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13-33 破綻



 管制司令委員会――――。


 地球を離れて宇宙を航行中の人工惑星アーク。その運航と航路決定という重責のみならず、惑星内の環境維持や管理、統治や法整備を担う政府機関である。その委員は総勢300人。アークで暮らす40億人を代表する、エリート中のエリートたちである。


 司令府の審問会議室に呼び出されたヴィトスは、中央に置かれた審問席に腰掛けていた。その周囲を取り囲むように配置された円卓の席には、ホログラム表示された委員たちが鎮座している。アークの重鎮たちに注目されていると、まるで四方から集中砲火を受けているような気分にさせられた。


「公害……?」


 今したが、委員長から言われた事態を飲み込めず、ヴィトスは尋ねてしまう。

 まったくもって想定外の事実を突きつけられ、心は動揺していた。

 顔色の悪いヴィトスに対して、委員長は淡々と説明を続けた。


「コアプログラム・アンデレ。君が言う純化の子供(フラワーチャイルド)の1人だ。それが考案し、5年前から実用化された、水資源管理装置だが。その装置のエネルギー源として使用されるマナカートリッジから、有毒なマナ残留物の漏出が検出された。それらが水源に溶け込み、人々の飲み水として使用されてしまった。その結果として、水質汚染による公害が発生している。近隣の都市で、深刻な健康被害をもたらしてしまったのだよ」


 委員長は、ヴィトスの目の前にホログラムのデータファイルを展開させた。そこには目を覆いたくなるような、皮膚がただれて苦しむ、悲惨な住人たちの写真が映し出された。


「さらに言えば、そのマナカートリッジを考案して実用化したのは、別のコアプログラム・マティアだ。現在、司令府は調査委員会を発足し、水資源管理局の管理上の問題であったのか、カートリッジの設計の問題だったのかを確認中だ。状況からすれば、おそらく後者の可能性が濃厚だが、いずれにせよ原因の一端に、純化の子供(フラワーチャイルド)たちが関わっていることは間違いない。こうなってくると、イノセンス計画の責任者である君にも、後ほど然るべき通達がいくことになるだろう。残念だよ」


「そんなバカな……!」


 ヴィトスは納得がいかず、食い下がった。


「人体に有害なマナ残留物が発生する可能性がないか、そんなこと、マティアは想定済みでした! カートリッジの開発段階で、入念に試験して検証済みだったんです! 証拠の試験データだって提出できる! カートリッジの設計の問題ではなく、おそらく製造物が設計通りに作られていなかった可能性があります!」


「だが事実として、カートリッジから漏出した有害物質が、公害の原因として報告されている。いかに入念な試験を行っていたとしても、この結果を食い止められなかったことについては、責任を負わなければならない」


「くっ……!」


「報告書には、漏出の証拠データも揃っているのだ。見たまえ」


 新たなホログラムを、委員長はヴィトスの前に提示する。それに目を落として、少し読んだだけでも、ヴィトスはそのおかしな点に気が付いた。


「違う……! マティアの試験データと、まるで類似しない値だ。このデータは、何者かによって捏造されている可能性がありますよ、委員長! そもそも、カートリッジからの有害物の漏出という話も、何者かの工作である可能性だってあるでしょう! この5年間、水質管理装置は問題なく稼働を続けてこられたではありませんか!」


「ほう。では、その証拠を今ここで示せるのかね」


「そ、それは! 今すぐには無理ですが、時間をいただければ……!」


「この場では証拠もなく、不用意な発言をしないことを勧める。それが身のためだ」


 委員長は勧告してきた。


「時間はないのだ、ヴィトスくん。現実に苦しんでいる人々が、すでに出ている。彼等が、君の子供たちに責任がないことを証明する時間を待ってくれると思うのか。彼等に今すぐ必要なのは、犯人捜しではなく、救済ではないのか」


「見苦しいぞ、ヴィトス。製造者の責任を負いたくなくて、逃げ回ろうと言うのか?」


「……!」


 別の委員が、口を挟んできた。

 すると、それまで黙って聞いていた他の委員たちも、口々にヴィトスを批難し始めた。


「すでにメディアには、純化の子供(フラワーチャイルド)のカートリッジ設計、及び管理に問題があったことが知られ、報道されてしまっているのだぞ。今さらもう、事実は隠しきれない」


「君が準備していた次の計画段階。純化の子供(フラワーチャイルド)たちに、“高位アクセス権”を有する新たな理想体(エヴァンテイン)を与えるプランだが、この状況では人々が納得するまい。我々、委員会としては、計画の許可を取り消さざるを得ない判断だ」


