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10年前の出来事

俺は魔王城で魔王と一騎打ちの戦いをした

それは俺の中でも最高の戦いだ

交錯する剣たち、魔法による激闘

なにをとっても最高の戦いだ

そして、どちらが勝っても悔いは残らない戦いだったはずなのに・・・

魔王のあいつの一言でその戦いは・・・決着がつかなかった


「うおおおお!!!!」

「来い!!勇者!!」


かれこれ、数時間剣と爪がぶつかり合う

剣は刃こぼれがしないほどの剣を俺は持っている

だが、魔王の爪もそれほどの固い


「ライトニング・・・アロー!!!」

「マジックドレイン!!」


おれは、左手を引いて雷を集める

そして、それを放つが―――

魔王のマジックドレイクで吸い取られてしまった


「まだまだ!!」

「アース・・・ポール!!!」


魔王が地面から棒をたくさん出して手元に置く

そして、それを投げつけてくる


「うおおお!!!!」

「はっはっは!!!」


完全互角の戦いになった

普通は勇者には仲間がいるんだ

だけど、俺は途中からいない

ていうか、正直に言うと最初からいらなかったかもしれない

10歳の俺が言うのもおかしいけど俺は強い

修行などもして今までとは比べ物にならないほどの力を手にいれた

そして、そこで仲間とも別れた


「右手に炎の竜!左手に氷の龍!!」

「ふん!魔の結界よ―――」

「現れ、やつを包み込め!!!」

「我の元に働け!!!」


交差しながら炎の竜と氷の龍が魔王を包み込む

だが、魔王は薄く正方形になっている結界の中にいるため攻撃はあたらない

しかし、俺の狙いはそこじゃない

炎と氷だ

水蒸気が起こって俺が接近するチャンスができる!

俺は一気に距離を詰める

その間にも俺は剣に魔法をかけて、追加ダメージを狙う


「ぬう・・・しまったな」

「こっちだ魔王!!」

「・・・ほう、気をつけろよ?後ろにはトラップがたくさん―――」

「すべて解除した!!」

「ちい!!」


魔王が急いで振り返る

だが、もう俺は剣を振って当たる寸前だ

そして、剣が魔王の体を切り刻む


「ぐううう!!!」

「よし!」


そう言って俺は後ろに飛びずさる

勝った


「ほう?もう一度くらい攻撃しといたほうがよかったんじゃないか?」

「いや、もう俺の勝ちだ」

「はは、こんな傷くらい―――!!」


突然うずくまる

効いたみたい

少しだけでも時間差のダメージを食らわせると結構精神的に来る

ちなみに、今のは俺の―――いや、勇者の得意な魔法の雷を時間差で与えた

一撃は軽く切るしかないが結構な痛みがあとから襲ってくる

これで魔王も終わりだ


「く、クソ!!!」

「悪いな。俺の勝ちだ」


ゆっくりと魔王の元へと歩み寄る

これで終わりか

多分、もうこれ以上の戦いなんてものはないと思う

そう思うと悲しい

だけど、終わらせるのは勇者の役目だ


「ク、まさか勇者だけに敗れるとは・・・」

「はは、そうだよな。ふつうは仲間がいるよな」

「だと思うな。じゃあ殺せ勇者よ」

「やけに潔いな。何かあるのか?」

「いや?俺は終わりだ次の魔王にかけるとする」

「勇者を倒すのか?」

「違う。世界を救うの―――ガハッ!!!」

「!! どうした!!」


まだ、歩み切っていないのに急に血を吐きだした

血?

いや、違う

何かが違う

なんだ?

この違和感


「大丈夫か!!おい!!」

「勇者?ゆうしゃ・・・たすけ・・てやって」

「おい!!どういう」

「ゴフッ!!!」


俺の手を握ってまた、血を噴き出した

そうかわかった

違和感に・・・


「おや、勇者様まだいたのですか」

「だれだ」

「私ですよ。精霊の使いです」

「なんのようだ?」

「いや、そろそろ自分の世界に帰っていただこうと思いまして」

「へえ、できるものなら―――!!!」

「はい。やっています。ではさようなら」


そう言って精霊は姿を消した

俺の体はねじ曲がる

そして、体の力が抜けていく

勇者の力がなくっているんだ

チクショウ

まだ、何も・・・

救っていないのに!!!


「大丈夫だ。お前は勇者の力はなくならない。そして、もう一つは自分で確かめろ」

「魔王!?」


確かに聞こえた

数分前までは戦っていた相手の声が

そして、俺は帰っていく

自分の世界に

平凡な世界に

誰も幸せで・・・救いようのない世界に



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