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アデル・オブ・シリウス ―原死の少女 天狼の騎士―  作者: うづき
13章 第2次星壊戦争

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13-51 戦局を変える男たち



 エルガーは、左眼にかけていた金のモノクルへ、両手の指を添える。

 すると、左眼を中心に赤い光の十字が形成され、輝き出す。

 それこそが所有している、5つ目の聖遺物(イノセンス)


「――――“静寂の十字(サイレントクロス)”」


 呪文のように、そう言う。


 突如として、サイラスの周囲から音が消えた。

 ビルの間を吹く風が止まり、周囲を漂う粉塵が消え去る。


「……?」


 剣聖は何かに気が付き、表情を引き()らせる。

 その僅かな変化を見逃さず、エルガーは悠々と語ってやった。


「帝国史以前。考古学者の説によれば、およそ11万年前だ。アークには、レヴァンズ皇王と呼ばれる、虐殺王の時代があった。彼の王は、民の幸福など気にもせず、ただ世にある美を追究することに熱心だったという。やがて永年の探究の結果、彼の王が辿り着いた究極の美とは“静寂”だった。美とは常に、眼球に映る景色から得られるもの。美しい一瞬を切り取り、閉じ込めることができれば、永遠の美の中に、自らを留めることができる。そうして生み出されたのが、この聖遺物(イノセンス)だ」


「……」


「このモノクルに両手で触れて覗き込んでいる時。視界の中に映る、あらゆるものを“静止”させることができる。私が望んだものを、望む時間だけな」


「……」


「もはや語ることもできまい、剣聖。貴殿はすでに我が術中――――()()()()()()()()()()()()()()


 先程から、サイラスは顔色を悪くしている。指先1つさえ、自分の意思で動かすことができなくなっているからだ。まるで身体の操縦権を、何者かに奪われてしまったような異物感。エルガーのタネ明かしを信じるのなら、エルガーにモノクルで覗き込まれている限り、サイラスは身体の自由を奪われてしまったことになる。


 エルガーは、両手でモノクルに触れたまま、瞬きをせずに剣聖を見つめ続ける。そうすることで、剣聖の自由を封じ続けているのだ。身動きできない獲物を狩ることなど、誰にでも容易いだろう。トドメをさすべく、エルガーの背後の空間には、光の輪が無数に生じた。


 光線で焼き貫くつもりなのだ。


「落ちろ」


 複数の光線を束ね、収束させた大光線。それを練り上げ、エルガーは渾身の魔術攻撃をサイラスへ放つ。為す術もなく、サイラスはその眩い光の塊を、真正面から浴びせかけられた。


 当然、直撃。


 口を動かすことさえ許されない剣聖は、悲鳴を上げることもできず、光の奔流に飲まれてしまう。ビルの壁面ごと焼き溶かし、貫く威力の光線を受けては、肉体など跡形も残らず消滅してしまうだろう。致命的な一撃を全身に浴び、その姿は光の中に掻き消えた。


「……!」


 エルガーの眉が、驚きに歪む。


 光線が勢いを緩め、解けて消えていく。

 その中から、健在な剣聖のシルエットが見えたのである。

 いまだに肉体の原型を留め、しかも佇んでいるというのは想定外である。


 サイラスは全身から煙りを燻らせ、肉が焦げる匂いを発していた。着ていた衣服は焼失しているものの、その下に着込んでいた、スウェットスーツのような漆黒のボディアーマが、サイラスの身体を光線から守り抜いた様子だった。剥き出しだった頭部や手先は、軽く(すす)ける軽度の火傷を負っている様子だったが、致命傷ではない。


 強烈なエルガーの一撃を受け終えた剣聖は、(ほお)(はし)を吊り上げ、楽しそうに笑んでいた。


「バカな……!」


 想定外の事態に動揺し、思わずエルガーが(まばた)きをしてしまった直後、聖遺物(イノセンス)の拘束効果が途切れ、一瞬だけ、サイラスは身体の自由を取り戻す。その一瞬さえあれば、サイラスがエルガーの視界の中から逃れるのは簡単だった。即座に姿を消してしまう。


