表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/30

第8話 モッチャリロゥスァ

 リア充ではない連帯感から、次元警察で宇宙人なモッチャさんに親しみを持ったので話を聞いてみる事にした。


「ところで、モッチャ何とかさんはどうして私を狙うの?」

「モッチャ何とかではない! モッチャリロゥスァだ!」

「モッチャリロースーね、覚えたわ」

「違う! なんだそのチンジャオロースーみたいな呼び方は! モッチャリロゥスァ! モッチャリロゥスァ!」


 名前に拘りがあるのかな。

 私の質問より名前を憶えて貰えていない事が気になるみたい。

 そんなに名前を連呼しなくてもよいのに……


「莉子さんは記憶力悪いみたいですね。ムッチリロースなんて簡単な名前なんだから直ぐに覚えられますよ」


 勇者アレクシスが明らかに間違った名前で呼ぶ。

 煽っているのか? 天然なのか?


「誰がムッチリロースだムッチリしてないし、肉じゃないよ肉じゃ! どう見ても金属だろう!」


 その通りなんだけど

 うーん、頑張れば覚えられると思うけど、もっと呼びやすい名前がよいな。

 そうだ、外国人もあだ名ってあるよね。

 アレクシスも子供の頃はアレクって呼ばれてたって言ってたし。


「外国人の名前って覚えにくいのよね。あだ名とかないの?」

「そんな物はない! いいかモッチャリとは1番を意味するのだ。2番、3番を意味するモッチョレ、モッサリとは違うのだ。そしてロゥスァとは代々この次元を守ってきた我が星を意味する。この栄誉ある名前にあだ名をつけたり短縮するなど許せぬ!!」


 えーっと、そうするとだよ。

 日本語で言えば『一番星』って事で良いのかな。

 でも『一番星』って呼んだら怒りそう。

 どうしようかな……


「そう怒るなよジゲン。貴様がどう思ってい様と評価するのは周囲の人間だ。どの様に呼ばれるかは己の行動次第だと理解しろ」

「何だと貴様!」


 今まで黙って見ていた魔王晦冥(かいめい)突如語り出す。

 モッチャさんは怒っているが晦冥の話は説得力がある。

 彼自身が周囲の人間から、人々に暗闇をもたらす存在と呼ばれているのだから。

 でも、なんでジゲン?


「えっと、気のせいならよいのだけど……今ジゲンって呼んでた?」

「呼んだに決まっている。いつもジゲン、ジゲンって言ってるから奴は今日からジゲンだ!」

「ままままてっ、何故私の名前がジゲンになるのだ。()ッチャリ()ゥスァだ!!」


 あれっ、今言い間違えたよね。

 自分でも間違えるじゃないの。


「ふっ、自ら名前を間違えたな。諦めて今日からジゲンと呼ばれる事を受け入れるがよい」

「くっ、今日のところは見逃してやる。覚えていろよ!!」


 そう言い残してモッチャリロウスァが走り去っていった。

 しっかり覚えておくよ、名前を間違えた事!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 名前覚えて貰えなくてかわいそす… 心の中ではもっさん、って呼んでました
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