭乗する操縦者の補佐を行うアンドロイドです。」

 その女は銃を突きつけられても一切表情を変えずに淡々と述べた。


 複座式の戦闘機なんか聞いたことがない。

 どうやって操縦するんだこれ。

 コンソールを見ても学校で操縦している戦麗(センレイ)とはまるで違うぞ、、、


「これどうやって操縦すんだよ、教えろ。」

「はい、ではまずマウスピースをレシーバーに刺してください」

 サリはなおも表情を変えずにそう述べた。

「マ、マウスピース!!???」

「そうです。マウスピースを刺してください。」

 そう言うと、コンソールの上から金属の管が伸びてきた。

 それは、トランペットのマウスピースが入るにはちょどいい大きさだった。

 俺は演奏が終わったときにポッケにしまったマウスピースを取り出し、それにはめた。

「刺したぞ。次どうすんだよ?」

「では次に、ヘッドギアをつけてください」

 上からヘッドギアと言われた頭につける拘束具のようなものがアームにぶら下がって下りてきた。

 俺の後頭部は急にそれにぐっとつかまれた。


「………………………ッ」

 頭に鈍い痛みが走った。

 一瞬目の前が白くなった。

 気が付くと、目の前にはコンソールではなく、ハッチの出口が広がっていた。

「………………………どういうことだよこれ、、」

「ムジークは従来の戦闘機とは違い、機体とパイロットの脳を接続して操縦します。

 そのため、自分の思った通りに機体が動くはずです。」

 足元を見てみると、鈴木たちが小人のように見えた。


「おい、あれ動いてるぞ!」

「数川すげぇ」

「やるじゃん、数川」

「数川先輩すげぇ」

「さっきまでアンテナあんな形してたか?」

「あれっ?いつのまにか二本になって、一方が開いてる」

「どういうことだ?」

「今からあれが動く。はやく俺たちは中に入るぞ」


 鈴木たちが俺の足元を移動し、船の内部に移動した。

「スキャン開始します」

 サリがそう言うと、俺の口元がなにかカメラのようなものにスキャンされた。

「なにしてるんだ、、これ」


「おい、あれ口が出てきたぞ!」

「口?ドユコト?」

「ホントだ、口が出てきた」


 ムジークの顔の頬が開き、中から口が出てきた。

 その口は数川のものとそっくりであった。


「数川、聞こえるか?俺だ。みんなはブリッジにいる。」

「これの武器はどこにあるんだ?わからないか?そこから?」

「ムジークの武器の装備をお願いします。」

「おい、誰だ、その女の声?数川、お前誰といる!?」

「うっせぇ、よくわからんが、とっととそこから武器をよこせ。どっかにそれらしきボタンとかないか?」

「はぁ?

 …………………………………………これか?」

 鈴木が何かのボタンを押した。

 すると、上から巨大なライフルようなものが下りてきた。

 まるで、トランペットのような形をした黄金のライフル。

「トロンバブラスター装備完了」

 サリがまた淡々と言う

「これでなんとか戦えるか、、、、」

 俺は緊張と焦りで唾をゴクリと飲み込んだ。


 ドガアアアアン

 瞬間けたたましい轟音とともに、ハッチの壁が突き破られ、一機の戦闘機が姿を現した。

「これが帝国軍の新型戦艦と戦闘機か、、、ようやく見つけたぞ、、、」


「戦闘機一機出現、Z600戦麗です。宇宙開放戦線によって鹵獲されたものだと推定されます。」

「うなのわかってる!」

 まずい…………………………………………

 どうしよう…………………………………………

 いざ敵を前にすると武者震いが止まらない…………………………………………。

 手が震えている。

 汗が耳の裏をつたう。

 呼吸が安定しない。

 どうしよう………………………………。

 今まで何個もロボットアニメを見てきた。

 今まで何度もロボットの初出撃シーンは見てきて、どれも圧巻だった。

 それがいざ自分がやるとなると、こんなにも怖いことだとは思わなかった。

 俺はア〇ロみたいに取説を読んで瞬時に動かせるほどの機械オタクでもない。

 俺はキ〇みたいに機体のOSをその場で書き換えるような頭脳も持ち合わせていない。

 どちらにせよ、あれはただのアニメだ。

 俺はただロボットアニメが好きなだけのオタクで、ちょっと戦闘機の操縦をかじった程度だ。

 そんな俺に何ができる…………………………………………



























「何ぼーっとしてるんですか。早く動いてください。敵に気づかれる前に。」


 サリが唐突に言った。


「動けと思ったらこのムジークは動きます。動かないと何も始まりません。



 自分を信じてください。」



「自分を、、、、信じる、、、、、!?」



 アンドロイドにそんなことを言われるのは心外だった。


「早く!」

 今度は語気を強めて言った。


 情けない、アンドロイドにまでこんなこと言われるなんて。

 だけど、当たり前か。




「アンドロイドのくせによく言ってくれるじゃねーか。

 お前の言った通りにしてやるよ!!」











 動け!!!








 足に力を込めて、一歩を踏み出した。

「なんだ?もう誰かが戦闘機に乗ってるのか、、、、」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 俺は敵に向かって突進した。

 「うわあ、なんだこいつ!!!!」

 

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