決闘!の前に授業
さて、これから体験授業ということで、色々な授業を受けることになったのだが……
1時間目が移動授業だった。
しかも科目は武術だ。
「いやだ!絶対に行くもんか!大体なんで魔法学校なのに武術やらなきゃいけないの!あとなんで降りるんだよ!降りるんなら初めからこの教室に行かなくてもいいじゃないか!」
俺の心の叫びを聞いた先生は改めてカリキュラムを変えてくれるだろう!
「何言ってんだお前?早く行くぞ」
「そ、そんな!これは立派な虐待です!訴えますよ!」
「人聞きの悪い事を言うな!全く、なんでこんな問題児の担当に……」
「ドンマイ!」
「あなたの事ですよ!」
なに!?俺のどこが問題児なんだ!
全く、先生もまだまだだね。
「そのイラつく顔を辞めなさい」
しゅん……
よし、仕方がない!頑張ろう!
「ぜぇはぁぜぁはぁ……もう、無理……」
俺、頑張ったよ。
だからさ、もうゴールしてもいいよね?
希望の花〜
「まだ5階ですよ!みんなもう言っちゃいましたよ!」
「魔法つかいますぅ」
もういい。先生がいる手前怒られたくなかったから使わなかったが、こうなったら魔法使ってやる。
「ヤリー」
なんとかついたぜ!
「お、やっときたか!問題児!リーリエはありがとうな!ライアス!お前だけ特別に俺が稽古してやる!その性根を直してやる!」
ほうほう。この俺に挑もうと言うのかね?
「ふふふ、まさかこの俺に無謀にも挑んで来るものがいるとは……いいでしょう!受けて立ちます!武術、と言うことは先生は何を使うんですか?」
「ほう?無様といったか!ならばいいだろう!俺もお前も剣術で勝負だ!」
剣術か……それは良い。
「ふふ、俺に喧嘩を売った事、後悔させてやりますよ!」
2分後
みんなが唖然として俺の事をみていた。中には信じられない、と口元を抑える人までいた。
先生は何が起こったのか分からずに目を見開いている。
「ふ、さあ。もう良いでしょう!先生!俺と勝負……しますか?」
「……棄権する」
ふふふふ、フハハハハ!完全勝利だ!
「すまない、まさかお前が……」
そう!まさか俺が!
「剣の重さで転けるとは思わなかった」
そう!剣術とかいってる時点でお前の負けは決定しているんだ!
さあ!この無防備な生徒に向かって攻撃してみろ!
「はははは!やはり俺こそが最強!無敵!強靭!」
「少しは体を鍛えろ!」
「ふっふっふとまだですよ。先生。俺には驚くべきことがもう一つあります」
ゴクリと唾を飲み、先生が聞く。
「なんだ、それは」
「それは……俺の小学生の頃の50メートル走のタイムが20秒でした。そして俺は中学は単位もらえるギリギリまで行っていません!それにより俺の体力や運動神経は小学生の頃よりも脆弱になっているでしょう!もうお分かりですね?」
「ま、まさか!?」
「そう!俺の体力のなさをあなたは履き違えていた!俺は、武術の授業を受けることすら出来ない!」
クックック、すまないな。俺の勝ちだ!
「そ、そうか。誇れることじゃないぞ?」
「はっはっはっは!ぐえほ!ごほ!」
俺の高笑いがグラウンドに響く中、二人の学生が俺の事を憎らしく見ていた。
そして、遂にやってきた!魔法の授業!
「えーでは、あの的に確認好きな魔法を使って破壊して見てください。出席番号順です。スタート」
気だるそうに言う魔法の先生は男だった。
なので名前とか話の内容は聞いてない。
俺はライアスなので結構待つことになる。
そんな中、俺に喧嘩を売ったイケメンが魔法を撃つ。
まっすぐ飛んだ魔法は的の真ん中よりも少し横にずれ、そのまま爆発し、的を木っ端微塵にした。
「よし。流石はアクレス家の長男だな次!」
「次、ライアス・ヴォルフ」
おっとおお!!俺の出番が回ってきましたよ?
「はいはい!いっきまーす!」
「ライアスさん、無茶はしないでくださいね?」
リーリエがそう言ってくれる。なんて優しい子なんだ!
しかしなあ〜的と俺の距離って10メートルしか離れてないし……
ここで魔法撃っちゃうと俺の方に余波が来てもれなくこのクラスがサヨナラ出来ちゃうんだよなあ……
よし!
今ここで魔法を作っちゃおう!
