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次の日の朝、グレコマに起こされたアユカは、ボリジからシャンツァイとモナルダの話を教えてもらった。


住民たちの憎悪については、フォーンシヴィと同じで飲み水だろうということ。

数ヶ所に設置されている、飲み水場の可能性が高いんじゃないかということだった。


飲み水場というのは、名前の通り、コップなどに飲み水を入れられる場所だ。

そして、必ずセットで、大きな桶などに水を入れられる設備がある。

そこじゃないかということらしい。


マジで!? 2人とも街に来てへんのに、その発想になるってすごない?

ってか、そんな所あることを今知ったわ。

でも、そうやんな。王宮や街で水を運んでる人、見かけたことないもんな。


騎士に紛れ込んでいる裏切り者に関しては、監視をつけることになったそうだ。

監視といっても影からとかではなく、何があってもいいように3人1組のバディを組んで行動するようにさせるとのこと。


シャンツァイの考えでは、住民が暴動を起こした時に、その騎士に住民を攻撃させて開戦させたいんだろうとのことだった。

そうなった際、騎士を防御に徹しさせるためには、理性を奪うことはできない。

でなければ、呆気なく騎士が勝ってしまう可能性がある。

憎悪を纏わりつかせてはいけないから、忍び込ませる形をとったんだろう。


もしくは、内側からアユカの毒殺か誘拐を試みるかもしれないとのことだそうだ。

モナルダも同意見とのことだ。


ほえー。王様の頭の回転すごいわー。

なるほどなぁ。反乱を起こさせるキッカケが必要ってことか。

勉強になるわ。


魔物の異常行動については、まだ予想できることさえない。

街の中で奇妙なものがあれば、回収をしておくようにとのことだそうだ。


おかしいもんは『アプザル』に引っかかるはずやからね。

早いとこ怪我人治して、うちも崩れた方に行ったりせーなやわ。

次の行動を起こさせる前に摘み取らなね。


「それと、伝言を承っております。『絶対に無茶をするな』とのことです」


ええ!? 一体いつ、うちが無茶したよ。

シャンまでひどいわー。


これはもう早く解決して、面と向かって文句言わなやわ。

「会いたいから帰ってきた」やなくて、「文句言うために帰ってきた」って拗ねるねん。


んで、後で「本当は会いたかった」って言えば、ラブラブ度増すんちゃう?

ほら、可愛く拗ねることは大切やって言ってたやん。


ふふん。これで、うちも恋愛上級者に昇進やわ。完璧な計画すぎる。


アユカは、全く場違いなことを考えてニヤけている。

シャンツァイは、いつも元気なアユカが疲れて眠っているということに、初日から頑張りすぎだと心配をしたのだ。

それ故の伝言だった。


当の本人だけに伝わらないのは悲しいことだが、妄想をして元気になっている姿を見るに、効果はある言葉なのだろうとボリジは思っていた。


朝食時に、まだ会っていなかった騎士たちに会えたアユカは、忘れずに『アプザル』をした。


昨夜同様に騎士たちから「来てくださってありがとうございます」と歓迎してもらい、アユカたちは労いの言葉を返している。


雑談程度にだったが、昨日は喧嘩もなく静かな夜だったと、アユカが来てくれたから住民は安心したんだろうと話をされた。




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