だるま 〜二人だけの世界で〜
それは、純粋な愛の果てにたどり着いた、狂気のかたち。
誰かをどこまでも求める心は、時に破滅へと姿を変える。
この詩には、身体損壊や狂気的な表現が含まれます。読み進める際は、その点をご理解いただいた上でお楽しみください。
あなたの中に眠る、美しくも歪んだ感情に、そっと触れる一篇です。
どうしても独り占めしたかった
いつも傍に居て欲しかった
私の気持ちを知って欲しかった
真っすぐ見つめるその瞳
若く白い肌と甘い香り
漆黒の美しい髪
全てを手に入れたかった
隠そうとするから
あなたの腕を
逃げようとするから
あなたの脚を
叫ぼうとするから
あなたの舌を
声にならない叫びと
涙で光るあなたのかおを見詰めて
私も涙を流しながら
肉を骨を切り裂いた
のどを潤す一滴の水も
肌に溶ける湯煙の匂いも
寄り添い更ける夜も
狂気と究極の愛のはざまで夢見た時間
あなたの髪を乾かしながら
わたしの話を聞いてくれるのは
私を受け入れてくれているのか
それともあなたの諦めなのか
あなたの自由はわたしに奪われた
私にはあなたしかいなかった
あなたがいない世界では
私は生きる意味がない
私がいない世界では
あなたは生きていけない
この二人だけの世界で
命果てるまで
お読み下さりありがとうございました。
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