10-6 群青遺跡
予期せず開始された、総合戦略学科への入学実技試験。野生の異常存在たちが潜む未開の遺跡を、ゴール地点まで踏破しなければならない。
残り時間は、すでに2日を切っている。
自分たちがまだ“入学候補生”であることを学科長から宣告された生徒たちは、しばらく落ち込んでいた。しかし気を取り直し、早速、この危険な遺跡に挑む準備を始めている。貴族の生徒たちについては、事前に支配権限の力を取り上げられ、実家や従者に連絡をとって助力を得ることも禁じられているのだ。この場で頼りになるのは、つまり自力と仲間の力だけである。
学科長は言っていた。「個人戦闘能力に自信のない方は、強い方と同行することをお勧めします」と。たしかに、人食いの怪物たちが蠢く、古の廃墟では、それを撃退する力が不可欠だ。戦闘に自信がない生徒たちは、強い生徒と同行するべく、パーティー編成に積極的だ。体育の授業のグループ分けとは違って、周囲の生徒たちは呼び込みやら、交渉などを行っている。まるで学生コンパのグループ作りをしているような雰囲気にも見えた。ただ、生死に関わりかねないグループ編成となるため、いずれも心底では必死だろう。
「なるほどな。両親もいないし、家の威光やらが届かない環境を造り上げて、新入生たちの自力を確認しようって腹づもりかな。なかなかくせ者の学科長らしい」
「そうだね。それに見てよ」
サムが指さす先には、体育ホールの前に集まっている生徒たちの姿があった。
「あれ。棄権する生徒たちだろ? 入学するために、遺跡の踏破に命まで賭けたくない連中さ。学科長が言う通り、本当に不正をして合格した奴等なのか。実際のところはわからないけど」
「たぶん100人以上はいるよな、あれ。なんだかイヤな感じだ……」
「毎年400人くらいしか合格しないのに、今年は筆記試験の合格者数が多すぎると思ってたんだよ。この実技試験で、大勢が脱落するだろうことを見越しての合格人数なんだろうね。……ん? 待てよ? じゃあ僕みたいなダメ男が運良く合格できたのも、もしかしてそのおかげだったりする?!」
「オレも、そのおかげかもしれないなあ」
苦笑しているケインに、サムは真顔で告げた。
「僕はケインと一緒に行くよ」
「え……? 良いのか? オレなんかとパーティー組んで」
「同じ列車に乗って、遠路はるばるやって来た仲間だろ? この会場には、他に信用できそうな人を知らないし。それにケイン、騎士剣を持ってるじゃないか」
サムは、ケインが腰に提げている剣を指さして言った。
「銃全盛のこの時代なのに、そういう近接武器を持ってる人って珍しいだろ? 銃を使うよりも、近接武器を使った方が強い人。だとしたら、相当に強い魔術の使い手だ。違うかい?」
「……」
サムの眼差しは、期待に輝いていた。
ケインが隠れた実力者であることを、疑っていない様子だった。
自分の洞察眼に自信満々なのだろう。少し誇らしそうな顔さえしている。
だが対してケインは、困ったように頭を掻く。
「……期待してもらってるところ悪いんだけど、オレは“魔術を使えない”よ」
「……え?」
「入学式の案内状に、武器を携帯して来いって書かれてろ? 銃があれば良かったんだけど、オレが住んでるのって、ものすごい辺境の田舎だったから。この剣くらいしか武器がなかっただけさ」
「………………ガチ?」
「ガチ」
サムは青ざめて頭を抱えた。
「ええ?! じゃあケインって、戦闘能力に関してはどうなの!? 高いの!? 低いの!?」
「まあ、一応は剣術を習ってたよ。それなりには戦えるかな」
「うわ! ダメそう!」
「失敬な……。そういうサムはどうなんだよ。ほら、自動拳銃を持ってきてるだろ?」
