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4話 王都での新しい暮らし

仕事が始まり、投稿できていませんでした。これからちょくちょく上げていきます。

 俺は今、王都の新しい家の前にいる。大きさは元の家とそれほど変わらないが、王都特有の華やかさがある家だ。レンガ造りの西洋感あふれる2階建てだ。元のログハウス風の家もいいがこれはこれでいいものがある。


「スゴイお家だね、お父さん」

「気に入ってもらえてよかったよ、実は少し心配だったんだ。今までと違う環境になってしまうからね」

「全然そんなことないよ、ねえ、コーダ」

「うん、こっちはにぎやかだし、楽しそうだね」


双子の楽しそうな会話に両親も安心したようだ。


「それじゃあさっそく中に入ろうか」と、父の言葉に続いて家の中に入る。

家の中は外観の華やかさとは違いライダ村の家と雰囲気が似ている。というか、構造は前の家と変わっていない。家具などが少し豪華になっているようだが、大体は一緒だ。


「戻る時のことも考えて、内装は似たようなものにしてあったんだ。引っ越しなんてあまりさせたくはなかったが田舎での暮らしというのにもあこがれがあってね。

いい機会だった引っ越ししてみたんだ。まさかこんなに早く戻ることになるとは思わなかったけどね」


父は苦笑い気味に家の説明をしてくれる、実際に見て回ってみると大体構造は一緒だった。

一つ違う点があるとすれば地下室があったことだ。


「田舎の家にも作ろうかとも思ったんだけどね、この家にいた時もあまり使ってなかったから」

「そうね、でも子供たちのことを考えたら作ったほうが良かったかもね」


地下室はそこそこ広くていろいろできそうだ。精神年齢がいくら高くてもやはりこういうものには男の憧れがあるね、日本じゃなかなか見れないし。ナナも目を輝かしている。やっぱり子供の憧れだよね!


「秘密基地だね」コソコソ

「うん、いろいろやろうね」コソコソ


両親が微笑ましそうにこちらをみている。ばれててもこういうのは楽しいものだ。

それからは軽く家具を入れたりしているとお昼になったのでご飯を食べ、リビングでゆっくりしている。


「そういえば、王都の学校には入学試験とかってないの?」

「あ、それ私も気になってた」

「入学希望者は入学金が払えさえすればほとんど入学できるはずだ。ちょっと高いけどな。

 だが、入学前にクラス分けのための試験がある。これは入学してからの勉強のスタートを分けるために行なわれているな。具体的には算数、歴史、あとは実技に魔法と体力測定があったはずだ」

「3クラスに分けられて2年次には成績関係なくクラス分けされるわね」

「試験があるのは冬だからまだ3か月くらいある、これからは家庭教師も雇う予定だし忙しくなるぞ」

「勉強か~」


大きなため息とともにナナが机に倒れる。いつも運動や魔法には積極的なナナは勉強が嫌いみたいだ、自頭はいいと思うからすぐ勉強できると思うんだけどね。


―――――――――――――

side ナナ


入学試験の件もわかったし、これで不安要素は消えたと思う。これでも元高校生だし勉強はすればなんとかなると思う。やはり転生といえば王都の学校が王道でしょ、せっかく転生したんだから行きたいなと期待してたけど思ったよりすんなり入れそうかな。


そんなことよりわたしの興味は地下室にある。地下室があるってことは魔法の練習も続けていける、王都に来ることになって一番悩んでいたことが解決した。これまでは田舎だったから空き地なんていくらでもあったし、広い場所は確保できてたけど王都ではどうしようかと思っていたのだ。

それからは荷物を部屋に移して整理してご飯を食べてゆっくり寝てしまった。


みんなが寝静まった夜中わたしは目を覚ましていた。ふっふっふ、これから地下室に隠し部屋を作るのだ!

あの地下室をそのまま使ってもいいけど秘密の部屋ってのを作ってみたかったのよ。

わたしは物音を立てないようにゆっくりと地下室へ向かう。まあ引っ越しでみんな疲れてるだろうから起きないとはおもうけどね。


「何してるの?ナナ」

「わぁ!」


急に声をかけられて体がビクッと跳ね上がる。後ろを振り返るとそこにはコーダが立っていた見つからないように光をつけてないからうっすらと見えるレベルだがそれが怖さをより高めている。


「なんでコーダがいるのよ」

「ナナが動く気配を感じたからどうしたのか気になって」


ちょっと申し訳なさそうな顔でこんなこと言ってこられたら許すしかないじゃない(別に怒ってないけど)。というかこういうことはよくあるのだ。わたしが一人でこっそりとなにかしようとするとコーダがいつのまにか後ろにいたりする、双子ゆえのテレパシー的な何かかなと当初は思っていたがわたしはそんなことないし、むしろコーダがすっといなくなってたりする時もあるくらいで、大抵そのあとはすっきりした顔で戻ってくるのだが、何しているのか聞いても教えてくれない。それがわたしの唯一の弟に対する不満点だ。


「それでどこいくの?」

「地下室にね、面白いもの作ろうと思って。コーダも絶対気に入ると思うわ、一緒に行きましょ」

「秘密基地でしょ、まさか今日から作ろうとするとは思わなかったけど」

「いいじゃない、善は急げよ」

「秘密基地は善なの...」

「細かいことは気にしない!行くわよ」


ちょっと呆れ気味だけどなんだかんだ付いてきて手伝ってくれるコーダがわたしは大好きだ。


それから私たちは1時間ほどかけて地下に秘密基地を作成した。地下室からさらに地下に穴を掘り、魔法の実験ができるようにある程度広い空間を作り、その部屋から出入りできる部屋を3部屋ほど作った。まだその部屋で何をするか決めていないけど、まあそのうち何か決めていこう。


「魔法って便利だよね、この広さの空間を1時間ぐらいで作れちゃうなんて」

「ナナは特にセンスいいしね、俺も頑張らないと」

「コーダもうまいと思うけどね」


そう、コーダはすごいのだ。私仕込みの異世界教育を施していることもあるが、理解力もあれば努力もしている。それに3属性の魔法が使える。わたしが言うと嫌味かもしれないけど、この世界でいえば天才クラスであることは間違いない。

それにかっこいいし、わたしのことを1番に考えてくれるし、魔法もうまいし、わたしを1番理解しているし

えへへ


「ナナ?」

「なんでもないよ」


これからは王都での暮らしが始まる。

まだまだやりたいことはたくさんあるし、たのしみだ!





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