「――――試作型、反魔術内鎧(アンチマジックアーマ)だよ」


「!」


 エルガーの隙を逃さず、瞬間的に距離を詰め終えていた剣聖が、(ささや)く声が聞こえた。首筋をめがけて迫る刃を、エルガーは咄嗟に拾い上げたステッキで受け止める。サイラスの不意打ちをかろうじて(しの)ぐと、慌てて後退し、距離を空ける。


 逃げるように遠ざかったエルガーを追撃せず、サイラスはニヤけながら言った。


「クク。視界に映る者の動きを完全停止される聖遺物(イノセンス)か。今のは身動きを封じられ、さすがの私も冷や汗をかいた。恐るべき強力な威力ではあっても、どうやら制約は多い様子。両手を使わなければ効力を発揮せず、(まばた)きをすれば、相手の拘束が解けてしまうらしい」


 忌々しそうに睨み付けてくるエルガー。

 必殺と考えていた攻撃を生き延びられ、計算が狂っているのだろう。

 それまで冷淡だった表情に、僅かな汗と苛立ちが覗えていた。

 その態度に愉悦を感じ、サイラスは続けた。


「魔術の効力とは、現象理論(プログラム)によって制御された物理現象。ただの物理現象に対してなら、反魔術(アンチマジック)の効力は及ばないが、現象理論(プログラム)によって御された、不自然の物理現象であれば、その現象理論(プログラム)を破壊することで霧散させることができる。貴殿の聖遺物(イノセンス)は、理外の力を有するとは言え、根幹の部分は魔術の一種に違いない。これが私の“魔帝対策”」


「……魔術を殺す刃のみならず、魔術を殺す鎧を着込んでいたか。用意周到なことだ。だが、ダメージがなかったわけではなさそうだな。私の一撃を受ける前と比べ、攻撃速度が落ちているぞ。対して、こちらには損失がない。おかげで、今の攻撃は避けるのに苦労がなかった」


「たしかに。貴殿の必殺の攻撃。この肉の身に(こた)えていないと言えばウソになる」


 痛みに震えている手のひらを見下ろし、剣聖はこの上ない狂喜の笑みを浮かべた。


「だからこその愉悦(ゆえつ)! 命の危機を感じる時ほど、生の実感を得られる瞬間はない! 私に久しく感じさせて欲しい――――恐怖に打ち勝った時の、あの“達成感”を!」


「狂った英雄だ」


 赤い刀を手に、サイラスは駆ける。エルガーに再び静寂の十字(サイレントクロス)を使わせないため、なるべく相手の視界に入らないルートを選び、モノクルに触れる時間を与えないようにする。先程よりも勢いを増して、サイラスは怒濤の連撃を繰り出し、エルガーを防御一辺倒へ追い込んでいった。


 エルガーの手にしているステッキの破壊力は驚異であり、一撃でも受けてしまえば、即座に身体がバラバラに吹き飛ばされてしまうだろう。しかしサイラスは、もはやそれを恐れることもなく、紙一重でステッキの打撃を避けながら、間隙を縫うように斬り付けてくる。達人である剣聖が、回避行動を少なくして手数を増やしたのであっては、近接戦の素人であるエルガーでは対処しきれない。猛攻を(さば)ききれない。身体の各所が少しずつ斬り付けられていき、避けたスーツのスリットから、血しぶきを散らす。


「くっ……!」


「身体能力で私と戦おうとすれば、貴殿の不利! 私を殺したければ、頭をつかうことだ! どうした! おされているぞ! もっと工夫しろ! 私に、まだ見たこともない殺しのアイディアを見せてみろ!」