「僕!? まともに銃を撃ったこともないよ! 武器を持ってこいって言われたから、何となく持ってきただけさ! 悪い!?」
「いや、悪くないけど。ああ、そうなの……」
2人が話をしていると、そこに少女が1人、歩み寄ってきた。
腰に刀を2本差している、ポニーテールの少女だ。
「ケインと、たしかそっちは、サムと言ったな」
声をかけられ、2人は意外そうな顔をする。
「君はたしか、オレが路上でぶつかっちゃった……」
「ええっと、アルだっけ?」
少女、アルは腕組みをして胸を張った。
「そなたらのパーティーに、妾も加わって構わんか?」
「はい!?」
「見ての通り、か弱い乙女なのでな」
わけのわからない理由で、少女はケインたちに同行を申し出てくる。
唖然としている様子の2人に構わず、アルは名乗った。
「改めて自己紹介しておこう。妾は、アル・スレイド。グレイン企業国に住む、一介の市民だ。よろしく頼むぞ」
「え!? 君、そんな雅な口調で、実は市民だったの?! てっきりどこか名家のお嬢様だとばかり思ってたよ! と言うか、どういう一般家庭で育ったら、その言葉遣いになるのさ!?」
「ん、なんだ? そう言うそなたらは、貴族であったのか。従者も連れず、自分の手でスーツケースを転がしておったから、てっきり同じ市民だと思っていたぞ」
「うぅ~! 何か言い返したいけど、お互いにツッコミどころが多すぎるぅぅ……!」
腕組みしたまま豪快に笑っているアルへ、ケインはいかがわしそうに尋ねる。
「君。ぜんぜん、か弱そうじゃないよね?」
「ハッハッハ。傷ついたぞ」
「いやいや、豪快に笑ってるし。1ミリも傷ついてもいなさそうだよね……。そもそも刀を2本も持ってるだろ。それ、使えないの?」
「この刀か? 護身用じゃ。滅多むやみに使うものではない。それに、妾は“魔術を使えぬ”のじゃ。か弱き乙女としては、強そうな男児のグループについていくのが良策じゃろう?」
「うわ。ケインや僕と同じ、魔術学院に入学したのに、魔術使えないパターンなんだ……」
「総合戦略学科は、魔術の技能が必須ではなかろう? 妾以外にも同じく魔術が使えない生徒は大勢おる。なにせ、士官候補生プログラムじゃ。魔術を実際に使うよりも、部下に使わせる側の職に就く進路が、多いからのう」
「魔術も使えないし、戦えないのに、あんなにすごい啖呵切ってたってこと?」
「ケンカは言った者勝ちじゃ。ハッタリでも何でも、相手をビビらせられれば勝ちなのじゃ」
「意外とムチャクチャだね、君……」
ケインは呆れて嘆息を漏らしてしまう。
改めて、サムにも尋ねたことを、アルにも尋ねた。
「それで? なんだってオレたちを選ぶんだよ? 見た目に強そうなヤツだったら、他にたくさん候補がいるだろ。アーサーのパーティーなんて、身体付きからして強そうなのが何人かいるじゃないか。魔術を使える女子もいるみたいだし」
ケインが横目にして見ているのは、アーサーたちのグループである。筋骨隆々の、いかにもファイターらしい身体付きの生徒が数名。それに、魔術を使えるのであろう、杖を手にした女子生徒の姿もあった。8人くらいのチームだろうか。いずれも強そうな雰囲気のメンバーに見えた。
不快そうな表情で、サムがケインに付け足した。
「アイツは、アーサー・レインバラード。家名が有名だから、聞いたことあるだろ?」
「ほお。レインバラード家の者か。たしか“勇者”を輩出した、兵器商の名家だったな」
「その勇者の弟さ。勇者本人じゃないとは言え、その血筋ってだけでも、やっぱり伊達じゃないよ。腕っ節もかなり強いんだ。たぶん同級生の中じゃ、最強クラスじゃないかな。同行するなら、アイツのパーティーに参加した方が、僕たちと行くより安全だと思うけど」
