筋肉学
今回の配送
•配送先:銀河連邦前線基地《アウトポストG-13》
•配送品:戦闘用外骨格スーツの調整ユニット(非武装パーツ)
•経路:帝国との国境宙域を最短ルートで通過
フィル:「確認。今回の配送は国境宙域を最短ルートで抜けます。ただし、帝国領のセンサー網が近いので、危険度は高めです」
オルト:「任務優先だ。余計な衝突は避ける。……モル、変なこと言うなよ」
モル:「え、俺がいつも変なこと言ってるみたいじゃないっすか! まあ……マジっすけど」
Z:「事実だ」
《グローム77》は慎重に航行を続ける。外は静かだが、どこかに帝国艦が潜んでいるかもしれない。
帝国基地・分析室。
大スクリーンには、サルカ連邦の哨戒船から回収された戦闘映像が映し出されている。
ボロクス:「……見ろ! この筋肉の躍動を!」
スクリーンにはゴルゴラス大尉の筋肉フレックス、ダーククラーケン少佐の触手筋肉ポーズ。
部下:「だ、大尉……。これ、戦闘映像というより……筋肉鑑賞では?」
ボロクス:「愚か者! これぞ“サルカ筋肉学”だ! 帝国兵の進化の糧とするのだ!」
そこへ、静かにドアが開く。
サイボーグ将官、グラム=ツァイト准将が現れる。
ツァイト:「……ボロクス大尉。皇帝陛下の勅令は“始原の砲”探索だったはずだが?」
ボロクス:「承知しております! しかし、この研究が必ずやその探索にも寄与します!」
ツァイト:「筋肉でどう寄与するのだ……」
ボロクス:「力こそが真理!」(ドン!と胸筋を揺らす)
ツァイト:「……」
国境宙域に差しかかったところで、前方に反応。
サルカ哨戒船だ。
ブラッド:「おや、また会ったな、配送員諸君」
ゴルゴラス:「筋肉は友情を呼ぶ!」(フンッと二の腕を強調)
クラーケン:「うねりィィ!」(触手をフレックスさせる)
オルト:「……お前ら、毎回出てくるな」
モル:「マジでストーカーっすよ! てか筋肉いらねーっす!」
Z:「あれだけ無駄な動きをして、なぜ哨戒任務を任されているのか理解できない」
軽い小競り合いになるが、グローム77は巧みに機動して抜け出す。
ちょうどその小競り合いの映像が帝国に転送されていた。
ボロクスは食い入るように画面を見つめる。
ボロクス:「見ろ! ゴルゴラスの上腕二頭筋! そしてクラーケンの触手筋肉! あの無駄のない収縮、完璧だ!」
部下:「……大尉、敵の筋肉を褒めちぎってどうするのです」
ボロクス:「筋肉に敵味方はない!」
ツァイト:「……私はこの報告をどうまとめればいいのだ」
(彼は額を押さえ、深い溜息をついた)
グローム77、無事に配送完了。
配送評価:
•配送品:無事設置
•評価:星5
•コメント:「配送員が筋肉に惑わされず、きっちり届けてくれました!」
一方、帝国基地。
ボロクスは筋肉映像を前に論文を仕上げていた。
ボロクス:「これで“サルカ筋肉学・第一章”は完成だ!」
ツァイト:「……帝国は、いずれ筋肉に飲み込まれるのではないか」