「よかろう!」


 エルガーは、ステッキで足下を叩く。直後、粉砕されたアスファルトの粉塵が周囲を覆い、視界を途絶させる。敵の姿を見失ったサイラスだったが、気配をたぐれば、ゼロ視界の中でもエルガーの位置はわかる。だが、視界を失った瞬間、僅かな間だけ、エルガーへの攻撃の手が緩んでしまった。


 その(すき)を見逃していない。


 サイラスの背後に回り込んだエルガーは、すでにモノクルへ両手を触れている。サイラスが煙を斬り払ったのと同時、互いの姿が見えた瞬間、静寂の十字(サイレントクロス)の効力が発動する。


 周囲を漂う粉塵ごと、剣聖の動きは、エルガーの視界の中で止められた。


「ダメージがあったのなら、何度でも浴びせ続けるまでよ!」


 エルガーが生じさせた光の輪の中から、無数の光線が(ほとばし)る。それが容赦なく、身動きの取れないサイラスへ襲いかかり、浴びせかけられた。幾重にも塗り重ねるようにして、エルガーは剣聖めがけ、何度となく光線を撃ち放つ。眩い光の塊と化し、それに飲まれたサイラスの姿は見えなくなった。


 ――――殺した。


 その手応えを感じ、エルガーは思わず不敵な笑みをこぼした。


 相手が生きる伝説、剣聖と言えど。どれほど強靱に鍛えられていたとしても。身動きがとれない状態では、その力を発揮することなど不可能である。足を止めてからの、光線による攻撃は、エルガーにとって必殺のパターン。1度目のダメージを負ったまま、2度目に耐えられるとは思えない。


「やったか……?」


 瞬きと共に静寂の十字(サイレントクロス)の効力が切れて、静止していた粉塵が、再び周囲を覆う。想定通りに殺せたのであれば今頃、サイラスは消し炭のような亡骸になって燃え尽きている。炭化した人型のオブジェクトが、煙の向こうに佇んでいるはずだろう。だがまた、そうでなかったとしたら……。エルガーは念のため、サイラスの反撃に備えてステッキを拾い上げる。そうして周囲に、敵の気配を探った。


 間もなく、立ちこめていた粉塵が晴れていく。

 その煙の向こうに、エルガーは奇妙なものを見つけ、思わず眉をひそめた。


 ――――剣聖は生き延びていた。


 炭化することもなく。光線による、さらなるダメージを負っているわけでもなく。姿が見えなくなる前と変わらない、五体満足な姿だった。だがその表情は、エルガーと同じ疑問を浮かべていた。


「……誰だ?」


 エルガーとサイラスの中間。

 光線の射線状だった場所に、見知らぬ男が1人、現れていたのだ。

 

 騎士鎧(ナイトアーマ)で身を包んでいる。薄らと発光する、白色の鎧装。その背後からは、スラスター噴射のように、青白い光の帯が放射されており、輝くマントを羽織っているようにも見えた。顔を(おお)い隠しているのは、狼の顔に見える、サイバネティックなデザインの鎧兜だ。白銀の剣を手にしている。


「……狼の騎士? 何者なのだ……?」


「まさか……剣聖を(かば)って、私の光線の直撃を受けたのか……?」


 サイラスの前衛に立つような位置取り。今しがたまで光線が迸っていた射線状に佇んでおり、その全身からは白煙を立ち上らせている。おそらく、高熱を浴びていた影響だろう。それでも、身に纏っている白色の鎧には溶解の痕がなく、熱を蓄積している様子さえ見受けられない。光線が効かなかったかのようだ。


 突如として現れた謎の男。

 狼の騎士。

 その頭部を覆っていた鎧兜が、発光と共に焼失した。

 現れた素顔は、白髪の少年だった。


 見知った顔が覗いたことに、サイラスは驚嘆の声を漏らしてしまう。


「まさか…………雨宮ケイなのか……!?」


 その名を耳にしたエルガーも、思い出した。


「……アルトローゼ王国の、死の騎士? イリアの学友だった、あの男か」


 剣聖と魔帝の両名は、まず、あり得ないと感じた。


 ここはエレンディア領。ベルセリア帝国との最前線になっている都市だ。アルトローゼ王国からは遠く離れた地である。しかもその、アルトローゼ王国の守りの(かなめ)である戦略的重要人物が、本国を離れて現れる理由など、皆目、見当がつかない。敵国同士の戦争地帯に単身でいるなど、まるで理にかなっていない状況なのだ。


