表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/209

154

本日の活動も終わり、食堂で騎士たちと夕食を食べ、アユカの部屋で会議となった。

今日は、はじめから王宮と通信石で繋がっている状態だ。


「アユ、疲れてないか?」


「ちょっとしんどいけど大丈夫やよ」


「無理はするなよ」


「うん、重傷者は全員治せたから、明日からはのんびり治すわ」


「そうか。ありがとうな」


通信水晶で繋がっている先には、シャンツァイ・モナルダ・クレソン・リンデンがいる。

シャンツァイ以外の3人とも軽く挨拶を交わした。


アユカの部屋には昨日と同じで、グレコマ・エルダー・ボリジがいる。

グレコマが盗聴防止を作動させてから、本格的に会議は始まった。


アユカは今日見たこと聞いたことを話すと、小さな息が聞こえたり、悩むように唸った声が聞こえたりした。


「やはり水飲み場だったのですね」


「うん。魔力流すところに魔法陣やわ」


「魔石を付けるとバレるから、魔力の補充にはもってこいなのか」


「元々、魔力が必要な設備ですからね」


「できるだけ早く対処しねぇとな。飲み水場は封鎖できねぇから、アユには悪いが毎日祓ってやってほしい。魔法陣を消すのか、水飲み場の設備を交換するのか、早急に決めるようにする」


「うん、分かった。任せて」


「憎悪に関してはアユのおかげで解決するが、問題は謎の組織だな。女の子が見たという男は、シリールルの商人と同一だろう」


「ええ、傷だらけの男ですからね」


「まだその街にいて身を潜めているのか、それとも仲間に任せて移動したのか……ボリジ、騎士たちから何か報告はあったか?」


「アユカ様のおかげで治った者や穏やかになった者でしょうね。その者たちが作業を手伝ってくれるようになった、という平和な報告くらいしかありませんでした」


「反逆に加担している騎士の行動は?」


「怪しい動きは見せなかったようです。しかし、1点不可解な点があるそうです」


「なんだ?」


「アユカ様の薬を使用しないそうです」


「どういうこと?」


「我々第3部隊は、道中でアユカ様が自ら作られたものをいただいて持っています。その騎士は、今日捜索活動中に手を怪我したそうなんですよ。それで傷薬を貸そうとしたらしいんですが、受け取る手前で手を引っ込めたそうです。『自分で持っていたのを思い出した』と言ったらしいんですが、確実に顔色が悪かったとのことです」


「1塗りするだけなんだから、目の前にある薬を使えばいいのに、わざわざ自分の薬を使ったということか」


「そういう人間もいるでしょうから、そこまで怪しい行動ではありませんが、何か引っかかるとのことでした。

それと、竜笛が流れている間は距離を取ろうとするそうです。まるで話しかけられないようにと」


「……竜笛中に話しかけられたくない理由か」


「めっちゃうちの竜笛が好きで、集中して聴きたいんやわ」


ええー! さっきまでポンポン会話してたのに、誰も何も言ってくれへんとかある?


「反逆を起こしたいとか、アユカを殺したいとか思ってるのに、竜笛だけ好きっておかしいっす」


あ、エルダーがツッコミちゃうけど意見くれた。よかった。

自惚れ野郎になるところやった。


「……アユ、その騎士の魔法属性分かったりするか?」


「分かるよ」


ボリジ以外が「やっぱり分かるのか」と冷静に納得し、ボリジだけが「そこまでとは……」と唾を飲み込んでいた。


「風魔法やで。でも、強くはないよ」


「属性が分かれば十分だ。ボリジにグレコマ、音を遮ることは可能だよな?」


「はい、可能だと思います」


ボリジが、グレコマと視線を合わせた後、しっかりと答えている。


「どうしてかは分からねぇが、竜笛を聴かないようにしているんだろう。音を遮っているんだ。話しかけられても応えられない。それを誤魔化しているんだろうよ」


シャンって、頭の回転良すぎるわー。


竜笛を聴きたくない理由か……何があるんやろ?

竜笛で攻撃できるわけちゃうやん。

瘴気やら悪意やら憎悪やら祓えるだけでさ。


まぁ、物理的に殴ったら攻撃できるけど。


ただ単に嫌いなんかな?

みんなが褒め称えてる音を好きちゃうって言うと、非難されるやろうしな。

やから、バレへんようにっていう、その線もあるよなぁ。


ってかさ、すっごい今更やけど、魔物も竜笛で消せるんかな?

魔物が魔力の塊って表示されたことないけど、発生する過程は瘴気と一緒ってことらしいからな。

1回吹いてみてもいいかもな。


「元に戻られるようです」


ん? なにが?


「アユ、あまり無理するなよ。ピンクの実については、こっちでも調べるからな」


「うん、分かった。シャンも無理したらあかんで」


「ああ、また明日な」


通信を切った後に、明日はアユカが竜笛を吹いている時に例の騎士に話しかけて確かめてみるということが決まったと、グレコマが教えてくれた。


アユカはアユカで、そろそろ薬草を集めたいことと、魔物に対して竜笛を吹いてみたいことを話した。


魔物に対しての実験は横に置いといて、薬草は絶対に必要なことだからと、明日は午後から森に行くことになった。


重傷者は治しているし、後はポーションじゃなくても問題なさそうだから、街の人たちも何も言わないだろうとのことだった。




本日は、3話投稿します。

12時に155話、13時に156話になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