「ならサムだって、ケインとではなく、アーサーのパーティーについて行ったらどうなのじゃ?」
「え!? そんなのヤダよ! いくら強くたって、あんなヤツと一緒にいたら、ストレスで胃がすり切れちゃうよ! 僕ってストレスに弱いんだから、入院することになったらイヤすぎるでしょ!」
「なら、妾の気持ちもわかるじゃろ? サムと同じ理由じゃよ。兵士に重要なこととは、腕っ節以外には“信用”じゃ。あのように性格のねじ曲がった輩、いつこちらの寝首を掻きに来るかもわからん。不審な輩と一緒に行動するのは、遠慮したいものよ」
「ぐ、ぬ……! 一理あるね」
「一理あるのか」
2人の言い分を聞いたケインは、もう一度だけ嘆息する。
「まあ、良いよ。一緒に行動する人数が増えれば、その分、お互いをカバーし易くなるだろう。ただし、オレたちは君の護衛じゃない。いざという時は、あてにさせてもらうよ、アル?」
「うむ! 構わんぞ! こちらこそ頼りにしておるからな、剣士殿!」
「全員が他人の力任せ。不安だな、僕のパーティー……」
ケインたちのパーティーが結成された頃、話題のアーサーのパーティーが近寄ってきた。アーサーは、ケインとサムの顔を見るなりニヤリと微笑む。皮肉を込めた口調で、語りかけてきた。
「おや。誰かと思えば、サムと、トラヴァース家の者ではないか。貴様たちが、この私の同級生になるなどという話は、デタラメだとばかり思っていたが、まさかこの場に居合わせているとは。どうやら、この名門の学院に合格したという話は、ウソ偽りではなかったようだな。信じられぬことだがな、ハハハ」
「げっ、アーサー……」
小声でサムが呟いた。露骨にイヤそうな顔をしているサムに気が付いてないのか、アーサーは構わず、ケインの顔を見やりながら嫌味を言ってくる。
「そこのサムが、戦いの役に立たないことはよく知っている。なにせ幼馴染みだからな。だとすると、そちらのパーティーの主戦力は、トラヴァースと、そこのサムライ女の2人だけか。フン。銃ではなく、わざわざ刀剣をぶら下げてきているんだ。さぞかし腕には自信があるのだろうな?」
どうやらアーサーも、サムと同じように、ケインの実力を推察している様子だ。それに応えるより先に、アーサーは、一方的に語り続ける。
「どの程度やるのかは知らないが、いずれにせよ勇者の血統である、この私には及ぶまい。たった3人のパーティーで、危険な遺跡の踏破に挑むとは、そちらは余程の人材難と見えるな。3人とも、もしかして人を集めるほどの人望がないのか? ハハハハ」
肩をすくめて、アーサーは小馬鹿にしてくる。
それを見ていた周囲の取り巻きの生徒たちも、同様に、小馬鹿にした笑みを浮かべた。
「入学式会場まで2日の道のりと言ったが、私のパーティーなら1日もあれば辿り着けるかもしれんな。そちらも、私の同級生を名乗りたいのなら、せいぜい必死に生き残って、会場まで辿り着くことだ。もちろん、途中で野垂れ死ぬか。五体満足で新学期を迎えられんかもしれんが?」
言いたいことを言い終えたのか。
アーサーは高笑いをしながら、取り巻きの生徒たちを連れて出発してしまう。
その背を見送りながら、ケインは神妙な顔で呟いた。
「よく喋るヤツだな。どこで話に返事をすれば良いのか、タイミングがわからなかったぞ」
「敢えて無視してるのかと思ってたけど、返事しようとはしてたんだね、ケイン……」
「暇なく口を開いてるから、なかなか言い返せなくてさ」