「それどころか人々からは、君のイノセンス計画の中止と、純化の子供(フラワーチャイルド)たちへの“厳罰”を求める声が上がっている」


「あの子たちに……罰を……?」


「かの子供たちは、正確には人ではないからな。その人権の所在は、今まで曖昧にしていたが、こうなってくれば話が変わる。人間として、人間の法の裁きを受けてもらうことになるかもしれない」


「いいえ。人工知能に対して、人の法が適用されないという司法判断があれば、最悪は“モノ”として処分するしかなくなるかもしれません。廃棄処分です」


「廃棄って……まさか、あの子たちを“殺す”つもりなのですか……?!」


 口にするのも恐ろしい言葉。

 ヴィトスの顔から、血の気が失せていく。


 委員会の面々は、どこか楽しそうに、純化の子供(フラワーチャイルド)たちの処分の話を始めていた。それらの態度を見ていて、ヴィトスは気が付いた。この会議室の誰もが、ヴィトスを追い詰めることに、愉悦を得ているのだ。


「……私は、はめられたのか……!」


 それを察し、小声で呟く。


 かつて、恩師から警告されていた話を思い出していた。

 ヴィトスの功績を妬み、憎み、陥れようと画策する者たちがいるのだと。

 表立って目に付かなかったそれらが今、こうして目の前に現れたのだろう。

 全身が怒りに打ち震えるのを、ヴィトスは賢明に堪えていた。


「フン。人類を凌駕する、高度な知性。人を導ける拡張知能が、聞いて呆れますね。いくら賢くとも、未来を予見することはできないということなのでしょうな。そうでなければ、こんな酷い失態など起こり得ないことだったでしょう」


純化の子供(フラワーチャイルド)たちは、たしかに人類よりも優れた知性を有しているのかもしれないが。しかし所詮は、神ではなかったということさ」


「人間と同じ。誤った思考、誤った判断を起こし得るという証左だ」


「ならば結局のところ、あれらは“ただの人間と変わらない”ということではないのか」


「イノセンス計画。それに意義があるのかどうかが、疑わしくなってくるものだな」


 委員長は、全員の意見を総じて結論を告げる。


「ヴィトスくん。君のイノセンス計画が造りだした、純化の子供(フラワーチャイルド)たちは、我々、人類社会にとって“害悪”であるのだと、委員会は判断したのだ。かの子供たちにも、然るべき処罰が下されることを、心しておくように」




 ◇◇◇




 委員会からの呼び出し後、ヴィトスは自身の研究室へ戻っていた。これからどうすれば良いのかを考えたくて、思考の整理をするため、自室へこもり始めたのだ。頭を抱え、溜息を漏らしながら、延々と何時間も考え込んだが……良い現状の打開策は思いつかなかった。


 ニュースを見れば、公害の被害者たちへのインタビュー映像が流れ、純化の子供(フラワーチャイルド)たちへの厳罰を求める実際の証言が次々と報じられている。見ていられずに番組の視聴をやめれば、室内の静寂が息苦しさを与えてくる。


 気が付けば外の景色は暗くなり、夜になってしまっていた。

 明かりも点けず、ヴィトスは暗い室内で項垂(うなだ)れ続けている。


 子供たちの処分を求める世論の声と、委員会の思惑。

 そこから子供たちを守る術が、どうしても見当たらない。

 完全に手詰まりになりつつあった。


「くそっ!」


 腹立ち紛れに、ヴィトスは手近な屑籠(くずかご)を蹴り飛ばした。

 中に入っていた紙くずが散乱し、床が汚れるが、そんなことは気にならない。


「イノセンス計画のことは良い。せめて、あの子たちを……アデルを守らなくては……!」


 焦る気持ちが収まらず、ヴィトスは悶えるように、デスクの上に突っ伏してしまう。


 しばらくすると、ホログラム通話のコールがかかっていることに気が付いた。発信者はアトラスである。通話を開始すると、悲しそうな顔をした同僚の顔が、ホログラム表示で虚空に現れた。


「……何か用か、アトラス」


『……ヴィトス。委員会での話しを聞いたよ』


「……」


 なんと答えて良いのか、ヴィトスは思いつかなかった。


『子供たちも、各々に事情を知ってしまっているみたいでね。賢すぎることが災いしているのかな。自分たちの身に危険が迫っていることを、理解しているみたいだ』


「そんな、まさか。子供たちが、自分たちが殺されるかもしれないなんてことを、知ってしまっているのか?」


『残念ながらね……。みんな避難するように、今は僕の家に集まっているよ。ほら』


 アトラスは、自宅のリビングの映像を送ってくれた。そこには泣きじゃくり、身を寄せ合って震えている純化の子供(フラワーチャイルド)たちの姿があった。自分たちが生み出した、無垢なる者たちが、死という恐るべき未来に恐怖している姿は、ヴィトスの胸中に深い悲しみをもたらした。


