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家族に報告

 今日の晩ごはんはカレーだった。

 母さんが作るカレーは野菜の多く入った中辛で、俺にとってはちょっと辛いと感じるカレーだ。

 そのカレーを今、母さんと真鈴と一緒にテーブルで食べている。



「真鈴、福神漬け取って」

「はい」

「どうも」

「マサくん、テストの結果教えて」

「1位」

「残念」

「ちょっ、母さん?真鈴との話の流れに乗ってサラッとテストの結果聞かないでくれる?しかも残念ってなに?残念ってマジでなんなの?1位だよ?嬉しがらないの?それでも母親なの?なんなの?」

「だって……。だって1位だとマサくんがさらに孤高のボッチになっちゃうじゃない……。西澤さんって子に興味を持てなくなっちゃうじゃない……」


 母さんはなんか目をうるうるさせながら俺に言ってきた。

 そんなに泣きそうになるくらい西澤に興味を持ってほしかったのかよ。


「母さん、その話なんだけどさ。俺、国語で西澤に負けたから西澤と友達になることになった」

「えっ、それ本当に?本当に本当に本当に?」

「本当に本当に本当です」

「ううううぅぅーわあああぁーん!」

「か、母さん!?」


 母さんは号泣してしまった。

 なんだよ、結局泣くのかよ。


「お母さん嬉しい、すごく嬉しいわ。明日は赤飯ね」

「赤飯はいらない」


 俺は即、赤飯のお断りを申し出た。


「ねえ、私、話に全然ついていけてないんだけど、とりあえずお兄ちゃんについに友達ができたってことでOK?」

「真鈴、OKよ。詳しいことはあとで説明するわ。ちなみにね、これからの私たちの将来に大きく関わる話になるかもしれないから、よーく耳をかっぽじってお母さんの説明を聞くのよ」


 どうやら真鈴には母さんがあとで大袈裟に説明してくれるらしい。

 色々と言いたいことはあるが、とりあえず俺が真鈴に説明する手間が省けたのでラッキーだ。



「マサくん、ところでだけど、我が家のルールは当然覚えてるわよね?」

「ああ、『嘘はつかない』だろ?覚えてるに決まってるさ」

「じゃあこれから、その西澤さんって子と何かあっても嘘はつかずに、私たち家族に全て正直に話すことよ。いいわね」

「わかった」



 別に嘘を話すことなんかないのに、母さんは何で俺に念押ししてるんだろうか。


 そんなことを思いながら俺はカレーを完食した。

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