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たった一つの大きな世界  作者: とまむ
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プロローグ

 [宇宙が誕生してから現在までを24時間とすると人類の誕生は2秒]というたとえを聞いたことがある


人類の歴史なんて宇宙に比べればちっぽけなんて言葉じゃあ表せないくらい小さなことだった

そう思うと政治だの戦争だの宇宙からしてみればどうでもいいことだし関係ない

一人の人間の人生なんて無意味だと感じれて最初は虚しさを感じるも今では気が楽になる。人生なんて死ぬまでの暇つぶしで人一人がなにしようが宇宙は何も変わらない。

僕はいつしかそう考えるのが当たり前なっていた


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7月下旬、夏休みの課題を済ますために僕は友達の山下慎二とファミレスに来ていた。

家から自転車で15分ほどの場所にある普通のファミレス

客の人数が減ってくる午後1時30分過ぎに席に座り少し遅めの昼食を注文する

夏休みの昼間にしては学生は僕たちだけでほとんどの客が年齢層の高いおばあちゃん達だった


席に座るなり勉強ノートを開く...わけではなくバイトをする意欲もあまりないにもかかわらずコンビニから持ってきたタウンワークを広げていつものようにダラダラ過ごす。

実際宿題を済ますためにファミレスに集まって帰るまでに手をつけたためしがない。


「あのさ、しょうもないことだけど前から思ってたことがあるんだけど」

グラスについだコーラを飲みながら慎二がつぶやいた

「ほう」

「立松ってさ、人付き合いが悪いわけではないけど結構一人な時多いよな」

何の話かと思えば僕のことか、しかも僕についての話をしょうもないと言ったぞ


「いや、それは慎二がたまたま僕が一人なのをよく見かけてるだけだよずっと一人なわけないし結構いろんな奴とつるんでるよ」

笑いながらそう答える

「うぅん、まぁそう言われるとそうだけどなんかお前って他の奴らに対して上っ面だけの関係って感じがするし実際一人のが楽しいって思ってる時がほとんどじゃね?」


・・・めんどくさいなこいつ

慎二とは中学からの知り合いで左耳にハート右耳に星のピアスをつけてて常にラフな格好をしている

多分僕と知り合う前から見た目も性格も変わってないんだろうなと思わせる能天気なやつでで声が大きいくせに歌は超絶音痴なのが特徴らしい

いいやつなんだがおせっかいが過ぎる性格なのと見た目がラフなくせに口癖が「整理整頓」っていうのが時々ムカつく


「別に俺が気にすることじゃないけどそういう付き合い方してると結構陰口とか言われんぜ?俺らあれこれ気を使いながら生きていくには早すぎるっしょ」


「気楽でいいなお前は」


特に悩んでるわけでもないくせに自分が苦労してるかのように苦笑する

別に気をつかってるわけでも仲良くしたくないわけでもない。

自然と身についた生き方ってだけで自分自身が傷つかないよう距離を置くんだと思う


「おまたせしました。豚の生姜焼き定食とチーズハンバーグとライスです」

確かにしょうもない話だったなと笑いながら話してると頼んでいたことを少し忘れていたランチが来た

「おぉ今日はなんだかライスがいつもより多いが気がする」

毎回同じメニューを頼み、同じことを言っているアホな慎二はハンバーグを一口食べてライスの半分をかきこむようにフォークで食べている


「ぶっちゃけ、俺がさっき話振ったんだけどほとんどこのハンバーグのことしか考えてなかったわ・・・あれ何の話してたっけ?」

・・・こいつは本当になにも考えてないのか

僕はツッコミをいれるつもりはないので黙々と生姜焼きを食べる。

「あっそういえばさ最近ニュースになってる通り魔事件、あれ昨日で4人目らしいぜ?全員女子高生らしいし俺らも気を付けないとな~」

気が付けばハンバーグセットを完食してコーラを飲みながらスマホをいじってる慎二が言った

「・・・ふうん」

慎二のよくわからないボケはスルーして僕は何気なく思ったことを口にした

「さっきの話よりしょうもないね」

クーラーのよくきいたファミレスで僕と慎二はいつものように窓際の席で話をしている


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