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オーマイガー。

もしかしたらがあるかもなぁと思ってたけど、あってしまったかぁ。


ここにいる人たちは半数ほど感染してるけど、中毒者とも依存症者とも蝕まれてるとも表示されんかったら、手を出してへんと思ってたのに。

病人に与えてたんかぁ。


そういえば、苦しみを楽にするとかなんとか説明されたんやっけ。

苦しみを楽にするか。色んな意味に取れる言い方やね。

大体にして人を騙そうって奴は、そういう奴が多いんよ。

気に入らんわー。


「あ、あの、聖女様?」


アユカの百面相になれていない村人たちは戸惑っているが、慣れているシャンツァイたちは希望を持ってアユカを見ている。

きっと薬や解決策が出てくるのだろうと。


食べてる人もいるやろうって、ちょっと考えれば分かったことやのに。

ってか、「食事に出てきたら食べてるってことやわ」まで思ってたのに、なんで薬を作っとこうとせんかったんやろ。

詰めが甘すぎて、霧島がおったら怒られてたな。


あー、でも、そろそろ怒られたいかも。

霧島、元気かなぁ。


って、違う違う。今はそんなこと思ってる場合ちゃうねん。

薬なぁ。検索してみるか、ポチッとな。


実の名前では、検索結果無しかぁ。

どう検索したらヒットすんやろ。


依存して溺れていった人は見たことあっても、どう治療するか知らんからなぁ。

毒ちゃうやろうしなぁ。

神経を刺激するだけで壊してるんちゃうよな。

いや、 壊してるんと一緒か? 分からん。


あ! ああ! あの時のあの表示! 関係あるかも!

体内濾過薬って、何やろって思っててん。

体を濾過するとか怖いやんって思ってたけど、実の成分だけを外に出してくれるんなら当たりちゃうかな。


他には何も思い付かないので、体内濾過薬を検索してみた。


お願い! 当たりであってちょーだい!


検索結果はすぐに表示され、すぐさま文章に目を通す。


体に必要のない成分や過剰な栄養素を分解し、体外へ排出させる。

依存し、過度な摂取をしてしまう人にお勧め。

服用期間3週間必要。


ん? めっちゃ素晴らしいダイエット薬っぽいな。

でも、不必要な成分を排出させるってことは、実の成分も排出できるかもやしな。

他には思い付かんし、これを試してみよう。


やっと大きく頷いたアユカの表情に、シャンツァイたちは息を吐き出した。

気合いを入れたような顔だったので、解決の糸口が見つかったんだろうと分かったのだ。


そこからの行動は早かった。


シャンツァイが村人たちに病気の薬の説明をし、騎士たちが隔離されている人たちに薬を届け、アユカはチコリとテントに戻って体内濾過薬を錬成した。

退席した理由は「テントに薬があるから」としている。


体内濾過薬の主な素材は、ダンジョンの砂漠の砂だ。

ドコンの実、毒消しで使うポポン草、優秀な草のエットプ草の4つで錬成することができる。

薬はさらさらの黒い液体だが、リンゴのような匂いをしているので抵抗なく飲めるだろう。


錬成した薬を持って戻る頃には、隔離されていない村人たちに綺麗薬が行き渡っていた。


騎士たちに連れられて隔離されていた人たちが元気になった姿を見せると、村人たちはみんな泣きはじめてしまった。

抱き合って「よかった」と涙している姿に、誰の胸にも温もりが灯る。


アユカがシャンツァイに体内濾過薬の説明をし、薬はクレソンから村長に渡っている。


ん? なんかおかしくない?

なんで隔離されてたんは子供ばっかりなん?

そもそも、感染源はどこからなんやろ?

治すことばっか気にしてて、頭から抜け落ちてたわ。


「村長。教えてほしいんだが、この子たちは何かみんなと違う行動をしたのか?」


おお! シャンが、うちが聞きたかったことを聞いてくれた!

シャンは気づいてたけど、先に治療をってことやってんやろな。さすがやわ。


記憶を辿るように考えていた村長が、小さく首を横に振った。


「私には心当たりがございません。商人は子供たちとというより、大人たちとよく話していましたし」


「そうか。では、1人が発症してから2人目が発症するまでの期間等について、色々聞きたい」


「かしこまりました」


「なぁなぁ、シャン。心配事はまだあるけど、まずは宴会にしようよ。もう1日滞在して、明日ゆっくりと話し合えばいいんやし」


「そうだな。久しぶりに村人全員が集まれた夜だしな」


用意してくれていた料理は冷めてしまっていたが、喜びに満ち溢れている宴会では不思議と温かく感じたのだった。




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