ぼっちの朝
ぼっち生活の話は一話ずつは短い連載になるかと思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです。
自身の手首に目を向ける。
独特な紋様が刻まれたブレスレットのようなそれは自身の身に授かった“加護”と呼ばれるもの。
蔦のような、花のような……そんな模様になっているのが自分の“印”。
「--ふッ!」
それを見て思わず口元が緩む。
そして、今しかない“今日”という生活が始まる。
※※※※※
目が覚めて意識がぼうっとしたまま手首の“印”を見ていたが、身体を伸ばし目を数回瞬くと意識もしっかりしてきた。
そろそろベットから出ることにする。
「今日もおはよう!」
自分を鏡越しで見て自分に朝の挨拶をする。
それが毎朝の始まり。
鏡に映る自分。
黒い髪。
対照的に真っ白な肌。
蒼玉の様な瞳は深い色で今日も見てくる。
やや長めのショートヘアは今日も艶よく黒光りしている。
深い森の中で暮らす自分は日光を直接肌に当たる事は少ない為とても肌が透き通っていて、病弱そうに見える……と自身でも思うが、ひとりだし別に良いかと思う。
身なりを整えると、キッチンに立ち昨晩用意しておいた生地を火を入れたオーブンへポイッと無造作に投げ入れる。
その間に用意するのはいつも、新鮮な野菜か、果物。
「どれにしようか……。ん!さっぱり系かな?--ってなるとレモン?」
誰かと対話しているレベルの大きな声でミネは独り言を言っているのだが、これはいつもの事である。
独りだから言葉を発しない--なんて事はないのだ。
赤・黄・緑、籠にこんもりと乗った色鮮やかな新鮮食材の中から選ばれた今日の朝ご飯。
黄色くて茎の付いているそれをサクッと6等分程に切って盛り付けていると、優秀なオーブンは投げ入れられた事でやや歪な形になっているパンをかなりの速さで焼き上げたところだった。
「今日は----ちょっと鳥みたい。ははは。」
オーブンからつまみ出されたパンを取って思わず笑ってしまう。
朝食は決まってパンと何かしらの野菜か果物。
歪な形に仕上がるパンの形が今日は何に見えるのか?それも毎朝の楽しみのうちなのだ。
作り置きしてあるお茶と共に、モグモグとのんびり朝食を楽しむ。
「今日も大変美味しい!!」
その間に考えるのは今日の予定。
--と、言っても日課はこなすので考えるのは午後の事だ。
『んーーー。新種作りかな?』
午後を思い、ついつい口元がゆるむ。
ニヤリと楽しそうに笑うと、後片付けをした。
「さあ、今日も始めますか?」
--ミネ15歳、1日1日を心から楽しんで生きている。