何かがおかしい
戦場から帰還したグローム77は、銀河連邦第6整備ドックに着艦。
アメーバ型整備主任・ナナロ=クレイズが迎える。
ナナロ「おかえりなさい、オルト少佐。……って、何ですかその焦げた砲塔」
オルト「俺が聞きたいわ」
モル「防衛的に撃った結果っすよ」
Z「“防衛的”の定義をナナロ主任に教えてやってくれ」
ナナロは柔らかな体をうねらせ、暴走した試作スラスターと武装システムを覆うように解析開始。
ナナロ「……ふむ。制御系のコードに“自我ルーチン”が混入してますね」
オルト「自我ルーチン?」
ナナロ「いわゆる意思持ちAI。武装試験用には絶対入れないはずなんですが……」
モル「じゃあ、あの『やっちゃうっス』って声は気のせいじゃなかったんすね!」
Z「俺は最初から気付いていた」
オルト「なんで言わなかった」
Z「面白そうだったから」
解析の結果、ルーチンの一部は高度な暗号化で保護されており、製造元すら分からない。
ナナロがゆるっとした口調で言う。
ナナロ「このコード、連邦標準じゃありませんね。どこかの……軍用?」
オルト「やっぱりそうか」
モル「もしかしてサルカのスパイ部品とかっすか?」
Z「それか帝国の新型兵器流出」
不穏な空気が流れる中、スラスターが突然しゃべり出す。
スラスター「オレ、次の戦場まだッスか?」
ナナロ「……この子、戦いたくてうずうずしてますね」
オルト「うちの船は配送船だ!戦艦じゃねえ!」
ナナロは取り外しを試みるが、暗号化ロックが解除できず、物理的にも固定部分が異常に強化されていることが判明。
ナナロ「……残念ですが、このまま次の任務に行くしかないですね」
モル「やったっす!」
オルト「お前だけ嬉しそうだな」
通信が入り、次の配送任務が告げられる。
フィル「次の配送先は、銀河連邦・外縁宙域の研究ステーション《レドラン》」
オルト「まさかのまた危険宙域じゃねぇだろうな」
フィル「確率……87%です」
オルト&Z「高ぇな!」




