コイツ動くぞ!
配送船《グローム77》。
モニターには意味不明な指示が出ていた。
【配送内容】
惑星“ヴァルド・ジャングル”に荷物を届けろ
荷物は「自分で動く」ので逃がさないように注意
絶対に惑星に長居するな
オルト「なあフィル……荷物が動くってどういう意味だよ?」
フィル(ぬいぐるみAI)「配送員である以上、考えなくていいです」
Z(液体金属)がボソリ。
「…お前にピッタリだな。“考えない配送員”」
オルト「うるせぇぇぇぇ!!!」
惑星ヴァルド・ジャングルは、木々が空を覆い尽くし、地面がどこまで続くかも分からない。
オルト「おいZ、これ配送先どこだよ」
Z「…俺に聞くな。俺は地図アプリじゃない」
「配送AI付きのお前が分かんねーなら誰が分かんだよォォ!!」
Z「お前だろ配送員頑張れ!」
「配送員って便利屋じゃねぇから!!!」
積み荷のコンテナが突然バタバタ動き出す。
オルト「おいおいおい!!! なんか出てる!!!」
コンテナが自ら脚を生やし、ジャングルに向かって猛ダッシュ。
オルト「コンテナが足生やして逃げるなァァァァァ!!!!!」
Z「…最新型“自走コンテナ”だな」
「なんで最新型の癖に逃げるんだよォォ!!!」
逃げるコンテナを追う途中、ジャングルの木が突然腕のように伸びてオルトに絡みつく。
謎の木「捕まえた〜♪」
オルト「なんで木が喋るんだよォォォ!!!」
Z「…植物型知的生命体だ」
「冷静に解説してる場合じゃねぇぇぇぇよ!!!!!」
木々が喋りだす。
「腹減った〜♪ なんか食わせろ〜〜♪」
オルト「誰が植物にエサやんだァァァァ!!!」
Z「…なら、お前がエサになればいい」
「やめろォォォォ!!!」
オルト「ハアハアっもうムリ!! 配送員やめてぇぇぇ!!!」
Z「…お前がやめたら、この荷物は誰が届けるんだ?」
オルト「それは……お前が液体になって運べばいいだろ!!!」
Z「…液体で運んだら、荷物が溺死する」
「溺死って荷物だぞォォォ!!!」
ようやく逃げるコンテナを捕まえて配送先に到着。
コンテナを開けると、中から出てきたのは——
全身が毛玉のような生物“ファーボール”。
「やぁ! 僕が荷物さ☆」そのままふわっと空に浮かんだ。
オルト「自分で移動できるなら配送いらねぇだろォォォォ!!!!」
ファーボールは笑顔で去り、配送評価は星2。
フィル「ヴィスカ氏、評価コメント:『ツッコミ過多で配送が遅れた』」
オルト「もうツッコミも配送もやめるぅぅぅぅぅ!!!!」




