第1話 神との遭遇
第1話です!よろしくお願いします
「さあ、何でも言いなさい」
『じゃあ、元の世界に返して下さい』
「それは無理!」
「ふざけんなよ!何でも言えって言ったじゃねえか!」
『そうだそうだ!』
仲間達が抗議の声をあげる。
「最初に言った通りだよ。元には戻れない。早く能力あげるから願いを言いなさい」
「はぁ………」
俺は真っ暗な空を見上げながらため息をついた。何でこんな事になったんだっけ…………
俺たち高校生サバイバルゲームチームTFは隊長の工藤 康平通称くどぅーの所有地に有るサバイバルゲームフィールドに遊びに来ていた。
高校3年。受験が目の前に迫っているがせっかく18歳になったんだからサバゲーをしようとここに来ていたのである。
TFのメンバーは隊長のくどぅーを筆頭に計10人いる。俺はTFの副隊長を務めている。名前は中藤 稜。サバゲー歴5年である。
他のメンバーは堀田 孝、秋根 政広、三浦 勇馬、山城ジョン(やましろ じょん)、寺本 竜志、古井 拓也、高橋 克、松下 弘毅の計10人。
まあ、人数もそれなりにいてサバゲーを楽しんでいた。
「前に出るな!弾幕を張れ!よし、そr…………」
その時、何かがすぐ上で光った。そして意識を全員失った。
「……い……‥……おい!目を覚ませ!」
「っ⁉︎此処は何処だ?」
俺は康平の声で目を覚ました。起き上がって周りを見回すと、そこはただただ暗い空間だった。
「此処は何処だ?ていうか、何でこんなところにいるんだ?」
「よくわからん。俺が目を覚ました時には皆一緒にここにいた。ほんとに何処なんだろうな。」
そういえば真っ暗なのに康平や他のメンバー達の姿がはっきりと見える。何故だろうと思いながらも俺たちは他の奴らを起こしはじめる。
「全員起きたか?それじゃあ此処がどk……」
康平が話し始めたとき、またあの光が光って声が聞こえてきた。
「それじゃあ、整理を始めようかな〜。あっちの世界の草木は綺麗でいいんだよね〜」
『!!!!!?』
全員が驚く。声はすれども姿は見えず。そんなこととは露知らず、声の主は機嫌が良さそうに独り言を続ける。
「松に杉に柏の木に。あ〜いい匂い〜。……………ん?あれ?何で人が此処にいるの⁉︎お前たち!どうやって此処に入り込んだんだ!今すぐ出て行け!」
一瞬早く衝撃から立ち直った康平が言葉を返した。
「いや、なんか上で光ったと思ったら此処にいたんですけど?どうやって帰ればいいんですか?」
「え⁉︎まさか転移に巻き込まれたの⁉︎ああ〜どうしよう…………」
「問題があるんですか?帰れますよね?」
「……‥ごめん。悪いけど帰れない。1度転移したら元の世界に帰ることは出来ないんだ」
『え、ええええええ⁉︎』
全員の声がハモる。俺は驚きながらも内心納得していた。そして相手が誰なのかも。
「なあ、お前って神様か?」
俺は尋ねた。
「ん?よくわかったね。そうだよ僕は神だ。まあ、それは置いといて君たちをどうしようかなぁ……‥。此処には置いておけないから方法としては別の世界に転移してもらうしかないんだけど良いよね?」
皆は愕然とした表情で固まっている。康平も固まってしまったので俺が話を続けた。
「それはどんな世界なんだ?あと、ラノベみたいになんか特典はあるのか?」
「どんな世界って言うならば剣と魔法の世界かな。僕の世界はそこだけしかないからね。あと、特殊って言えるかわけらないけど、護身のために君たちが持ってるエアガンを実銃にしてあげるよ」
「……‥他には?」
「え?足りない?う〜ん、そうだなあ。それじゃあ、1人1つだけ何でも願った能力をあげるよ。どう?」
俺たちは考え込んだ。
「さあ、何でも言いなさい」
『じゃあ、元の世界に返して下さい』
「それは無理」
こうして冒頭のところへ戻るのである。
そして今何をしているかと言うと神と口論しているのであった。そして神がキレた。
「ああああ‼︎もうめんどくさい!能力は無理やりこっちで決めるから!さっさと行ってこい!」
急に体が軽くなっていく不思議な感覚が俺たちを襲った。
たまったもんじゃないと俺は怒鳴った。
「おい!今すぐ止めろ!」
「無理だね。まあ、向こうの世界で頑張って生きな。あ、言い忘れてたけど向こうの世界では今ヒト属と魔族が戦争中だから。気をつけてね〜」
『ふざけんなこの(ピー)野郎‼︎』
そうして俺たちはあっけなく異世界へと足を踏み入れたのであった。
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