サイボーグとウサギ
帝国情報室・グラム=ツァイト准将執務室
広大なモニターとホログラムが整然と並ぶ部屋。
グラム=ツァイト准将は、サイボーグ特有の冷たい視線で古代文書データを解析していた。
そこへ、軽やかな足取りでビーノが入室する。
ビーノ(にこやかに):「准将、お待たせしましたわ。例の断片情報、整理して持ってきました」
グラム=ツァイト准将(無表情):「説明は端的に。余計な脚色は不要だ」
ビーノ(くるりと身体を回して軽く敬礼):「あら、いつも通り堅物ね。では簡潔に――」
彼女はホログラムを操作し、古代文書の断片と座標データを投影する。
ビーノ:「“砲の残滓は、歌う鉱石の眠る星に宿る”……現時点で判明しているのはこれだけですの。完全な位置は未解明。でも、手掛かりとしては十分かと」
グラム=ツァイト准将(眉間に皺):「断片か……だが、これで動き出せる。貴様、この情報の入手経路は?」
ビーノ(片手を腰に当て、少し挑発気味に):「もちろん私の独自探索ですわ。ちょっとした帝国への“奉仕”ってやつですね。准将の完璧主義には負けませんもの」
グラム=ツァイト准将(微動だにせず):「余計な遊び心は相変わらずだな。だが有用であることは認める。この情報を基に始原の砲探索を加速する」
ビーノ(目を細めて小声):「ふふ、准将ったら真面目すぎる……さて、この情報をどう活かそうか、ちょっと考えますか」
ビーノはホログラムの隅に小さなメモを浮かべ、帝国の艦隊配置や、過去の戦闘ログから得た情報も同時に解析。
ビーノ:「ふむ……帝国艦はこの航路を通る可能性大。あとは……あら、グローム77がちょうどこの宙域を横切るのね」
彼女は笑みを浮かべながら、偶然を装った小さな作戦を頭の中で組み立てる。
「少し刺激を加えて、連邦と帝国の動きを両方見てみましょうかしら……」
グラム=ツァイト准将(視線をデータに戻しつつ):「貴様、まだ何か企んでいるな。言っておく、行動は帝国の利益に沿う範囲でな」
ビーノ(軽くお辞儀しつつ微笑):「もちろんですわ、准将。ご心配なく」
光り輝くホログラムの中、帝国の“始原の砲”探索計画が静かに、しかし確実に動き始める。
その一方で、ビーノは既にグローム77の動きとサルカ勢の位置を頭に描き、次の駆け引きの準備をしていた――。