「何気にアーサーって、マシンガントークだよね。しかも口を開けば、自慢と嫌味しか出てこないヤツだよ。こっちは聞きたくもないのに、空気も読まず、いつでもお構いなし。サイコパスだよ。誰かに口を塞いでおいてもらいたいよねえ」
他のパーティーがこぞって出発する背を見送っている2人。
それに呆れながら、アルが忠告した。
「2人とも。いつまでも他のパーティーを見送っていないで。妾たちも、さっさと出立するぞ。日が暮れる前に、中間地点は越えておきたいところじゃ」
◇◇◇
生徒たちのAIVに、セイラ学科長が送信したきた、ゴール地点の情報。それは座標データだけだ。詳細な現地地図や画像などない、未開の遺跡なのである。座標の地点が、どういった場所であるのかは不明である。座標の方角は、どうやらスタート地点の体育ホールから、北西の方角に向かった先にあるらしい。それくらいの大まかな情報しか、現時点ではないのだ。AIVのホログラムが示す方位磁針の表示に従って、漠然と北西を目指すしかなかった。
ドミノのように倒れて連なった、廃ビル群の背を歩きながら、ケインが呟いた。
「……静かになったな」
スタート地点には、大勢の生徒たちがいた。だがそこから先は、決まった順路があるわけでもなく、生徒たちはパーティーごとに散開したのである。北西を目指して進むルートが複数にあったため、それぞれが「安全そうだ」と考えた道のりを進んでいるのだ。周囲から他の生徒たちの姿が消え、ケインが言う通りに静かになっていた。
「眼下には水没した都市。波が廃ビルの足下に打ち付ける音と、カモメの鳴き声しか聞こえないね。異常存在が徘徊してるって聞いてたけど、今のところ遭遇してないし。穏やかだね」
「うむ。なんだかピクニックでもしているような気分になってくるのう」
呑気な2人の仲間の意見を聞きながら、ケインも周囲の風景を一望してみる。
苔生した廃墟のビルが、数え切れないほどに乱立している都市だったのだろう。右を向いても、左を向いても、高層ビルの廃墟だらけだ。建物はどれも、足下が海水に浸かっている。縁に立って下を見下ろせば、30メートルくらい下に、波打つ海原が見えていた。自分たちが立っているビルは、果たして元はどれだけ高い建造物だったのか。どれだけの階層が、海中に沈んでしまっているのか。見下ろしているだけでは海底は見えず、検討もつかなかった。
「ビルの屋根伝いに移動してるみたいな感じになってるね。あちこちに、倒れて傾いているビルが多いから、意外と行き止まりになったりしないし、このままゴールまで、屋根伝いに行けちゃうのかな」
「どうだろう。他のパーティーは、体育ホールから見えてた海底トンネルっぽいのに向かってたよな。たしかに、あそこが通れるならゴールまですぐに行けそうだけど、行き止まりだとキツいし」
「遠回りでも、行き先の様子が確認しやすいビルの屋根伝いの方が、確実かもね。と思ってるんだけど……僕たち以外のパーティーを見かけないし、もしかしてみんな、トンネルに賭けた?」
「あるいは妾たちのずっと先まで進んでおるのか、ずっと後ろにいるかじゃな。まあ、他のパーティ-のことは放っておこう。競争でもなし、期限内にゴールにまで着けば、道のりなどどうでも良いのじゃ」
「そ、そうだね……!」
ケインは、眼下の海面を見下ろしながら歩く。
白い廃ビルが無数に生え出た、群青色の水面。
「群青遺跡か……。ここのこと、誰か知ってる?」
ケインは、アルとサムの2人を振り返って尋ねた。
降参のように肩を竦めて見せているサムの隣で、アルが苦笑を交えて答えた。
「たしか、グレイン企業国領の、東部海岸線沿いに位置する遺跡じゃな。6年前に発見されたもので、すでに調査隊が3度くらい入っているはずじゃが、成果を得られず帰ってきた。クルステル魔導学院からは、およそ500キロメートル近くは離れておるはずじゃ」