実用性がそこそこあって尚且つ反動が短い魔法!
「じゃあ行きますよ〜!『名前考えてなかったわ』」
瞬間、見えないなにかが俺の手から発射され、的に極小の穴を開け、そのまま貫通して壁にも穴を開ける。ハッハッハ!みたか!この魔法隠蔽もバッチリあるから魔法を行使されたって感じないぞ!貫通力は見たとおり!飛距離は……2キロくらいあるんじゃね?そんな素晴らしい魔法だ!
「はぁ……魔法を使えないならば使えないと言ってください。次」
ほええええ???????なんで?あ、魔法隠蔽使ってたからわかんなかったのか!ちょっと待て!それはあんまりだろうが!この魔法があれば楽に人の脳天をつけるんだぞ!
「次、リヴィア」
「はい」
そう言ってリヴィアは位置についた。来る途中で何故か俺を見て嘲笑っていたが、美女だったので許した。可愛いは正義なんやってなぁ。
「大丈夫ですか?ライアスさん」
「大丈夫大丈夫〜全く!なんでこの魔法に隠蔽使ったんだよ!ってなったけど、隠蔽なかったらすぐバレる類の魔法だからそうするしかないし……だからってこいつらと同じ魔法使うとか賢者としてのプライド(w)が許さないしな〜仕方ない!」
「は、はあ。まあ元気そうなのでよかったんですが」
おおおおおおお!!
と観衆が沸いている。
ナンジャラホイ。
お?的が氷漬けになってる。
「凄いな、こんな大きい氷を作れるなんて、将来は魔法王も夢じゃない!」
うーん?12メートルくらいか?
なかなか大きくて好きよ。
あと魔法王とか言うのは俺の下だから!俺を差し置いて王とか名乗っちゃってるけど!賢者が最強だから!
「ふん、私は魔法王なんかに興味はありません。なぜなら私は賢者になるのですから!」
その瞬間に全員が固まる。
あ、俺?さっき聞いてたから大丈夫。むしろツーピースを見るだけで心が落ち着く。
「「「「お前!賢者様 (でしょう)だろうが!」」」」
わーい賢者様大人気〜。
もっと俺を崇めて?
「少しくらい才能があるからって付け上がるんじゃねえぞ!」
なんかすごい罵声を浴びてる。可哀想に。ここは俺がやめないか!って言う場面じゃないか?
「この腑抜けが!!!!!」
おっと、切れてる。
「賢者様賢者様!確かに賢者が凄いことは認めましょう!しかし私達は魔法を学び極めるためにここにいるのですよ!ならば目指すのは賢者でしょう!越えるべきは賢者でしょう!それを賢者様賢者様!私はここに来たのは賢者を越えるように切磋琢磨する為です!それがこんなに腑抜けの集まりだとは!」
おう、成る程成る程〜俺からのリヴィアの好感度がかなり上がったぞ。
さっきまでは美人だから何かあれば助けるだったけど、今では話を聞いてやらんでもないだ。
そう言う目標は大歓迎よ?
俺を是非とも超えて見せてくれ。
まあ、俺以外はリヴィアの言葉に圧倒されて声も出ていないがね!
「……で、ではリーリエ、次です」
「は、はい!」
初めの現実に帰ったのは先生だった。その後にリーリエが続き、他のみんなも我に帰る。
俯向きながら自分の席、まあ俺の後ろなんだけど。俺の後ろに戻るリヴィア。
そんな彼女を励ますために向き直り。
「ナイス演説!」
「死ね!」
何故だろうか?
罵倒された。でも感じないんだから!
さて?リーリエはどうかな?おっと、土属性か。
「『クレイボム』」
クレイボムは石の塊だ。それが標的に当たると爆発する。成る程、これなら確かに方向が違わなければ確実に的は壊れるだろう。
BOM!
って感じのアメリカ的なコミカルな感じで爆発した。
「うん。なかなかいいね、次」
こんな感じで今日の授業は幕を閉じたのだった……
「帰るか!」
「待て!お前、俺との決闘を忘れたのか!」
?
「…………あ、覚えてるに決まってるだろ?ジョークだよジョージ」
「あ、って言った!今あ、って言っただろ!」
まっさか〜ははは。
「よし、じゃあグランドに来いよ!いいな!」
「はいはい、行きますって」
仕方がないなあ〜じゃあ、いっちょ本気出しますか?
いや俺が本気出したらあの子お亡くなりになるからダメやけどさ。
なんかブクマ2つも貰ったので失踪することはなくなりました!
ブクマとか評価ください(真顔)