ダンジョン探索④・真也先生の魔物クッキング!!
何時間ほど眠っていただろうか、目を覚めると、真也が隣で、眠っていた。
「……あれ?」
私はゆっくりと立ち上がると違和感に気づく。
折れていた肋と肘が治っていたのだ。
よく見ると傷跡はあるが…できるとしたら、真也ぐらいだろう。
「お、起きたか」
「真也……」
「傷も大丈夫そうだな、よし、食事にするか」
「どうやって、治したのか聞きたいところだけど…なぜ食事?」
「それは君が倒した魔物で料理するためだ!!魔物の肉なんて初めて食べるから、楽しみだな」
「わ、忘れてた…」
そうだ、わたしたちって今、食糧問題に陥っていたんだ。
魔物を殺すことに集中しすぎて、完全に趣旨が抜けていた。
「と!!いうわけで〜〜〜真也先生の魔物クッキング!!!!」
「何、3分クッキング見たなテンション…」
「ふふふ、料理に一番必要なのは、テンションだ!!!!」
「あ〜〜〜」
「なんだよ、テンションが低いぞ」
「いや、なんかもう、ツッコムのも疲れるから、さっさと作っちゃって」
「あ、はい」
料理開始から1時間後、料理は完成した。
「ただ、焼いただけじゃない…」
「ふふふ、ただ焼いただけ、その感想……食べたら、ひっくり返ることだろう」
1時間かけて、作った料理が肉を焼いただけ、しかし、お腹が空いているからか、美味しそうに見えた。
私は恐る恐る、魔物の肉を口にする。
「え…」
私の意識が一瞬、飛んだ。
溢れ出る肉汁もさることながら、肉の味がしっかりとしまっていて、食べ応えがあり、何より味付けの塩がベストマッチ…うまい。
「うまいだろう…こう見えても味には厳しくてね、魔物の肉を使った料理は初めてだから、美味しく作れるか不安だったけど、大丈夫そうだな」
「う…なんか、ムカつく」
「なっ!?せっかく作ったのに、それはないだろう」
「真也が作ったかと、思うとより……」
「アルカディアって本当に辛辣だな、まぁいいけど、あと心配なのが食べた後の症状だな…まぁ食べなきゃどうせ死ぬ…今は後先考えずに食え食え!!」
こうして私たちは一瞬で魔物の肉を食べきった。
「もう、食べれない」
「いや〜〜うまかったな」
魔物の肉を全て食べ切った二人は満足な顔で腹をたたいた。
「今の所、魔物の気配がないのはなんか不自然ね」
「おそらく、倒した魔物がここ一体をナワバリにしていたんだろう、だから魔物が近づいてこない、とはいえ、ある程度時間が経てば、いないとわかって、魔物がぞろぞろ近寄ってくると思うが…」
「なるほどね、じゃあ、その前には移動しないと…」
「そうだな…」
私は聞こうと思ったが、なぜか少しだけ後ろめたさがあった。
なぜかと理由を聞かれれば、自分自身も全くわからない。
けど、聞けなかった。
そのまま時が過ぎ、場所を移動した。
「よし、ここならさっきみたいな魔物はいなだろうし、特訓にも打ってつけだな」
「かなり遠くまで来たね」
「安心しろ、さっきまでの道のりはしっかりと覚えているからな、さぁ、食糧確保と同時並行での特訓開始だ!!!」
「お、お〜〜〜」
魔物の肉を食べたものの、特に体への異常はなかった。
運がいいのか、むしろ少しだけ調子がよかった。
気がつけば、魔物達がこちらに向かってきている。
感覚はあの時、戦った魔物と同じ感覚……あの時の感覚を再現するんだ。
今の私の感情を理解しろ…私は今、何を感じているのか……。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
私はなんの苦戦することなく、魔物を倒し続けた。
もう、小型の魔物であれば、無傷で殺すことができるところまで……成長していた。
「はぁはぁはぁ…ふぅ〜〜」
慣れてきたのか、スキルを安定して効力を発揮できるようになってきた。
「だいぶ、強くなったな、これなら、お前が苦戦した魔物も余裕で殺せそうだな」
「それは…そうかも」
最初は否定しそうになったが、実際そうだと思う。
このスキルの効力を上げると身体能力だけでなく、感覚や聴覚、視力も良くなっている気がしている。
そのおかげか、すぐに魔物の動きを捉えることができているため、相手より早く動くことができる。
あの苦戦した魔物も、動きが見えなかったことが苦戦した原因だった。
とはいえ、そうやって油断すれば、大きな傷を負うことになりかねない。
「まぁ、見た感じ、スキルの使い方には慣れきた感じだし、自信を持っておけ、自信がない奴はすぐに死ぬ…覚えておけ」
「わかってるよ、真也…そんなことぐらい」
「なら、戻るか…ここ一帯はもう、魔物の気配がないし…」
「わかった……」
真也が少しだけ冷静になっている気がした。
もちろん、しっかりと煽ってくるし、ふざけたりもする、けどたまに見せる真剣な顔つきに少しだけ違和感を覚えた。
私たちは一度、落ちてきた場所まで戻って来た。
不思議なことにその道中は全く、不自然なほどに魔物と出くわすことがなかった。
「おかしい……」
「何がだ?」
「魔物と全く出会わなかったことがよ…真也だって感じたでしょう?」
「そりゃ〜そうだが、ここはダンジョンだぞ、何が起こったって不思議じゃない、いちいちそんな小さいこと気にしてたら、身がもたないぞ…」
「なっ!?、私はただ警戒したほうがいいじゃないかって思っただけ…」
「そうやって緊張しているといざ、魔物と戦う時に、本領を発揮できないぞと俺は言ってるんだよ…」
その返答に一理あると思った。
この状況の中、ミス一つで死に至ることなんてザラだろう。
だから、できる限り、余裕を持っていたほうが、対象もしやすい。
「おっ、やっぱりあったな…」
「何か見つけたの?」
何やらずっと壁を触っていると思ったら、何かを探していたらしい。
「みろよ、これ……」
真也が指差す方に、目を向けるとそこには、小さな窪みがあった。
「何これ?」
「おそらく、これを押すと……」
真也が窪みがあるところに手を深く押し当てると…ごごごごっと音が鳴り響く。
「なっ!?何!!」
「やっぱり、ダンジョンといえば、これだよな」
すると目の前の壁が持ち上がり、一つの通路が姿を現した。
「隠し通路?」
「そう、ダンジョンといえば、やはり隠し通路だろう…よし、行くぞ!!」
「本当に行って大丈夫なの?」
「何言っているんだよ、これはロマンだ、さぁお宝の山へ!!!」
完全にお金に眩んだ目になっている真也。
テンション高く、隠し通路に堂々と足を踏み入れる。
「はぁ〜〜どうなっても知らないよ」
こうして私は隠し通路へと足を踏み出した。
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