『……こんな残酷なことがあるかい? 子供たちは、完全に(おび)えてしまっているよ。かわいそうに……』


「……ああ」


『この子たちは、いつだって人類のことを思い、人類の幸福を願っている。決して私欲に動かされず、いつだって人のことを優先するようにプログラムされている、無垢な存在だ。問題は、この子たちは世間から、“完璧な存在”なのだと誤解されていることなんだろう。この子たちだって失敗する。なのにみんな、それを認め、許そうとはしてくれないんだ。今回のような惨事を起こしてしまった今となっては、その言い訳は難しいのかもしれないけれど。どうにかこの子たちのことを、許してあげてほしいと願ってるよ』


 アトラスの意見には同意だった。多くの被害者を出した公害事件の犯人扱いをされていては、それも難しいことなのだろうが、子供たちの親代わりの身として、ヴィトスは子供たちの免罪を求めたい気持ちだった。


 それ以前に……ヴィトスの胸中には、激しい怒りが渦巻いているのだ。


 そもそも、子供たちが公害の原因をつくりだしたとは思えないのだ。ヴィトスの研究を貶めようとする、何者かの工作である可能性を疑っていた。委員会で提示された証拠データには、疑念しかなかったのだ。ヴィトスの計画を台無しにするだけならまだしも……子供たちに危害を加えられるのは、我慢ならないことである。この状況に疑念を抱いていることを、ヴィトスは敢えて、アトラスには言わなかった。


『廃棄処分というのは、まだ未定の話なんだろう? なんとか、この子たちを守る方法はないのかい? あるなら、僕はなんだって協力するよ。子供たちを守らないと』


「……もちろん。方法はあるさ」


『!』


 それがウソであるとは思わず、アトラスは表情を輝かせた。


『さすが、ヴィトスだ! それで、いったいどんな方法なんだい? 僕に手伝えることがあるなら、何でも言ってくれ。たとえ職を失うようなことになったって構わない。僕は、子供たちを守りたいんだ』


 ヴィトスは苦笑を浮かべた。


「今はまだ言えない。けれど、その時が来たら、力を借りることになるかもしれないとだけ言っておくよ」


『……わかった。君を信じているよ。君も、くれぐれも1人で無茶をしないようにね。僕は君の仲間なんだから』


 アトラスは希望に満ちた目で、通話を終了させた。


 ヴィトスは椅子の背もたれに寄りかかり、天井を見上げた。


「……すまない、アトラス」


 無駄に期待させるウソをついてしまったことを、ヴィトスは詫びた。

 だが、後悔はしていない。

 たとえ今だけでも、友に希望を与えたかったのである。




 ◇◇◇




 家で待っているアデルを待たせるわけにはいかず。

 ヴィトスは研究室から、帰路についた。


 見慣れたいつもの通勤路を、いつもの転移装置(ポータル)と、いつもの列車を乗り継いで帰る。代わり映えのしない景色は平和そのものであり、普段通りの、穏やかな夜景である。(きら)びやかなネオンの街を歩く人々も、いつもと変わらない、幸せな雰囲気を漂わせている。普段通りでないのは、そこを歩くヴィトスの足取りと、暗い心境だけだろう。


「救いたいと願っても、私には救えないのだろうか……なら、私は何と無力だったのか……」


 自分への失望と悲しみに、ずっと(さいな)まれ続けていた。


 自分が創造した、コアプログラムの子供たち。

 彼等、彼女等は、文字通りに自分の子供も同然なのだ。

 ヴィトスには父親として、子供たちを守る責任がある。

 それなのに、委員会や世論の圧力に立ち向かうこともできず、実際には何もしてやれないではないか。


 今までずっと、自分には力があるのだと、錯覚していただけなのかもしれない。周囲から天才だと持て囃され、若くして成功を収めていることなど、今この時には、なんの役にも立たないではないか。そんな地位や名誉に、自分があぐらを掻いていたことを痛感していた。それはこれまで、自分が唾棄してきた、権威をひけらかす愚鈍な人間と変わらないではないか。自分もまた、愚かな人間の1人であったことに気が付き、許せなくて、不甲斐なくて。ヴィトスはただ、子供たちの顔を思い浮かべながら、苦しい気持ちになることしかできなかった。


「アデル……」


 救いを求めるように、愛する少女の名を、自然と口にしてしまっていた。


 こんな無力で浅ましい自分のことを、アデルはどう思うのだろう。自らの恥部をさらけ出すような気分で、顔を合わせることさえ躊躇われてしまう。それでもせめて、彼女だけでも、助けることはできないだろうかと、卑しくも考え続けていた。いっそのこと、何もかもを棄てて、彼女と共に司令府を出るのも、良いかもしれないだろう。逃避行の旅路を行く未来も、朧気に頭に浮かんでいた。


