目覚め3
ここまでかなり早足で来たので、ここからはなりゆっくりと話が進みます
少し歩くとそこには俺の家だと思わしき場所に到着する。
家の中に入るとそこには赤ん坊の頃に両親に抱えられながら過ごしていた時と一緒の光景が目の前に広がっていた。
まず初めに俺は、母親をベットの上に寝かせ家の中を散策することにした
「父さんはどこだろう」
そんな言葉が自然と口から出ていた。
だがそれはすぐに分かることであった。
まず俺が訪れたのは母親の部屋である。
ドアの前にメリア・ソティラスと書かれていたのですぐにわかった。
部屋の中は至って普通である。
中にはベット、机、イス、タンスがあるだけである。
今更だがこの家に限らず帰り際に見た家は全て木造の家でどこか中世を思わせるような雰囲気でまるで、腰にさした剣ともあいまってタイムスリップしたかのような感覚に陥っていた。
だが矛盾が生じた
(タイムスリップって俺どこからタイムスリップしてきたんだ?)
頭が痛い
帰路もそうだったが、自分には赤ん坊より前の記憶がある。それは確かなのにそれを思い出そうとすると頭が痛い。
しゃがみこんで頭の痛さに悶えていると、目の前、この家にそぐわない豪華な箱があった。
その箱に手を伸ばし手に取ると想像以上に軽かった。
中身が気になりもちろん開ける。
中には1通の手紙が入っている。
その手紙に封筒はなく手紙がそのまま入っていた。
その手紙の内容はこうだった
「メリアへ
幼い子供のことは悪いが僕は行かないといけない
君とまだ5歳の子を置いていくのは心苦しくまた、悪く思っている。
こんな僕を恨むのは構わないがどうか僕と君の子を恨むことはしないで欲しい。
できることなら僕だって行きたくはない、だが僕も人である以上順番が回ってきただけで他の人と対等に生きたいし、君達が、人の理から外れて欲しくはない。
ただ、すまない。
会えたら会おう。
ストリージより」
どういうことだろう、父親は死んだのか、
ただ、ここにいないことだけは確かなようだ。
手紙と箱を元の位置に戻し母親の部屋を後にした
次に向かったのは父親の部屋である
この部屋は母親の部屋と同じくらいの広さ、内装であるが明らかに違う点があった。壁に剣が飾られている。
そして、母親の部屋と小さな違いであるが机に引き出しが着いている
その中には1つの封筒と鍵があった
鍵には、地下とタグが着いている。
封筒には
ストリージ・ソティラス殿へ
と書かれている。母親の手紙の封筒では無さそうだ。
それ以外には何もなかったので鍵だけ持って地下を探してみる。
家の中を散策しているとカレンダーのようなものを見つけた
今は神歴456年5月25日のようだ。
そしてもうひとつ大切な発見があった、
自分の顔だ初めて見た。
この家唯一の鏡に
目はぱっちりと開いた瞼に茶色の瞳、もう少しで肩に届きそうな綺麗な黒髪。
一瞬、女性かと見間違えそうになるような美形だった
たが、俺は男だしっかりと、棒と玉があるこれは確かだ。笑い事などではない
自分が美形なのは良かった。
(素直に嬉しい母親と父親に感謝だな。)
発見はあったが大きな1つの違和感がある。
この家のどこにも、俺の名前がない。
ここは確かに俺の家だが、まるで俺の名前がもともと無いかのように。
実際赤ん坊の時も、父親から母親への手紙の中にも俺の名前は1度も登場していなかった。
そんなことを考えながら歩いていると足元に違和感を感じた。
自分の足元だけ空洞があるかのように音が軽かった、
(地下室かな?)
よく見れば足元の床だけ色が違う。
その床ははがせそうだったので試してみると、地面の中に階段があった。
(地下室だな)
確信した。
俺は、今は決して楽しめる状況では無いはずなのに、秘密基地のような通路に心無しかワクワクしていた。
目の前に扉が現れ、南京錠が着いている
俺は父親の部屋にあった鍵を差し込む、
扉が空いた
目の前には、とても狭い部屋で真ん中に机はあるが、そんなこと気にならないくらい、壁一面が本で埋め尽くされていた。
俺はその部屋に自然と吸い込まれるように足を踏み入れた、周りを見渡すと、本当に本だらけである、タイトルは様々である。
だが、大半は剣術に関しての本であるようだ、残りは歴史やおそらく物語に関するものであろう。
気になって物語であろう本を1つ手に取って開いて読んでみた。
おそらく幼児向けの本なのだろう文が少なく大半が絵で構築されておりとても短かった。
そして、いつ書かれ、誰が書いたのかもわからなかった。
簡単に要約するとこうだ
まだ世界が1人の王によって統治され神と人が身近だった頃、世の中は大変平和であり、争いどころか自らの身を守るための武術さえも禁止にされ破ることは大罪であった。
そんな中、3人の人間が剣を使い人を殺める技術を磨いているという噂があった。
その噂に王と民は恐怖し、神はその3人に大きな怒りを覚えた。
神は王にその3人を殺せと、命令を下しだ。
その3人は3ヶ月もしない間に王の軍によって命をたたれたという。
しかし物語は終わらず、この平和な世界で罪人のために王が武術を禁止にしているのに、その武術を心得た大群を従えて、3人の人間を殺めるのは如何なものかと、
世の中は綺麗に2分された。
この行動こそが我らが従い、頼りになる王だとする。
親王派
大1人に権力が集まりすぎているとして権力の分散と、王の軍に恐怖し少しでも強くなろうとした。
分武派
このふたつによって、王と神は悩まされ、神は分武派の殲滅を王に命じた。
王は命令道理に殲滅しようと試みるが分武派が王の統治が行き届いていない北側の広い範囲に拠点をかまえ王軍の失敗に終わった。
そして物語も終わりを迎えた
パッとしない物語であったが、久しぶりに本を読み楽しかった。
余韻に浸りながらも、周りの本棚をもう一度見てみると、剣術の本が大きく3つの流派に別れていることに気づいた
ライソー流 派手さと強さを求める
テンラン流 周りとの協調を重んじる
サイラー流 静かな強さを求める
これが、それぞれの流派の教訓のようなものらしい。
それを確認すると1度外に出たすると思っていた通り外は暗くなっていた。
空にはあの禍々しい陸があるはずなのに、それは見えることはなく、青空はないくせに星空はあった
次まで家の散策続きます