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暴帝

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

昨日の後書きに書いたネタです。

ついつい捗り、こうなりました。

昨日出てきた子と飆靡様の出会いだと良いですね!!

得体の知れない、魔の物が私の前に立ちはだかっている。原型を留めない煙の様な、ヘドロのような体躯に、無数の目。見ているだけで精神が抉られそうなもの。そいつは良い獲物を見つけたとばかりに、目をギラつかせた。

「……」

怖くて逃げ出す事も出来ない。このまま取り込まれて、良いように扱われるのだろう。そう、死を覚悟した時だった。閃光にも似た何かが私の前を横切った。それは思い切り得体の知れない何かを切り裂くと、足裏で器用に着地した。

「クソ雑魚風情が庭を穢すなよ」

彼は凄惨な笑顔を浮かべた。


「で、お前は何してくれんの? 助けてやったんだから、礼くらいあんだろ?」

私の前を陣取るのは、得体の知れない怪物から、一人の青年に変わった。短髪のフサフサしたくせっ毛に、人を馬鹿にしたようなつり目。それから犬歯を並べた様な歯並び。人相が悪い。そんな彼はニヤニヤと笑いながら、私の行動を観察してる。

今此処でで踵を返した所で、捕まるのがオチだろう。壁やら、床やらに叩き付けられて、今と同じ状況を作るに決まってる。『礼も無しかよ』と良いながら、衣類を毟られるに決まってる。どうするのが……最善なのだろう……。

「何も寄越せねぇってんなら、身売りでもすっか?」

「身売りは嫌です」

「口答え出来る立場かよ」

青年は一歩私に詰め寄ると、胸倉を掴んで自分の元へと引き寄せた。驚いて縮こまると、殊更楽しげに口角を上げた。三日月形の口元から覗く歯が、今にも私を食おうと躍起になっている。

此処で一つ。立て続けに起こる困難に、私は物凄く混乱していた。逃げ場は何処にもない。そうすると人間おかしな行動に出るものである。

「だから、これをお渡しします」

私は持っていた紙袋を青年に渡した。中に入っているのは酒。御礼参りの献上品として持っていたもの。けれども背に腹は変えられない。今日訪れる神様には、また後日。そもそもそんなにせっかちなお方ではないし、理由を話せば理解して下さる。今は、この状況を切り返さないと。

「酒? 割に合わねー」

青年はさっきまでの人を食った笑みを引っ込めて、眉間に皺を寄せた。見るからに不機嫌そうな態度だった。それでも受け取ると、王冠を指で引きちぎり、その場で煽る。口の端から流れ落ちるのも気にせずに、貪る様に身体に流し込む。野性味溢れる飲み方だった。

「でもま、チャラにしてやるよ」


その一件があってから、数日後の話である。御礼参りに訪れた際に、その御祭神は困った様に小首を傾げ、一人の青年を紹介した。

「身売りは断ったはずですが?」

現れたのはあの時私を助け、見返りを求めた男だった。彼は楽しげにギザ歯を晒し、ぐっと顔を近付けてきた。強ばるのをどうにか我慢して、眉根を寄せると、殊更口角を上げる。

「あ゛? まだんな事気にしてんのかよ。それとはまた別。気に入ったかんな」

それから胸元目掛けて拳を押し付けた。セクハラをされた筈なのだ。けれども与えられた衝撃波がそれを無に帰す。目の覚める様な衝撃に、思い切り目を見開いた。

「今度は見返り無し。偶に俺の興に乗ってくれりゃ良い。厄祓いから縁結びまで。どうだ? 悪くねぇだろ?」

どうやら決定事項のようだ。

飆靡(かざみ)。覚えとけよ、俺の名前」

それが彼、飆靡(かざみ)様との出会いだった。

神様のままで出す為に、ちょっと変えておきました。

不良から怪物、お菓子からお酒。他は大体一緒。


意地悪言うし、するけど、サッパリしてる。

助けた話はもうお終い。それ以上引き摺らない。

それはそれとして気に入ったから傍に置く。拒否権はない。

素直に『傍にいて欲しい』って言わない所にツンデレを感じます。


御礼参りの神様、お好きな神さまをご想像いただけると。

決まって無かったんですよ。故にかなり端折りました。

誰だろう。私も知らない方だと面白いですね。

ちなみに来たのは、献上品であった酒の詫び。

と言うなの、『彼奴のこと紹介しろや』のダブルパンチ。


2023.4.13追記 今だからネタバレ言える!!

ちなみに、『身売り』発言。

これからお前の面倒を見てやる。という意味。

でも酒渡らされたから、別の手段で。


ちなみに暴帝という文字は結構清々しくて気に入ってます。

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