「なぜ貴様がここにいるのだ、雨宮ケイ」


「……」


 ケイは何も答えない。


 その背後で剣聖は、ケイに気を取られているエルガーの隙を突いて、攻撃を仕掛けるべく動き出そうとしていた。だがその動きを制止するようにして、どこからともなく投げナイフが放たれてきた。それを難なく斬り払い、サイラスは気勢を削いできた男の姿を、ビルの裏路地に見つける。


「…………どうなっている。今度は、()()か?」


「ケイの話が終わっていないのに、殺し合いに戻ろうなんて、行儀が悪いですよ。サイラス指揮官殿?」


 ブラウンの髪の美青年が、皮肉っぽく自軍の大将を嘲笑う。翡翠(ひすい)色の瞳。ピアスをした、美形の青年だ。軽装鎧(ライトアーマ)姿で、いつしかの、勇者のトレードマークであるマントを羽織っていた。その背後には、勇者パーティーとして高名な、2人の仲間も見受けられた。


 雨宮ケイに続いて現れた、敵軍であるベルセリア帝国の騎士。その登場を油断なく睨み付けながら、エルガーは口を開いた。


「貴様は……クリス・レインバラード……」


「お久しぶりですね、義兄(おにい)さん。イリアとの結婚式以来ですか? 相も変わらず、愛想のない、ツンケンしたご様子で」


「剣聖は、そちらの軍の大将であろう。それに対してナイフ攻撃だと? 寝返りか? しかも雨宮ケイの登場といい、いったい何がどうなっている」


 エルガーが困惑しているのと同じように、サイラスも状況を把握しきれていなかった。だが、面白くなってきたことだけは予感できている。


「クク。勇者、剣聖、魔帝。そして特異点。アークでも屈指の強者が、この最前線で1度に遭遇か」


「敵軍の勇者が、この場に現れるのは、まだ理解できる。だがアルトローゼ王国の死の騎士が、母国から遠く離れた、このような戦場に現れるとは……。何用かは知らないが、わざわざ殺されにきたと見える」


 全員の視線が、ケイへ向けられた。

 そのタイミングで、ずっと黙っていたケイが口を開いた。


「オレは――――アルテミアが始めた、()()()()()()()()()()


「……?」


「だからまず、この場でのアンタたちの争いを、止めさせてもらうつもりだ」


 あまりに突拍子のない考えを耳にし、エルガーとサイラスは言葉を失ってしまう。


 何を語るのかと思えば、脳内が花畑のような、平和論を唱え始めようとでもいうのか。死の騎士と恐れられる少年の、あまりにもバカバカしい発言に、両雄は唖然としてしまう。


「もったいぶって何を口にするかと思えば、貴様……戦争を止めるだと?」


 稚拙な発言に対して、エルガーは露骨に苛立った態度で続けた。


「およそ人の身1つで、抗いようのないアークに渦巻く欲望と憎しみの渦を、どうにかできるとでも思っているのか? 死の騎士がイリアと同じ歳だとは聞いていたが……そんな下らない花畑論を語りにきたのか。ずいぶんと青臭い、甘っちょろいことを口にする。身の程を知らぬ愚かとは。そんなことが、ただの個人レベルで、できるわけがないだろう」