 俯き加減のまま、そうして思い悩みながら街を歩いていると、いつしかヴィトスは、住宅街に辿り着いていた。自宅までは、もうほんの少しくらいの距離まで来ている。


「……?」


 住宅街の様子が、いつもと違っていることに気が付いた。

 家々の住人たちが、路上に出てきているではないか。

 皆一様に、通りの向こう、ヴィトスの進む先の方を見て囁き合っているのが聞こえた。


「ほら、あの家に住んでいる女の子。たしかニュースでやっていた、純化の子供(フラワーチャイルド)の1人よ」


「うそ。じゃあ、復讐されたの?」


「そういう話みたいよ。捕まったのは、公害の被害者家族だったんですって」


「えー。それじゃあ、恨まれても仕方ないかもしれないわねえ」


 ボソボソと話し合う主婦たちの会話が、胸中に嫌な予感をかき立てる。

 たまらず駆け出し、ヴィトスは急いで自宅へ向かった。


 辿り着いてみれば――――自宅前は立入禁止のホログラムテープで隔離されていた。


 司令府の法執行官たちが、勝手にヴィトスの家を出入りしており、押収した証拠品を、箱に詰めて持ち出していくのが見えた。野次馬で集まってきている近隣住人たちの集団を押しのけ、ヴィトスは血の気が失せた顔で、執行官に尋ねる。


「何だよ、これ…………いったい何が起きた……」


「危ないですので、無関係な方は立ち入らないでください。現在、事件の証拠品を集めているところでして――」


「私はここの住人だ! いったい何があったのか、説明しろと言ってるんだ!」


 声を荒げてしまった。執行官は手持ちのスキャナでヴィトスの顔を照合すると、すぐに態度を改め、敬礼をして見せた。


「失礼しました! 最上級員(エルフ)クラスのアクセス権を有した方だったとは露知らず、ご無礼を!」


「敬礼なんてどうでもいい! 私の家で何が起きたのか、早く説明してくれ!」


 嫌な予感が止まらない。

 目を血走らせて迫るヴィトスに気圧され、執行官は冷や汗を浮かべて答えた。


「……“殺人”事件です」


「!?」


「お宅に住んでおられた女の子が、押し入った暴漢たちに襲撃されまして。最近の公害のニュースに怒り、決起した市民たちの仕業のようです。その……中は見ない方が良いかと」


「そこをどけ!」


 いても立ってもいられず、ヴィトスは執行官を押しのけた。自宅に駆け込むと、内部がかなり荒らされていることが見てわかる。鈍器によってヘコまされた壁には、血濡れたナイフが突き立っていた。床は血まみれで、飼い犬のサーティーンだった肉塊が転がっているのが見えた。


「そんな……サーティーン……!」


 リビングルームに入れば、そこも同じような血の海になっている。

 その真ん中には、愛しい少女が物言わずに倒れているではないか。


「アデル!」


 室内を調べていた執行官たちを押しのけ、ヴィトスは倒れていた少女の身体を抱き上げた。生きたまま手足を切断され、身動きが取れなくなったところを、酷く暴行された様子である。少女の頭部から生えた赤花は引きちぎられ、床で踏み潰された痕跡があった。


「ああ、どうして……どうしてこんなことが……!」


 震える声で、ヴィトスはボロボロと涙を落とした。

 冷たくなった少女の身体を、何とか暖めてやろうと、賢明に抱きしめる。

 だが少女は何も応えてくれない。


「この子がいったい、何をした……!


 いつもの優しい笑顔で、微笑み返してはくれない。


「いったいどうして……誰がどうして、こんなにひどいこんなことができるんだあああああ!!」


 発狂しそうな思考を賢明に繋ぎ止めようとする。

 もはやヴィトスの脳内には、これをしでかした者たちへ怒りと憎しみしかなかった。


 みっともなく、大声で喚くように泣き続けた。

 物言わなくなった愛しい少女の身体を、強く強く抱きしめ続けていた。


 だがやがてヴィトスは、アデルの身体を床の上に寝かせて、フラリと立ち上がる。

 そうしてフラフラとした足取りで、自宅を出て行こうとした。


「あ、あの……ヴィトスさん、どちらへ?」


 尋ねた執行官を、ヴィトスはゆっくりと振り返った。

 その形相を見た者達は射すくめられ、思わず言葉を失ってしまう。

 燃えさかるような怒り。

 それに身を焦がしたヴィトスは、血の涙を流していた。


「ああ、そうか……。これでようやく、確信できたよ……」


 口角を歪め、狂った笑みを浮かべながら、ヴィトスは断言した。


「人間には、人間の未来を任せられないということがな……!」


 ヴィトスの心は、完全に壊れてしまっていた。

 ケタケタと笑い出し、それはやがて哄笑へと変わっていく。

 愛する者たちの死にまみれ、男は狂った。




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