Zとゴリラ
今回の配送
配送先:銀河連邦・衛星補給所ポリクス
荷物:精密機器【超反応センサーパック】(超壊れやすい)
配送ルート:サルカ連邦との緩衝宙域を経由
配送時間:残り18分
注意:サルカ連邦の巡回艦に遭遇の可能性あり
《グローム77》 船内
Z(操縦席でカチャカチャと操作しながら)
「センサーパックの共振限界、呼吸レベル。少佐、あなたの鼻息で荷物が壊れる確率が13%あります」
オルト(椅子に寝そべりながら)
「じゃあ呼吸やめるわ。これで満足?」
Z「それはそれで問題です。無呼吸配送員の記録はまだありません」
オルト「今作ってやるよ……(ガチで息止めて顔赤くなる)」
Z「限界の種類が人間的すぎる」
Z「……出ました。筋肉の化身、脳筋の権化」
フィル(航行ナビ)
「サルカ連邦艦『マッスル・ベース』が急接近。通信入ります」
画面にゴルゴラス大尉が映る。全身オイルでギラギラに輝くゴリラ宇宙人。筋肉が光を反射してまぶしい。
ゴルゴラス大尉
「オォォォーーーッ!!久しぶりだな、Z=クールメタルォ!!」
Z(無表情)
「Zです。“クールメタル”などというパンクバンドみたいな名ではありません」
オルト「あのゴリもの覚えいいんだな」
ゴルゴラス「まあ細かいことはいい!お前ら今、精密機器を運んでるらしいな!?」
オルト「なんで知ってんの!?」
Z「口の締まりがガバガバな誰かが、ラーメン屋でしゃべったんでしょうね」
オルト「なんであのラーメン屋にサルカのスパイいんだよ!」
ゴルゴラス「その荷物、筋肉に悪い成分がないかチェックさせてもらうッ!!」
Z「筋肉に悪いセンサーパックって何ですか。筋肉で反応するわけじゃないんですよ?」
ゴルゴラス 「プロテインと違って確認が必要なんだ!!見せろ筋肉ッ!!じゃなかった荷物ッ!!」
オルト「ツッコミ追いつかねぇよ!!てか、誰かこいつ止めて!!」
Z「これ以上接近したら荷物が破損します。よって、筋肉バカへの“心理的爆撃”を開始します」
Zがゴルゴラスの過去の恥ずかしい写真を敵船内スクリーンに表示
オルト「どっからそんなデータ持ってきたんだよ!」
ゴルゴラス「や、やめろーーー!!それは俺のパワーの目覚め前の姿ッ!!」
オルト「“パワーの目覚め”って何だよ!悟りかよ!」
Z「ゴルゴラス大尉、貴官の筋肉には敬意を表しますが、我々の任務を邪魔する権利はありません」
ゴルゴラス(泣きながらポージングし)
「うぅ……わかったよ……筋肉にもルールが必要ってことか……」
オルト「やっとわかったか……筋肉バカにも心があるんだな……」
Z「少佐、なぜ感動的な空気を筋肉に持っていくんですか」
オルト「いや、泣きながらポージングとか意味わからなくて」
配送品:無事お届け
評価:星4
コメント:「配送チームの理性と筋肉のせめぎ合いにより、荷物は守られた」
オルト「何その評価コメント!?」
Z「あの程度では精密機器は壊れませんし配送可能でした評価は妥当です」
オルト「クールだなZは」




