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序章
恒宙歴203年・・・
宇宙の遥か彼方。
二つの星間国家が、終わらぬ争いを続けていた。
機械文明を主とし、絶対的な王政主義のカルッゾ帝国。
魔法文明を主とし、民主的思想の魔導連合。
これはそんな大国同士の争いの一幕を綴った、
物語である・・・
ードルドラット暗礁空域ー
00.23.00時
「防空艦クリス、カルカッタ轟沈!
このままでは艦隊を維持できません!」
アラームの鳴り響く艦橋内に、甲高い声が響く。
それは鮮明であるが、
絶望を知らせるには十分なものだった。
「魔導連合の奴ら、こんな暗礁空域にまで迫っていたか!騎士団の奴らめ!我々を囮にするつもりか!」
「そんなことは、奴らにとってどうでもいいことなんでしょうよ!艦長!それよりも現状を打破する事を、考えてください!」
「わかっている。
シールド艦を前面に押し出し、一点集中突破する。
各艦は速力最大!この宙域からの脱出を第一とする!」