「どうかな。この大戦の火を点けたのは、アルテミアという、ただの個人だったろ」


「貴様の子供じみた言葉遊びに付き合うつもりはない。私は残酷な現実を言っているのだ。大人の世界は、子供の思い描くような、簡単な構造にはなっていない」


「この場で平和を説こうなど、ずいぶんと水を差してくれるものだな、雨宮ケイ。君の腕前は評価しているが、この場でそのような児戯を口にするとは……少々、失望だ」


 剣聖と魔帝は、ケイを侮蔑し始めていた。つい今まで殺し合っていた2人の間に割って入り、互いに手を取り合えとでも言うのだろうか。甘ったれたケイの考えを、鼻で笑い飛ばしている。


 だが、そんな馬鹿にされているケイの意見に、勇者が賛同した。


「忘れてもらったら困るな。この戦争を止めようとしているのは、雨宮ケイの1人だけじゃない。ここにいる俺と、俺の友たちも、みんな同じ想いで立っているんだ」


「……なんだと?」


 勇者パーティーは笑いもせず、真剣な表情をしていた。

 ケイも同様で、冗談で言っているのではなく、本気なのだと視線で物語る。


「聞けよ、義兄(おにい)さん。この戦争の裏には、アルテミアの他に暗躍している巨悪がいる」


「巨悪だと?」


「そいつは今、人間同士が、この大戦で殺し合うのを高見の見物している。戦争が終われば俺たちへの興味を失い、やがて生き残ったアークの全人類を消し去って、世界を造りなおす腹づもりらしい」


「なんの話だ、それは。天地創造を行うなど……まるで神でもいるような口ぶりではないか」


「実際にいたんだよ、その“神様”って呼べるようなヤツが」


「……」


「こんなところで、アルテミアとエレンディアの、くだらない領地の陣取り合戦なんかやっている暇はないんだ。人類は団結しなければ、神を相手に戦えない」


 剣聖と魔帝は、再び言葉を失う。


 まだ子供である雨宮ケイとは違い、クリスは大人である。若輩者であることに違いはないが、それでも世間から寄せられる信頼の大きさは、雨宮ケイ以上である。若くとも、その行いに理念と分別があるからこそ、人々から勇者と呼ばれ、尊敬されているのだ。


 そんな男が口にするとは思えない。

 陰謀論のように聞こえる、耳を疑う発言である。


「まさか、このような若造の世迷いごとに、勇者ともあろう者が(ほだ)されたと言うのか、クリス・レインバラード」


 エルガーから皮肉を返されたクリスは、苦笑する。

 その反応は想定内だったのだろう。

 話を信じてもらえずとも、苛立った様子はない。


 クリスに続いて、ケイが再び口を開いた。


「この世は弱肉強食。暴力を抑え込むのなら、さらに強い暴力でねじ伏せ、従わせる。アルテミアの理念は、最強の暴力を振るえる者が、全人類を従わせるんだったな?」


 黙り込んでいるサイラスへ視線を送りながら、ケイは淡々とした口調で続けた。


「最初から、あんたたちを話し合いで説得できるなんて思っていない。こんな陰謀論じみた話、あんたたちじゃなくたって、簡単に信じられないだろう。だから、言葉で説得することはやめだ。まずはアルテミアの流儀に(のっと)ったやり方で、戦いをやめさせてやる。言ってわからないのなら、叩き伏せて黙らせる。その後で言い聞かせよう。オレは――――あんたたちを力尽くでねじ伏せにきたんだ」


 ケイは、手にしていた白銀の剣を握り直す。

 交戦の意思を示すケイに続いて、勇者パーティーも戦闘態勢に入った様子だった。


「俺たち、勇者パーティーと雨宮ケイはチームだ。なら、そっちは剣聖と魔帝のチームを組んでも構わないぜ? タッグマッチといこうか」


 その提案を聞いた剣聖はニヤけ、魔帝は苛立った顔をする。

 アークで最強格の2人を敵に回しながら、ケイは宣告した。


「オレたちが戦うべき本当の敵は、この大戦の中にはいない。剣聖、魔帝。オレが勝ったら、あんたたちにも、これに付き合ってもらうぞ」








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