バイト・・・合格?
「そこまでです」
手拍子が数回聞こえた
そして、制止する声も聞こえる
俺はその声の方向に振り向く
そこには女性が・・・いや、精霊がいる
見た目でわかる
人間ではありえない後光
澄んだ金色の目
そして、極めつけは・・・こいつからは何も感じないことだ
人間は絶対に何かを感じさせる
だが、精霊は違う
何を考えてないを感じているかがわからない
「ふう、まさかバイトのチラシでこんな人が来るとは・・・」
「俺を知っているのか?」
「一応ね。でも結構のブランクがあったはずだけど」
「ガキの頃にやったことが大学生にもなっているのにできないと思うか?」
「それもそうですね」
「あ、あの・・・」
「あ、置いてけぼりにしたな」
俺はそう言って手元にある剣を黒髪の少女に返す
そして、拳銃を金髪の少女に返す
「あ、ありがとうございます」
「ありがと」
「さて、本題に入っていいですか?」
「はいはい。さっさと話してくれ」
「精霊相手にそんなぞんざいな扱いができるのはあなたくらいですよ」
「褒め言葉として受け取って置く」
「いや、褒め言葉じゃないのですけどね。まあいいです。とにかく言いますね」
そう言って精霊は息を吸う
そして、口をゆっくりと開いて・・・
「合格です」
「よし、帰っていいか?」
「駄目です」
「ええ~~?」
「いや、なんで帰ろうとしているんですか。合格ですよ?時給8000円の」
「一つ聞きたいんだけど。それは本当か?」
「ええ、本当です」
「24時間給じゃないよな?」
「・・・そ、それは」
「あ、あたりかよ」
最初からおかしいと思った
ていうか、精霊が出た時点で確信した
だって精霊が金を持っているはずがない
でもって出迎えた3人の少女
・・・下手をすると明日食うのも困るんじゃないか?
「と、とりあえず聞いてくださいよ」
「いやだ。俺は帰る」
「そんな子供みたいにすねないで・・・」
「俺だって金が必要なんだよ」
「失礼でしょうが聞いていいですか?なんでお金が必要か」
黒髪の少女が俺に聞いてくる
そして、俺は自信満々にこう言う
「来週に合コンが入ってんだよ」
「「「「・・・」」」」
全員がだまった
そして、精霊がなにかしらの合図を送り精霊の元に少女たちが集まって・・・
そう、俺はその時気づけなかったんだ。みんなの目が獣のように光って俺を見ていることに・・・