「へえ。アルって、遺跡に詳しいの?」
「生家が、ここから遠くない場所なのじゃ。まあ、近所の話に聞いていた程度の情報よ」
「え? じゃあ、この辺がアルの故郷ってこと?」
「それほど近いわけではないがの」
アルは歩みを止めて、周囲の景色を眺めた。
それにつられて、ケインとサムも足を止める。
吹き抜ける潮風にポニーテールを揺らしながら、アルは続けた。
「何でも、この遺跡は1万2千年ほど前のものだそうじゃ。最年長の企業国王である、ローシルト老人よりも旧い時代のもの。星壊戦争よりも前じゃな。調査によれば、この都市は元々、海中に建造されていたものじゃが、気候変動による隆起や海面上昇の影響によって、このように足下が海に浸かった状態の水位で落ち着いてしまったらしい。海上に見えてる建物は氷山の一角で、水位が深い場所には、もっと巨大な都市部も沈んでいるという話もあるが、現在は調査の手が止まっているので、詳しいことはわかっておらんようじゃな」
「どうして、調査の手が止まっているんだ? 3回も調査隊が編成されたってことは、何かしらそうする価値がありそうな遺跡だったってことなんだろ?」
「遺跡で見つかる価値あるものって言ったら、帝国史以前の旧文明が製造した、異能装具とか、聖遺物だよね。じゃあもしかして、まだ手つかずの財宝が眠っているかも知れない遺跡ってこと?! だとしたら、この試験ちょっと楽しいかも」
質問されたアルは、眼下を指さして言った。
「調査の手が止まっている理由は、アレじゃよ」
「アレ……?」
指し示された青の水面。
その奥に目を凝らして見ると――――巨大な魚影が見えた。
「ヒッ!」
気が付いたサムが身を震わせ、後退る。
青ざめながら、恐る恐るアルへ尋ねた。
「うわ! なにあの大きな魚の化け物! 10メートル以上はあったよ!? 恐竜!?」
「……水中に生息するタイプの異常存在だな、たぶん」
「うむ! この辺では“魚獣”と呼ばれておる。正確に言えば、水陸両用で活動するクラス3の異常存在じゃな。クラス4のような異能力の機能は有していないが、見ての通り、肉体能力は人間を優に上回っておる。奴等の頑強な䪽なら、妾たちの頭骨ごと、頭を噛み砕くことも容易そうじゃな。遺跡のあちこちに連中の巣穴ができているようで、調査するのは命懸けなんじゃ」
「じゃあそれって、この遺跡を抜けようとしている僕たちも、命懸けってことでしょ!? しかも水陸両用って、あんなのが陸に上がってくることもあるわけ?! 遭遇したら大変じゃないか!」
「そうじゃなあ」
「だよなあ」
「めちゃ呑気!」
頭を抱えているサムを尻目に、ケインとアルは会話を続けた。
「ようするに、調査隊の資金力の問題じゃな。専門家協会で腕利きの怪物狩りや、傭兵を雇おうとすれば、高く付くじゃろ。調査を続けて、価値ある財宝が手に入る確証があるなら、話は別なんじゃが?」
「なるほどね。調査を続けても儲かる保証がないから、誰も危険をおかしてまで、調査しようと思わないわけか」
「そういうことじゃ。調査のために投じる資金が、返ってくるかどうかは、ギャンブルになるからの。よってここは、未開の遺跡のままということになるんじゃな。正式名称すら決まってないから、見た目の通りに群青遺跡と呼ばれておるのじゃろ」
「何てところに僕たちを転移させたんだよ、学科長は! あの人、なんか見た目が可愛いわりに、やってることがクレイジーじゃない!?」
「そうじゃなあ」
「だよなあ」
「もういいよそれ!」
ケインたちはワイワイと騒ぎながら、群青遺跡の先を進んだ。